パリのマダムの・・・

『パンとサーカス』

2021年5月23日に開催されたEurovision、結果発表の場面だけTVで目にした。業界プロの評価では、スイスとフランスが争っていたのが、最後のパブリック票で、イタリアが断トツの1位に輝き、フランスは2位、スイスは3位に終わった。
ご参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ユーロビジョン・ソング・コンテスト

今回、英国のアーティストへの投票がゼロだったので、夫は、ブレグジットへの嫌がらせ?!と笑ったが、そもそも、こういう得票数というのもどこまで信憑性があるのだろう。

ところで、優勝したイタリアのロックバンドが会場でコカインを吸ったのではないか、という映像が出回り、話題を呼んだ。検査結果は陰性、順位は動かなかったが、吸っていたとしてもおかしくない、という感じは誰の頭にもあったのではないだろうか。

ミュージシャンと麻薬の関係といえば、やはりビートルズの時代を思わずにはいられない。私は、ビートルズ世代よりは後になるが、それでも、深い意味などは考えずに歌詞を覚え、弾き語りをしたりして楽しんだこともある。

2005年にラスベガスに住んだことで、ビートルズに関わる縁?!もあった。シルク・ド・ソレイユとビートルズのコラボが実現し、LOVEという常設公演がスタート。オープニングショーの招待を受け、赤い絨毯を歩き、パーティ会場では、オノ・ヨーコ、ポール・マッカートニー、リンゴ・スターらとも”すれ違った”(笑)。

今にして思えば、ビートルズの出現というのは、やはり何か仕掛けめいている気もする。ショー”ビジネス”であるからして、当然、お膳立てはあっただろう。では、誰が、何のために、どうやって、というような5W1Hについて考えてみたい。

娘と二人、2018年7月にリヴァプールに行った時、ビートルズ博物館も訪れた。ビートルズは、初代プロデューサーの縁故で、ハンブルグのクラブで演奏した時期もある。リヴァプールもハンブルクも港町、ビートルズのメンバーも船で現地入りするのだが、当時、音楽界で成功するには、ハンブルクに行かねばならない、という件があったと聞いた。

どうやら、そうした夜の街には、アメリカやイギリスの船員たちが大勢繰り出し、海を渡
る荒くれ者たち相手には、上品な曲より、めちゃくちゃワイルドでロックな曲が好まれた
ようだ。必然、ビートルズのメンバーも不良っぽくハードなイメージがある。ビートルズ
が乗り込んだ場所は、ハンブルクの中でも悪名高い「世界で最も罪深き1マイル」と言わ
れる、風俗産業が栄えた、歓楽街Reeperbahnレイパーバーンだった。
ご参考:https://allabout.co.jp/gm/gc/447476/

実は、娘がロンドン在住となり、初めて住まいを訪れた時、まずはその住所に”感電”した。
というのも、通りの名前に、Tavistockが入っていたから。こんな親もどうかと思うが、真っ先に、”タヴィストック研究所”が頭によぎったのだった。

解き明かすと、英国における精神分析理論の拠点の一つで、世論誘導の洗脳機関とも言われる。ハンプシャーにあるフロイト博物館にも行ったが、フロイトが亡命して晩年を過ごした。近くにタヴィストック・クリニックがある。
ご参考:https://satehate.exblog.jp/10017607/
https://www.travel.co.jp/guide/article/6692/

さて、アメリカは、1950年代から黒人差別廃止を求めた公民権運動、女性差別廃止を求めた女性解放運動が高まり、1960年代には市民運動が過熱していた。ところが、この時代、麻薬と乱交の味を覚えさせて気を削がれたのが、ヒッピーたちだった。
そうなると、冷戦や共産・資本主義の問題に疑問を持って全うに批判したとしても、彼らの言動は陳腐化し、正論とは捉えられない、という流れになる。
ご参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/1960年代のカウンターカルチャー

広告塔になったのがビートルズだった。Lucy in the Sky with Diamondsという歌があるが、60年代アメリカではLSDが普通に薬局で売られ、一般大衆の間に広がっていた。
ご参考:https://beatles.fandom.com/wiki/LSD

「カッコーの巣の上で」という、ジャック・ニコルソン主演の映画。
原作はケン・キージーという人で、1964年の夏、ヒッピーコミューンのメリープランクターズを引連れ、サイケデリックな塗装のバスに乗り、精神の解放を訴え、LSDを広めるツアーをしたが、後のビートルズのマジカルミステリーツアーのモチーフになったとされる。
ご参考:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/26495?n=1&e=26671

LSD摂取時に起こる幻覚に影響を受けたのは音楽だけではない。サイケデリック・アートというのも起こり、その強烈な色彩、配色、余白を埋める装飾的な線やパターンなど、ポスターからファションまで広がりを見せた。しかしその後、LSDは非合法となり規制され、ヒッピーのムーブメントが去ると共に、その使用も激減していく。

黒人vs白人問題が根深いアメリカで、2007年来、MeTooに端を発してハラスメントに関する運動も盛んになり、以来、世界中で有名人の告発が次々に表沙汰になっている。
また昨年、ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイト氏の警察官による殺害事件が起きた。そしてつい先頃、白人警官に22年の禁固刑が下った。
 
ところで、インターネットの発達で、コンピューターは専門家だけの分野ではなくなり、発信手段を得た民衆は、一部は活動家、一部はインフルエンサーとなり、発言の自由を謳歌している。何か起これば、たちまち世界に拡散する世の中になった。

そんな中、世界で、マリファナ解禁、その規制緩和が進んでいる。オランダだけでなく、スペインも、アメリカのコロラド州やニューヨーク州でも合法化されている。
ご参考:https://biz-journal.jp/2019/11/post_129786.html

アメリカではMDMAやLSDを合法化する法案の動きもある。PTSDに苦しんだ人が医療用幻覚剤の使用で復調したというエピソードを紹介し、コロナ禍の影響で、うつ病や不安障害になった人が増えている中で、その改善になる、というわけだ。
ご参考:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/27136/3/1/1

こうした動きは、薬物の闇市場撲滅になり、麻薬密輸業者に流れるお金が減り、密輸自体が減るという論理もある。パリ18区のJardin d’Eoleという公園は、薬物売買や中毒者たちの溜まり場のようになっているが、行政や国の動きが今一つ煮え切らない。

最近の傾向として、TV報道もネット情報も、善と悪、メリットとデメリット、その論考が両方平行してあり、正誤の判断がつきにくい。麻薬の話も然りだが、コロナやそのワクチンについても、専門家の意見にも食い違いがある。

そうした錯乱が起こされることが、正に私には、現代の大衆洗脳テクニックなのではないかと思えてくる。つまり、あれこれいろんな情報があることで、脳は消化しきれなくなり、認知機能が拒否反応を起こす。直接影響が及ばなければ問題にしないという具合に。

さて、タイトルから何を言わんとするかわかった人もいると思うが、その意味は、共和政ローマの末期、無産市民が増加し、有力者に求めたもの、それが食料(パン)であり見世物(サーカス)だった。市民は、それを提供してくれる政権や人物を支持したのである。

昔、サーカスや古典芸能が見世物だったのが、近年ラジオやTVに取って代わり、次第にプロスポーツの興行も確立し、音楽の世界はロックやラップなどの時流もあれば、絵画も今ではストリートアートという分野が賑わい、今や娯楽はかなり多様化している。

例えば、コロナ禍で、関心が高まっているベーシックインカムの話。国内外で議論が広がり、導入の是非が問われている。(これも”パン”?!)
6月21日の夏至の日、フランス各地はFête de la Musique音楽の祭典で大騒ぎ。大統領官邸でもイベント開催。(これも”サーカス”?! )

政治論争好きのフランス人が、地方選挙で、前代未聞70%近い棄権を記録する為体だった
が、バカンスシーズン最初の大型移動日の今日7月1日、国鉄や空港の労組がストライキに
入った。大きな混乱にもならず、慣れっこのフランス人は平然と受け止めている。

結局、世界の善良なる市民は、いろんな意味で、踊らされているだけなのかもしれない。

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