パリのマダムの・・・ volume78

『御キツネ様はキリストか?!』

松の内も終わり、だいぶと過ぎてはいますが
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

元旦から続いた様々な出来事に驚愕しました。
ご遺族の方々、災害に遭われた方々、そしてその関係者の皆様に
心からお悔やみを申し上げます。

新しい年を迎えて最初のエッセイなので、神社のお話にします。

例によって例のごとくで(苦笑)
切り込みは少々斜めではありますが…
お付き合いくださいませ。

全国に神社と認定されている場所は16万弱ありまして…
もの凄い数ですよね。
その神社には系列があって、数の多い二大系列が八幡神社と稲荷神社。

今回のテーマは、「稲荷神社」についてです。

イナリという言葉が元々外来語だったので
稲荷や伊奈利と記したという説もあるようですが
この「稲荷(いなり)」と
ラテン語の「INRI(JNRI)(いんり)」
私にはどうしても因果関係があると思えてしまいます。

写真の十字架の上にあるINRIの文字
ラテン語で書かれた
Iesvs(Jesvs) Nazarenvs Rex Ivdaeorvm
(ナザレの王イエス、ユダヤの王)
の頭文字をとったものです。

さて、稲荷神社といって先ず浮かぶのは
京都の伏見稲荷神社。
次に通称、豊川稲荷
愛知県豊川市にある豊川閣妙嚴寺。
日本三大稲荷の中の二つ。

どちらの御社にも狐がたくさん…

因みに、三大稲荷のもう一つの笠間稲荷神社と
和歌山県にある糸我稲荷神社は
“日本最古の稲荷神社”の座を争って久しい二社。

まぁ、「三大〇〇」とか「最古の〇〇」というのは
言ったもの勝ち的な部分が往往にしてありますから…
突き詰めると、大変なことになりそうなので、そこはさておき
どちらの神社も創られたのは
伏見稲荷神社より60年くらい前という古さ。

その伏見稲荷を創建したのは
渡来人の秦氏と言われています。

伏見稲荷の狐がくわえているモノが実に興味深い。
稲の束、巻物、鍵、玉…

稲の束は、元々、五穀豊穣の神様ですから
当たり前って言えばそれまでなのですが
巻物と鍵はそうサラッとは流せないモノがありまして

秦氏のルーツである弓月国から遊牧しながら朝鮮半島へたどり着いたペルシャ系の一族がネストリウス派のキリスト教徒であったということから
巻物はトーラー(ユダヤ教の経典の一種)
鍵はキリストがパウロに与えた鍵なのではないかと…
考えてしまったわけです。

秦氏のルーツについては徐福伝説にけっこう詳しく書かれている(らしい…)ので
もし深追い希望の場合はお薦めです。

さて、稲荷神社の主祭神は
「ウガノミタマノオオカミ」
と呼ばれる女神様。

古事記では「宇迦之御魂神」
日本書紀では「倉稲魂命」
と表記されます。

ところで、ウガノミタマノオオカミの、ウガは
サンスクリット語で「蛇の精霊」を意味する言葉「ナゥーガ」とよく似ている。
他にもナーガとかヌーガとか表現されているのを見かけるのですが
でも、問題はソコではないのです!

伏見稲荷の護符に
その起源たる図柄として蛇が記されていることが問題なんです。

そうなると伏見稲荷は蛇様信仰?!
ってなるじゃないですか。

蛇の精霊を象徴する「ウガノミタマノオオカミ」は
七福神の紅一点「弁財天」と同一視され
「弁財天」はヒンドゥー教の「サラスヴァティー」で
“水を持つもの”という意味があるそう。

「サラスヴァティー」も蛇と関係が深い女神なのですが
確かに蛇行する川は正に蛇って感じがしますね。
ご参考:https://blog.gyokuenji.or.jp/blog/2021/04/15/no550「巳(み)の日」/

さらに、ペルシャ神話に登場する「アナーヒタ」という
ゾロアスター教で崇拝された女神でもあり
これまたメソポタミアの「女神イシュタル」と同一視され
シュメール神話に登場する「地母神ニンフルサグ」や
豊穣神「イナンナ」の別名とされているという説を唱える人もいて。

わんさか色々な女神様が登場して混乱してきた。

そして、この数多女神様たちは全員
キリスト教グノーシス派が崇拝していた女神「ソフィア」に行き着くとか。
智慧を意味する「ソフィア」は
世界の起源に関して重要な役割を持ったのですが
これらはすべて女性原理を受け継いだ神々と言われています。

蛇の精霊や女性原理の女神様
色々言ってはみたものの
やはり稲荷神社といえば ”狐”よね。

これが、ジャッカルの頭部を持つアヌビス神という話もあれど…

下の写真は、我が家の御狐様。
山王稲荷神社のモノで、本来は願かけに使うのだが
あまりに可愛いので、願掛けもせず、自宅に持ち帰ってしまった(笑)
これは罰当たりかしら…今更ながらドキドキしてきた。

話は大きく飛びますが
なぜ、「女狐」に「たぬき親父」なんだろぉ?!

陰陽道では、狸が陽で狐が陰。

狸は可愛げがあるけど、狐はちょっと怖いイメージ……

こういう感じになってしまうのも
世界三大宗教と同じで、男が作ったものだから?

ついでに、もう一つ悪態?!をつくと
宗教は、大いなる闇の支配基盤になっている気がしてならない……

ところで、日本では、外国人も分け隔てなく
神仏の加護や除災を願って、お参りをする光景があちこちで見られ
数々の護符を、皆、興味津々に求めています。

その光景を目にする度
カトリックが、借金の返済に”免罪符”を作って売ってプロテストされた(プロテスタントが生まれた)という説が浮かび
過去とのギャップが、大いに気になってしまう私。

かくゆう我が家も、特に年末年始は、お札やお守りのon paradeとなります。

中でも今年、鎌倉の長谷寺で
『ボケ封じ』というのに惹かれて手が出たお守り

瓢箪が6個で無病(六瓢)にあやかっているのだが
早くも一瓢箪がちぎれてなくなり
ご覧の通り、すでに五瓢箪……

これってどう読み解けばいいんだろう
やっぱり厄災の身代わり、と信じていいのかしら

何はともあれ、始まったばかりの2024年
皆様にとって良い一年となりますように。

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