パリのマダムの・・・ volume80

『ラファイエット 前編』

“ラファイエット”というワードを聞いたことのある人で
そこそこの年齢の人は
“ギャラリー”を付けて「ギャラリー ラファイエット」
パリにある百貨店を思い浮かべる
かもですし
ニューヨーク好きなら
ラファイエットストリートの方がピンと来るだろうし
日本の若者なら
ストリートファションのブランド名と思ってしまうかも。

でも、今回とりあげる“ラファイエット”は
ラファイエット侯爵

Marie-Joseph Paul Yves Roch Gilbert Du Motier, Marquis De La Fayette
(マリー=ジョセフ・ポール・イヴ・ロシュ・ジルベール・デュ・モティエ,ラファイエット侯爵)
という、恐ろしく長い名前には、貴族とわかる、deが入っています。

ナポレオン・ボナパルトに比べて語られることは多くありませんが
古くからの著名な血筋で
その一族の伝統として軍人の道を継ぎ
アメリカ独立戦争やフランス革命で重要な役割を果たし
『Le Héro des Deux Mondes=The Hero of the Two Worlds』
両大陸の英雄 と呼ばれました。
(英雄は、英語ではヒーロー、仏語だとエホ
仏語の発音は頭に付くHは読まず、Rは喉奥で息を吐き出すだけなのでホに近い発音)

その名声とは裏腹に、ダンスが苦手でお酒も弱く
宮廷内ではうまく立ち回れなかったという逸話も。
マリーアントワネットにダンスをからかわれたなんて話まで。

なぜ、彼を取り上げようと思ったか、というと
間もなくパリでオリンピックが開催されるから。
そして、オリンピックと近代フリーメーソンとは
ある意味、深い関係があり
フリーメーソンとラファイエット侯爵も
ある意味、深い関係があるからです。

1年半くらいを東京で過ごし、フランスに戻ってみると
さすがに、パリオリンピックの話題が増えていた。

例えば、7月26日の開会式は、セーヌ河水上で行われる予定で
ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館、ポンデザール、ポンヌフ、アレクサンドル3世橋にオルセー美術館と
日本人にも聞き馴染みのある数々の場所を横目にパレードが行われる(らしい)。
その様子は川岸に設置された80台もの巨大スクリーンに映し出され
観客は、河畔から無料で見ることができる(らしい)。

当然、警察官や軍隊配備で厳戒警備を敷くわけだが
オリンピック開催期間(7月26日~8月11日)は夏季休暇にあたり
休業期間に労働することに対し、その補償やボーナス増額の要求で
職員らが早速抗議活動を行なっていて……
フランスの、殊にパリのお家芸、組合ストライキも起きるかも?!
そんな雰囲気がむんむん。

さらに、大会ポスターが発表されると
オリンピックは、宗教的なシンボルを禁止しているということで
アンバリッドの十字架が消されていた。
そのことから
「アンバリッドは歴史的建造物なのに、その修正はいかがなモノか」
と理屈っぽいフランス人たちお好みの論争が飛び交っていたりして。

パリオリンピックのマスコット「フリージュ」
「フリージュ」が可愛いか…
と聞かれたら首をかしげるところだが
大阪万博公式キャラクターの「みゃくみゃく」に比べれば…。
作者には申し訳ないけれど
「みゃくみゃく」は、かわいくないというより
正直、気持ちが悪い印象がぬぐえない。

もっとも、2012年のロンドンオリンピックのマスコット
一つ目小僧の『ウエンロック』も
少々気持ちの悪い印象ではあった…が。

そういえば「フリージュ」に「ウエンロック」
このオリンピックのマスコット
いずれも、フリーメーソンの象徴を
これでもか、というくらい強調しているのに驚いた。

「近代フリーメーソンの歴史はラファイエットからスタートしている」
と言っても過言ではないと私は思っている。
その理由とは…

後編に続く

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