パリのマダムの・・・ volume62

『Sosie - そっくりさん』

“そっくりさん”を仏語でソズィという。“モノマネをする”は、動詞imiterイミテを使うが、英語のイミテーション(偽物)も同類語である。

フランスのTVで、以前、Guignolギニョルという人形劇があった。
政治家や有名人を捉え、時節に乗った話題で、面と向かっては言えないだろうな、という皮肉や暴言を吐いてて、楽しく笑えた。

Canal+という契約をしないとみられないチャンネルだったが、無料公開している時間帯もあり、ギニョルが見られた。かなりポピュラーな人気番組だったが、株主が代わり、政治的圧力もかかったか、残念ながら今は放送していない。

パリのナイトスポットで、Michouミシュゥというキャバレーがある。と言っても、日本のようなキャバクラではなく、かと言ってムーラン・ルージュやクレイジーホースのような大規模でもない、小じんまりしたナイトクラブ。

テーブルと椅子がくっつきあった狭いスペースで、ゲイの人たちが、形態模写のショーを見せて楽しませてくれる。ディナー付きで予約すると、その芸人たちがドラァグクイーンのようにメイクした状態でお給仕もするのだ。夫は一度もそのショーを見たことがないのに、私は“3回くらい?”行っている(苦笑)。

突っ込まれそうだからあえて書くと、最初はフランス人に仕事のお付き合いで連れて行ってもらい、ハマったので、次は日本のお仕事上のお付き合いに仲間を誘った。言葉がわからなくても十分楽しめる。プライベートでも行ったけど、正直何回行ったっけ……

そのオーナーMichouは2020年1月に亡くなったが、生前のある時、夫の元上司が彼のパートナーになっていて、二人してひっくり返る程驚いたものだった。その人は以前結婚していたはずだが、元パリ市長同様、いつしかカミングアウトしていたと言うわけ。

さて、この種の芸能は、日本でも、“そっくりショー”“スターものまね大合戦”といったTV番組があったし、世界のあちこちで見られる。何より、お笑いとは縁遠い政治家の登場は、そのパーソナリテイのイメチェンにも大いに貢献したりするものだろう。

この種の余興は、特徴を捉える演技者の能力もあるが、観ている方もその人物に近づこうと想像するので、相乗効果も相まって、ますますそう見えてくるものに違いない。こういうのを見せられて、ゲラゲラ笑っているうちは良いのだが、常に暗殺の危険に晒されている身の上なら、簡単にホンモノは人前には出て来ないものかもしれない。
普通は、まさかそんなことあるはずがない、と思っているから、ちょっと変でも疑わないが、あれ、ちょっと顔が違う?!と思ってしまうと、疑いに拍車がかかり、もはや登場の度に今度は何番目? ってな具合になる。

誰がどう見ても違うでしょう、という時もあるが、いつの時点で入れ替わったのか、何人影武者がいるのか、など、素人に分かろうはずもない。そっくりさんが登場するのは、どう誘導するかは別として、プロパガンダの可能性もある。わざと思わせぶりにおちょくっている気がしないでもない。ほれ見ろ、ニセモノだぜ、殺しても無駄よ、とかね。

この流れで触れるのもなんだが、7月8日、安倍元総理が亡くなった。故人のご冥福を祈りつつも、何やら怪しい感じがしたのは様々なブログの指摘にもある。私の周りのフランス人たちも、この事件をフランスでの報道以上に知りたい様で、日本人の私に聞いてきたのだが、日本人だからと言ってその裏や、況してや真実を知るはずもない(苦笑)。

こんな比較をするのも恐れ多いのだが、私の頭に浮かんだのは、ケネディ大統領暗殺とダイアナ妃の事故死で、それを足して2で割ったような印象を持った。

あの容疑者の単独犯行には思えなかったが、では、どんな勢力が、どんな意図で、暗殺計画を実行したのか? 安倍元総理のようなサラブレットが殺されるなんて、よほどの裏があるに違いない、と思えるが、一瞬でも、果たして、暗殺された安倍元総理の場合は、ホンモノだったのか、ニセモノだったのか? という思いもよぎった。

王族、政治家など要人は、その地位を守るためには、一定期間その権威が存在しないと困るので、ホンモノが亡くなっても二番手三番手が用意されるのだろう。その人命の長さを誰が決めるのか知らないが、無用になって病死や暗殺となれば、実際に生きているのか死んでいるのかは別として、その人はこの世の中に存在しないことになる。

とはいえ、本人ではなく、なりすましが必要だった場合、整形手術を施して、偽物を作る、なんてこともあり得ない話ではない。実際、某国では、整形外科医が事故死したり、突然消えたりして、そんな時、どこかの組織に新しいトップが誕生するらしい(怖)。

もっとも、美容整形で、ボトックスやヒアルロン酸を注入したり、自然にしろ人工的にしろ、太ったり痩せたり、或いはもっと現実的に、歳を経ても自然に顔は変わる。だから、写真や映像だけ見て、政治家や芸能人などの偽物話は語れない、ということもある。

ところで、血縁関係はないことになっているが、親子のようにとてもよく似ている人たち、というのがいる。誰の子供か、という領域は、名前だけではわからないし、出自が、公表されているものとは違う、ということはあるだろう。

例えば、ビルクリントンが何番目かのロックフェラーに似ている、なんていう話もあれば、渦中のゼレンスキーは、ジョージ・ソロスの従兄弟説、と言うのも出てきて、どうなんだろう?

事実、血は争えない、黙っていても似てしまう、というのもあるにはあるが、容姿が似ている者同士は、血統的に近いとも考えられる。同じ民族に属する人同士は、他民族に比べて、より多くの共通した遺伝子セットを持っていても不思議ではない。

よく言われる「この世の中には自分と似た人が人いる」という話は、位一体、美神、種の神器、人寄れば文殊の知恵、早起きは文の徳……なんならカップヌードルも3分だけど(笑)、実際建築物は最低3本の柱を必要とするし、3は最初の素数で、最小限でバランスが良い数だから、よく引き合いに出されるのではないか、と思う。

で、実際には、もっと多いはずだと思うが、
あなたは自分のdoppelgängerにあったことがありますか?
よく作家たちが陥ると言われているが、美術館の絵画に、自分のそっくりさんを見つけて、ドッペルゲンガー現象に陥ってしまった人たちもいる。

ドッペンゲルガーは姿形が全く同じな自分の分身、人間ではなく自身の霊体が一時的に物質化したものと言われている。その人の思考や感情をスキャニングできるため、似ているというところを通り越して、丸ごと自分がもう一人いる、という状況を言うようだが、このドッペンゲルガーが7人は居るという説がある。

そういえば、7人の侍、とか、白雪姫と7人の小人、とか7も妙に引っかかる。カジノやパチンコでも7の組み合わせが3つの777があるし、なんならボーイングにも777機モデルがある。うーん、こういうのまた思考があらぬ方向に行っちゃう(失笑)……のを制して、話を戻すが、では、子供は、自分のそっくりさん、なのか?

ハーフの娘を見てきて、赤ちゃんの時、子供の時、成長期、現在、と、ほんとに顔が変わったと思う。よちよち歩きの写真を比べると、夫のその頃にそっくり。小学校の時、私が学校へ迎えに行くと、別のハーフの女の子の母親に間違えられた。その子は父親がフランス人で母親はカンボジア人だったのだけど、娘はアジア系に見られていなかった節がある。

もっとも、私の日本の親友は、いつも華僑の令嬢に間違われる。海外はもちろん日本に居ても英語で話しかけられるのが常だが、実際には、ロシア系の血が混じっている。まあ、ユーラシアの東から西にまたがる国だから、ロシア系でもアジア顔はありだが、その息子はそっち系?! で、韓流スター(体格も良く、カッコイイ)のよう。父親は完全な日本人だが、息子は第二成長期を過ぎても、殆ど母親と同じ容姿(笑)で、二人揃うとホント面白い。

確かに、女の子は父親似、男の子は母親似、というのは一般的にあたっているかもだが、最近の娘は、見た目は私似(と思いたい?!)が、その親友は“どこからどう見てもパパ似”と笑うのだから、灯台下暗し? 特筆すべきは、むしろ人格まで、かなり〇〇〇〇化(〇には夫の名前が入る)してきて、チョー恐い……

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