パリのマダムの・・・ volume52

『La Lune 月(太陰・月輪)』

幼い頃、「月にはうさぎがいて餅つきをしている」という話を信じ、十五夜でお団子を頬張っては目を凝らして月を眺め、そんな風にも見えていた気がする。
(写真はバルコニーから撮った、ある朝の白い月)

文部省唱歌は♪“出た出た月が”で、炭坑節になると♪“月が出た出た”となる(笑)が、月は、なぜか、出てくるのを待ち焦がれるような存在なのかもしれない。
ご参考:https://www.epochtimes.jp/p/2019/02/40400.html

月物語といえば、私の時代は、まだまだ“かぐや姫”だったが、娘の時代はセーラームーン。娘は研究者になっても、セーラームーンの勧善懲悪物語がお気に入りで「レズビアン、ゲイ、トランスジェンダーが登場するなんて、子供の時には全くわからなかったし、子供向けアニメにそういうのってどうなんだろ」と苦笑。
(写真は東京JO新体操でセーラムーン衣装を着たウズベキスタンチーム)
ご参考:https://doors.nikkei.com/atcl/wol/column/15/062900085/090100006/

50年代後半、ソ連の無人月探査計画がスタートし、1959年9月12日ルナ2号が世界で初めて月面に到達。宇宙開発が本格的に始まり、ガガーリンがボストーク3KA-2で世界初の有人宇宙飛行に成功したのが、1961年4月12日。“地球は青かった”が広まる。

対するアメリカは、ケネディ大統領が「10年以内に月面に人類を着陸させ無事に地球に帰還させる」と宣言。その時に使った言葉が“Moonshot”で、以来、ムーンショットは「実現が困難とされる目標に挑む」ことを指すようになった。

ところが、ケネディ大統領は、1963年11月22日テキサス州ダラスで暗殺されてしまう。日米の宇宙中継が始まったのが、ちょうどその頃、伝送実験での報道となり、日本時間11月23日に暗殺の悲報が生中継された。
アポロ11号が月面着陸を果たしたのが1969年7月20日。NHKが12時間に渡る衛星生中継で、視聴率は何と68%を記録、正にやってきたTVの時代のエンターテーメントとなった。

翌年の大阪万博“月の石”が展示された。家族旅行の候補になったが、猛暑の人混みで、娘3人誰か一人倒れては元も子もない、と父の判断で、涼しい北海道旅行に決定。戦後初の日本メーカーが開発した日本航空YS11型機で、家族全員が初飛行をしたのだった。
ご参考:https://flyteam.jp/news/article/133907

機体が揺れればハラハラドキドキ、まるで遊園地の乗り物に乗るような気分だった。見下ろす大地に見える自然や人々の集落に感動しつつ、その後の私の人生で、何十回と飛行機に乗るようになるとは、当時は全く想像も出来なかった。いわんや海外生活をや。

2020年1月23日、内閣府は第48回総合科学技術・イノベーション会議で“ムーンショット”推進を決定。「人が体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現する」わかったようなわからないような……VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のテクノロジーやハードウェア、通信技術が進んできた現代は、夢か幻か見境がつかない社会構築のようでもある。
ご参考:https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/sub1.html
    https://www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/index.html

2020年7月10日、日米両政府は、日本人宇宙飛行士が“初”の月面着陸を行うことを盛り込んだ月探査協力に関する共同宣言を発表。“アポロ”(太陽神)計画以来、約半世紀ぶりに有人月面着陸を行う“アルテミス”(月の女神)計画がスタートした。
ご参考:https://sorabatake.jp/14652/ 
    https://astro-mission.jaxa.jp/astro_selection/

2021年1月13日、NASAと日本政府は、月周回有人拠点Gatewayに関する覚書を締結。月面及び火星に向けた中継基地の名称で、ここが月周回有人拠点になる。
高輪ゲートウェイ駅が出来たとき、どこか奇異に感じたが、思えば、ここに繋がる刷り込
みだったのかも。この言葉、プロトコルの異なるネットワークと接続するIT用語だ。
ご参考:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2019/05/27/1417114_4_3.pdf

今や、宇宙有人旅行が花盛り、中でもIT業界の億万長者らの活躍が目立つ。Amason創業者ジェフ・ベゾス氏は、2021年7月20日(アポロの月面着陸記念日)に、宇宙旅行を行った。NASAは、自力での打ち上げロケットの開発を断念し、電動飛行機の開発をテスラのイーロン・マスクに丸投げした。彼は宇宙開発ベンチャーSpaceXのCEOでもある。

世界初の月観光旅行の乗客は、日本の前澤友作氏に決まった。ZOZOが2020に見える(笑) 
月周回旅行は2023年に計画され、8席提供されているらしい。彼が広告塔に選ばれたのも、宇宙ビジネスのバックに多くの日本企業が関与していることと無関係ではないはず。まずは、ロシアのソユーズで民間の宇宙飛行士になる“12月8日”が気になる。

カスリもしない世界の事で、ジェラシーも湧かないが、宇宙は私には眉唾な世界だ。
ロケットもミサイルも同類、というより、もっと身近に、飛行機自体が怪しい。揚力だけでは飛ばないと思うし、自動操縦という領域が出てきたのも、案外、秘密にできなくなってきたということかもしれない。例えばコンピューターがそうだったように、技術が軍から民間に普及する時は、ビジネスの採算と別の目的に使えるからだろうと考える。

世の中に、陰謀論という言葉が広まったのは、ケネディ大統領暗殺の顛末かららしい。
つまりは、世界が宇宙を目指した頃から、ということになる。映像で見せられても、真実はどうかわからない。まして昨今、バーシャルな世界がどんどん一般化し、わざと撹乱しているようにも思える。変だと思っても、脳は勝手に処理をしてしまう……

実は私、裏読みというのか、暗号解読のような世界にちょっぴりハマっている。
様々な事件や事故が起きる度に、思わせぶりな数字が並ぶのが気になる。漢字やアナグラムを使った表現で、人々を煙に巻く……どこかナルシスティックな呪術のようでもある。

そういう意味合いから、日本の陰陽道を読み解くと太陽と月の関係は、太陽を陽、月が陰で、太陰ともいう。古くは“太陽”に対して“太陰”、“日輪”に対し“月輪”。太陽=鳥で、月=兎だから、日鳥(火の鳥)の対極は、月兎太陽は「火」、月は「水」。「火水」は「か・み=神?」

古今東西、太陽神は男で月は女神、日本でも太古、日子は高貴な血筋の男性名だった。なのになぜ、天照大神を女、月読命(月夜見尊)を男としたのか、ここに古代史の謎がある。私の仮定は、古神道は原始キリスト教ではなかったか、キリストを隠すためにアマテラスを女性にしたのか、日本人こそ正統派ユダヤ人?! だとしたら……

さて、2021年11月19日、日本国内の広い範囲で皆既日食に近い部分月食0,98が起きた。140年ぶりの現象だそうだが、日本では、日食や月蝕は“穢れ”をもたらすものであり、天変地異や社会的動乱の前触れとされた。『禁秘抄』という有職故実の解説書には、天皇は御簾をさげ、御所も席(むしろ)で包み隠し、日月食の光に当たってはならないという。
ご参考:https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.html
   
インドのアーユルヴェーダでは「脳や身体の機能が乱れる」「悪い波動を振りまくもの」とされ、見てはならず、水や食料を摂ってはならず、光に当たってもダメらしい。

西洋では、月が人間を狂気にひきこむと考えられ、lunatic(英)/lunatique(仏)の意味は、狂気じみた、とか、気まぐれ、むら気がある……一般的に満月の夜は寝つかれないということがあるが、女性の身体は、月経も出産も、月の満ち欠けの影響を受けるミステリー。

月には水があるというが、人間の身体は70%前後が水分。肌、肝、肺、胸、腕、脚、脳という具合に、身体の部位を表す漢字には“月”(にくづき)が入っている。月=水と見なすと、月が人間の身体に及ぼす影響を考え合わせると非常に興味深い。

12月は天体エンターテイメントが目白押し。都会ではなかなか難しいかもしれないが、時には、“見上げてごらん夜の星を”
ご参考: https://weathernews.jp/s/topics/202111/300075/

そのうち、再びコペルニクス的転回が起きるかも?!  果たして“月に変わってお仕置き”を受けるのはだーれ?! その時私は生きているかな?
ご参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/地球平面説

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