パリのマダムの・・・ volume88

『ローマの休日 帰宅編』

今回、夫は空港からホテルまで
ホテルから空港まで、と
行も帰りも、送迎用にハイヤーを用意してくれた。

ローマ到着時は夫が仕事で迎えに来られない
という事情だったのも手伝って、ハイヤー利用にしたのですが
帰国時は夫が空港まで見送りに来てくれる
というのにもかかわらず、ハイヤー利用にしたのは
今、世界中の観光地で起きているタクシー不足の波
ローマも例外ではなく、タクシーを確保するのが容易ではないからです。

日本で言うところの“タクシーGo”のようなアプリは何種類かあるのですが
ソレをフル活用したとて容易には捕まえることはできません。
ホテルでさえもいくつかのアプリを併用してタクシーを確保しています。

あっそうそう、ローマでの移動手段の話をする時
前提の話として言っておかねば…な事があります。

ローマっ子は、歩くのが嫌い!

そう断定してしまいたいほどに
僅かな距離でも歩かないのです。

例え10分程度の距離でさえも
バイクに自転車、キックボード
バスが通っていたらバス停一つでも乗るし
それができないなら、タクシー
と、あらゆる原動機を使っての移動をします。
とにかく、なるべく歩こうとしない…
まあ、あの街並み、古代の石畳が歩きにくいのは認めるが
それにしても、あまりに歩かなさすぎません?
社会現象として、コロナ後、観光地でのタクシー不足に
ローマっ子の歩くの嫌いが拍車をかけていること間違いなし。

比して我々夫婦は、普通よりもかなり歩く二人。
(話は逸れるが)
市街地にある賃貸物件を見に行った時
「道がまっすぐだし、歩いて行こう」
と夫と二人で意気揚々と歩き始めた。

45分くらいで到着と思っていたが、結局1時間ほどかかった。

「歩くことで、その界隈はどんな人が住む地域なのかを肌で感じることができる。
これはとても大事!」
と夫も私も思っているので、つい歩き周ってしまうのですが
もちろん、イタリア人にはかなり驚かれました
その驚きの後ろ側にちょっとした呆れも加えて…(苦笑)

さて、話を戻して
ホテルでハイヤーに乗って空港へ向かおうとしたが
先ず、ローマの中心街から脱出するのに時間がかかる。
渋滞につぐ、渋滞
高速道路に近づいたところで、反対側から乗り入れる車の列も加わり大渋滞。
その上、その日は高速の入口付近での接触事故まで。

高速へ乗ったら、大きなトラブルなく空港へ到着したのにはホッとした。

検査場に入るところで、夫と涙のお別れをした。
(夫はいつも、見えなくなるまで見送りをしてくれる

夫は、一度試しておきたいと、帰りは中央駅まで電車を利用したそうだが
車内はガラガラだったそう。
エクスプレスとは名ばかりで、スピードはノロノロ
イタリアでのエキスプレスの定義は
各駅停車ではない
というものらしい(笑)

夫が帰りに乗ったのは
『レオナルドエクスプレス』という名の各駅停車ではない電車。
ちなみに、ローマ・フィウミチーノ空港の別称は『レオナルド・ダヴィンチ空港』。
そこかしこにイタリアと言えばの天才の名を冠している。

さて、夫はにわか雨に濡れることもなく戻れたそうだが
私の方はといえば、搭乗時に雲行きが怪しくなり、あり得ないほどの大雨。
バゲージの積荷運搬も止まり、かなりヤバイ状況だったが
雨が小降りになってきたのを見計らって、管制塔の指示が出た(様子)。

雲を潜って旋回するときはホントにドキドキした。

機上の人となって観察すると、豪雨の場所もよくわかる。

ニース空港が近づいてくると、それはそれは美しい快晴に。

こうして、1時間遅れでローマを飛び立った飛行機は
問題なく飛行を続け、ニース空港到着は、19:30くらい。
20時発のリムジンバスでカンヌに帰ろうと思っていた私は
少し、いや、かなり焦った。
日中は30分に1本のリムジンバスが、夜は1時間に1本になってしまう。
その上、最終は21:00・・・
乗り遅れたら大変・・・とトイレも我慢してバス停へ急いだ。

ちょうど、バスが到着したので早速に乗り込もうとすると
「出発は20:15だからあと”13分”ある」
と、乗せてくれない。
それならばと、再び空港内へ戻って、トイレに行くことにした。
用を足して、5分前に余裕でバス停に戻り、丁度乗車可となったバスに乗った。

最終的に乗客は、私も含めてたった5人。
運転手さんは、走行中もずっと、前の席のお客さんと楽しそうに世間話。
田舎ならではの光景だわ、と、戻って来た感満載でカンヌまで。

ニースの空港からカンヌの自宅までバスに乗った理由は…
もちろん、それが一番、リーズナブルだから。

昔に比べて、世界中の観光地では、空港から街中までのタクシー料金が定額になっているところが多い。
それは観光客にとってはありがたい話だが、暮らしている側からすると、その料金は結構、高額だ。

ニースからカンヌは、定額90€で、荷物が多いと+αされたりする。
夫が4月に乗った時は、イベント送迎の多い時期で110€も請求されたらしいが
「カンヌの住民だ」と言うと、少し値引きしてくれたそうだ。
まぁ、それでも100€だったけど!

これが、高速バスを使うと、約20€。
1箇所停まるが、時間はタクシーとほぼ同じで45~50分。
断然バスが経済的なのです。

この時期は21時を回ってもまだ明るいし
バス停から自宅まで、徒歩20分弱・・・
ローマの喧騒や歩き難い石畳に比べて、カンヌのメイン通りは快適だから
ぶらぶら歩いて帰るにも丁度いい。

翌週から映画祭が始まるからか
警備が厳重になり、警察がそこかしこに巡回していて
プラスで安心感が増す。

ちなみに、カンヌでは普通の時でも
街中を騎馬で巡回、という警察に時々出逢います。

こうして、ローマの休日を終え
カンヌの我が家へ無事、帰り付きましたぁ~。

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