パリのマダムの・・・ volume59

『フランス・トリヴィア』

6月2日、仏TVで、エリザベス女王のプラチナジュビリーを追った。
同時実況生中継というのも、何だか凄いが、フランスにも王族専属のジャーナリストもいる。フランス人は、フランス革命で王室を亡くしてしまったので、君主制の英国に対してどこか羨んでる節がある(笑)。

イギリス空軍のRed Arrowsアクロバットチームが、トリコロールスモークで祝ったが、今年のカンヌ映画祭では、トム・クルーズの最新版“トップ・ガン”のお披露目に合わせて、フランス空軍Patrouille de Franceのトリコロールスモークを自宅バルコニーから見たばかりだったから、何か重複して、またもあらぬ方向に思考が飛びそうになった。
(そういえば、自衛隊のアクロバット飛行隊も”Blue” Impulse……)


前回、フランス“ブルー”について書いたが、赤や青からもう一つ浮かぶのは、アメリカのRed State、Blue State。2000年以降の大統領選挙における政党支持傾向を示す概念で、赤が共和党、青が民主党支持という色分けになるが、本質は、民主党こそ共産主義の左翼系で”赤”というカラクリ……

保守vsリベラルの問題は、ナショナリズムvsグルーバリズムとも比較されるが、その根底には、移民問題が大きく絡んでくる。欧州における今のウクライナ移民受け入れ優遇も、公言できない政治的な内情を孕んでいるように思う。こんなこと書くと、差別発言だという人が出てくるが、欧州各国、どんどん白人が減って、カトリックも少なくなっている現状を“なんとかせにゃいかん”という暗黙の了解?!が、無きにしも非ずな気がしている。

西欧ほど目立ってはいないかもしれないが、日本だって、移民は増えているはずで、今後は、もっともっと悩ましいことになるかもしれない。大抵の日本人は、心根が優しく、人を疑うことを知らないから、移民受け入れがなぜダメなのか、その末路に気づかない。

人類皆兄弟、なんて、どこかで聞いたような、耳に心地よいスローガンの裏には、死活的な國體constitutionの問題が関わってくる。世界政府? そんなの必要か……
昨今、天皇家や皇族たちの様々な問題が取り沙汰されるが、国民のあづかり知らぬところで、ジワジワと日本を破壊に導く謀略、左翼的な誘導で起きている気がしてならない。

そもそも戦争や革命がなぜ起こされるのかだが、その結果として王朝が滅んだ例は数限りなくある。人民共和国を喜ぶのは、誰なのかを、考えてみればわかる。普通の庶民は、どうしたって「王様やお姫様」が好きなはずだし、正しく尊厳もするし、まして、その素行や教養、姿格好含めて羨望に値するなら、尚の事、その存在を自慢に思うはずだが、

もちろん、王族も皇族も人間だから、全員が聖人君主のような行いをするとは限らない。それこそ、英国王室が良い例で、チャールズ王子とダイアナ妃は、とんでもない結末となったし、ハリーとメーガンに至っては目も当てられない。以前にも触れた息子のアンドリュー王子や妹のマーガレット王女も破天荒だった。在位70年ともなれば、女王は、国家のみならず家庭の中でも、大変な心労を生きたはずで、それだけでも頭が下がる。

それにしてもなぜ、英国もモナコも、妃にアメリカ女優を選ぶのだろう? 本当に偶然の出会いなの? 組織?!の工作で“あてがわれ”て、従うしかない事情があったりしないの?

面白いのは、モナコ大公レーニエ3世が結婚相手を求めていた時、格が違うというので、英国王族からは出せない、ということだったのだ。結果的に、(海運王オナシスが介入し?!)グレース・ケリーと結ばれたことで、国家のイメチェン活動がうまくいって今日のモナコがある。

女優といえば、最近、歴史的な英国王室ドラマでも、王族の配役にユダヤ系や黒人系の有色人種が使われていることに、私などは少々違和感を感じる。どこまで、ポピュリズムに迎合するのだろう、とガッカリしてしまうが、それは、それに絡む、制作スポンサーや配給会社などが、そっち系?!だったりするのかもしれない。

ところで、ナポレオンは、オランダやスウェーデンも占領した時期があるが、歴史の皮肉で、この両国には君主制が残った。特に、スウェーデンは、ナポレオン軍の将軍Jean-Baptiste Jule Bernadotteを国王に迎え、この帝国元帥が、カール16世グスタフ国王の祖先になった。(こんな事、フランス本国では話題にも上らないけどね。)

しかも、王位継承法が改正されて、性別に関係なく長子が王位継承者と定められたので、次期国王は、長女のヴィクトリア皇女となる。そして日本でも、こういうヨーロッパ王室の例を持ち出して、女性天皇や女系天皇を誕生させよう、という動きが気になる。

悪賢い?!知識人たちが、屁理屈を並び立てて論拠するから、何が本当で、何が正当なのかも、わからなくさせられる。日本の皇統は、世界中が羨む、唯一無二の、國體なのだ。
もちろん日系国民はその破壊を望まないだろうが、先祖を敬う信仰と古式豊かな伝統を守るに、西欧流リベラルの入る余地はないと言いたい。

フランスが落ちぶれてしまったのは、やはり大きな権威を誇る王様がいなくなってしまったことに起因している気がしないでもない。どんなに強い権力を持たせた大統領制にした
ところで、まるで定期借家のような政治家を庶民は馬鹿にして、揚げ足取りばかりする。

結局、移民に占領された?! 国は安定しない。フランス人を名乗るのは都合が良いからで
彼らには、その歴史や伝統や文化も関係ない。もちろん、歴史なんて知っていて何の役に立つ?と反論する向きもあるだろうが、そういうツッコミこそが左翼的だと思う。

とにかく、時まさに、下院選挙が行われようとしているが、社会主義のフランスが抱える問題の闇は深い。ストライキやイベントに便乗した暴動が、なぜにこんなにも頻繁に起きるのか? 自分本位の屁理屈や行動をしておきながら、後は全て他人のせいにする。何か言われれば差別だと高飛車になる。そんなのをどうして放っておける?

さて、少し前に、Air France Japanから広告メールが来た。コロナ騒動も少し落ち着き、規制解除されたためもあるが、タイトルは『パリの魔法に身を任せましょう!』というもので、「パリ散策を楽しみ、疲れたら、カフェでひと休み」云々、そう、あのEmily in Parisのユートピアなパリをイメージさせる文言が並んでいて、思わず笑みが出た。

私以上にパリを知っている東京在住の親友も、Emily in Parisが大好き。それが現実とは大きなギャップがあるストーリーだと知りつつも、憧れは尽きないようで、恐怖のパリを語り聞かせる私の話には、馬の耳に念仏。彼女は相変わらず、夢みる夢子ちゃん、東京のパリや、Paris Nowな話題を提供してくれる(苦笑)。

しかも、彼女によれば、理想とするは、フランス人との国際結婚で、でも、子供はスペイン人?! というのが上位だそうだが、一体どうしてそんな話になるかわからないが、なんと、その理想?を地で行っているのが、スペイン系フランス人と結婚し、その子供を授かった“私”ということになる?!

こんなこと書いても、マウントするつもりは毛頭ないのでご理解頂きたい。たまたまそういう運命になっただけで、決して褒められた過去を持たない。ジェットコースターのような激しい変化に富んだ流れ者の生活、結婚後1箇所に5年と落ち着いた試しがない……

とにかく、これからパリやフランス各地への旅行を計画している方々は、本当に気をつけて頂きたい。特に高級時計は、絶対に腕に嵌めて歩いてはダメ。スリというような可愛いもんじゃない。老齢の仏友人がRolexをしていて、自宅近くで殴る蹴るの強盗に合った。

宝飾品もつけるなら偽物が良い。ハンドバックもブランドものは持たない方が良い。高級ホテルに泊まっても、そこに身綺麗にした紳士淑女の泥棒が出入りするので要注意だ。
私自身も過去に二度、有名なホテルでお茶や食事をしていて、脱いだ上着を椅子にかけていたら、つけていたブローチがいつの間にか消えていた、という経験がある。

タクシーに乗ってても、手荷物やバックを手放して、悠長に窓の外を眺めてなんかいられ
ない。ニューヨーク在住の従姉妹が、夫の出張に便乗してパリに遊びに来たが、空港に向かうタクシーの窓を破られて、バックを持って行かれた怖い目に遭っている。

東京のパリ?!に居た方が、絶対に幸せな夢を追えるはずだけど、怖いもの見たさ?の“お化け屋敷”に入る覚悟なら、是非いらしてください。って、皮肉ぽくてごめんなさい。でもホント、パリは、フランス人自身が嫌うストレスフルな街なの。実際、特にコロナ以来、大都会パリから地方の田舎へ引っ越す家族が増えている。

ん? 待てよ、こんな事書いているのがバレたら、私はフランスに居られなくなる?!

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