パリのマダムの・・・ volume55
『信仰と呪術の暗号学』
数を比較したこともないが、日本にあるtemple社寺の数は、面積辺り世界一多いのではないだろうか。全国津々浦々、田舎の山影や都会のビルの片隅にも小さな祠のある光景を目の当たりにする。まして、家には神棚や仏壇もある。その事実こそがハレモノなのか?
日本人は宗教に無関心というが、むしろ信心深く、祭りに儀式、慣わしやしきたり、方位とか姓名判断とかも気にするし、占いや願掛けもし、呪いや祟りも恐れる。縁起物が好きだし、あちこちお札やお守りの類が溢れ、六曜、月齢、旧暦カレンダーもある。
【ご参考:https://toyokeizai.net/articles/-/334588】
我が家では娘が大の占い好き。このお正月も、BFの母親が住むトゥールーズに遊びに行った折、母親の親友に、石を使ったrune占いをしてもらったと楽しそうだった。北欧やケルトの占いらしいが、ググると、日本でもやっている人たちがいる。
【ご参考:https://www.p-mana.com/rune.htm】
娘は、初めてお母様にお目にかかった時にも、ちゃっかりタロット占いをしてもらっている。母親は精神科医、その親友は科学者、なのに、pseudosciencee疑似科学に分類される黒魔術?!ができる、というのがウケる。magicは日本では手品、語源的には古代ペルシャ語のmagusで、占いや呪術を職業としている集団の事、magicianは呪術師であった。
数秘術の元祖はピタゴラス、プラトンに引き継がれ、占星術や易学、タロットと結びつき、ユダヤ教のカバラも介入してゲマトリアが出てきたり、という具合に発展、ルネッサンス期にはヨーロッパでかなり広範に隆盛を極めた。新年に、ElleやMarie-Caireという女性誌が数秘術を取り上げるのは、フランスでも女性の方が占いが好きなのかも。
【ご参考:https://www.elle.fr/Astro/Numerologie/Annuel
https://www.marieclaire.fr/astro/numerologie】
高貴な出自の親友の誕生日は、生年月日で1が出て、月日(8月18日)からは8が出る。
日本や中国では八は末広がりで吉数とされ、風水盤が八角形で、宇宙の成り立ちを表す。キリスト教圏では、洗礼堂を八角形に築造するのが慣わしで、霊魂の再生と復活を表す数になっている一方で、悪魔の化身とされるタコocotopusが8本足で不吉ともされる。
【ご参考:https://toyokeizai.net/articles/-/210644】
高貴な出自ではない私の場合は、生年月日で4、月日(2月7日)からは9。ゲッ4(死)9(苦)、ギョ足して13…でも、幼い頃遊んだ記憶がある花札では、9はカブと言われる最高数 !って何と比較してるんだって話だが、一応おことわりすると、ヤクザ893な家ではない(笑)。
【ご参考:https://blog.goo.ne.jp/ryuunokoe/e/252eae0daf2cd7aa4fd1903f795e279e】
日本で古代から続く占術と言えば、なんと言っても、陰陽道。私のツインソウルであらせられる聖徳太子様こそが“陰陽道の祖”とされ、聖徳太子伝暦には、正史にはない超人伝説が収録されている。中でも「母親が体内に救世観音が入る霊夢により懐妊。宮中の厩の前で生まれた」と言う伝説は、マリアとイエスの話に類似点があって興味深い。
聖徳太子は、「陰陽五行説」を制度に導入、『十七条の憲法』の和は陰陽和合で、陰の極数八(最大偶数)と陽の極数九(最大奇数)を足した数。(わぁ、親友と私の和合17って最高!!)『官位十二階』は、道教・儒教における天帝(北極星)を取り巻く十二の衛星を指すらしい。
法隆寺の夢殿は、太子が神仏と交信し智慧を授かる特別な空間。広隆寺にも八角円堂の桂宮院があるが、太子亡き後「弥勒菩薩」が安置された。救世観音には、政変、陰謀、暗殺、内乱などで苦悩する蘇我の皇子としての太子像がある。弥勒369は封印された暗号か?
日本書紀の編纂を開始した天武帝だが、陰陽道に精通し「大王おおきみ」と言う称号を「天皇」にし、神祇と祭祀の整備と陰陽寮を設置した。「壬申の乱」で天武帝に加勢した伊勢神宮の整備、斎宮復活を行い皇祖神として祭祀、自らの皇女を伊勢斎宮として奉仕させ、天武系皇女が斎宮になる風習が続いた。桓武帝の父光仁帝の皇后、井上内親王もその流れで、祭政一致時代の大王家本来の姿“呪術祭祀のリーダー”を復活させようとした。
三重県志摩地方の海女さんが身につける魔除けに、セーマン安倍晴明・ドーマン蘆屋道満がある。セーマン(図形左)は五芒星で、ユダヤの星を思うかもだが、一筆書きで元の位置に戻ることから「無事に戻って来られますように」という願いが込められている。ドーマン(図形右)は、山伏や忍者が九字を切る時に用いた、横五、縦四(5+4=9)の手印の法にも通じる。護身法であり、邪気を祓う厄除けで、『臨兵闘者皆陳烈在前』(リン、ピョウ、トウ、シャ、カイ、ジン、レツ、ザイ、ゼン)を唱える時に描かれる図形をその順番に刺繍するのだという。
陰陽師は、律令制下では官職にあり、中世でも盛んだったが、明治政府は陰陽寮廃止を強行。以後、陰陽師は裏に潜り、権力・権威闘争に関わる事になったのかも?!
気づいたら、数字に振り回される世の中に生きている。数の影響と言っても、目に見えるものと目に見えないものがある。目に見える形では、月日や電話番号、暗証番号にパスワード、番号認証のon paradeで、覚えきれなくなる先には、生体認証が待っている?!
目に見えない数字では音波。第一、私たちを取り巻く環境は、音だらけ。音を発する周波数による振動の違いは、感知できるできないに関わらず、肉体や精神に多大な影響を与えている。所謂、陰謀論好きにはお馴染みの666も、色々な所で見つかる。
【ご参考:http://sfushigi.com/2017/02/25/post-185/】
そんな中、考えてみると、日本人にとって数字は単なる記号ではない特殊性がある。数の
数え方も、数詞の読み方も一つではなく、音から別の意味を持たせることも可能になる。
【ご参考:http://www.eonet.ne.jp/~shiyokkyo/rizhong/kazu.html】
一二三はヒフミとも読む。02で鬼オニ、000で三輪ミワ、いくらでも出てくる。年号の覚え方も、「鳴くよ794ウグイス平安遷都」とか、鎌倉幕府は私が習った頃は“いい国1192”だったけど、今はいい箱1185になった。ん?、日本はいい国じゃなくなった?! (苦笑)
何と、今年のNHK大河ドラマが『鎌倉殿の13人』と知って、暗号解読したくなった(笑)。
13からイメージされるのは、西欧で言われるところの不吉な数。例えば、『最後の晩餐』(Jesus+弟子12人)でイエスを裏切ったJudasユダは、13番目の席に着いた逸話が浮かぶ。巣鴨拘置所の絞首台には、GHQによって13段の階段が設けられ、「13階段」は死刑執行を意味する隠語という話もある(怖)。
【ご参考:https://media.thisisgallery.com/20213820】
暗号と聞けば、自分たちには全く関係ないと思っている人がほとんどだと思う。私も以前はそうだった。ところが昨今、あながち無関心でもいられないと思うようになった。メディアのニュースやネット情報、映画やドラマの中にも、気づくか気づかないかは別にして、案外、身近にゴロゴロ転がっているような気がしている。
世界で起きる様々な事件や出来事にも、暗示的な数字が見て取れる。多くは陰謀論で片付けられしまうが、911、117、311……これだけで何のことかわかる、という事実こそ、数字が示唆的な刷り込みの手段にもなることに気づくと思う。
元々911は、米国で緊急通報用の電話番号、なぜか日本はその逆で119。国際電話で使う識別国番号なども、なぜ日本は81、仏国33、英国44……誰がどう決めたの?
暗号理論となると、第二次世界大戦のエニグマ暗号機とか、コンピュータの時代におけるアルゴリズムとかの数学的暗号化を想像するかもしれないが、暗号の最も基本となる記号置換は、既に古代エジプトやメソポタミアで登場している。現在知られる最古の例は、陶器の艶出し技術の処方を隠すために暗号が使われた、という。ギリシャのスパルタでも、ローマ時代のシーザーも重要な情報を保護するために使った。
【ご参考:https://persol-tech-s.co.jp/corporate/security/article.html?id=80】
古いものほど新しい、と言うのか、案外、コンピューターを駆使せず、普通の文章を使う方が、操作されない的確なメッセージが正しく伝達できるのかもしれないと思えてくる。
まして、漢字、ひらがな、カタカナ、さらにはローマ字表記まで交えて文章が書ける日本
人は、世界でも稀な能力を持っているのかもしれない。漢字は表意文字と言うが、正に、
日本の漢字は意味を持って創作的で、同音異議語も多く作れる。いくつもの読み方や含
みが可能になるし、逆さ読みやアナグラムによる目眩しも複雑化できることから、
日本人は世界で最も複雑な暗号的文章が書ける民族かもしれない(笑)