Ton Chin Kan シングルマザー奮闘記(その32)

『宿題』

「宿題」
もはやこの言葉
我が家では呪い魔法の言葉のようになってきています。

自分が学生の頃はなんともおもっていなかったですし
ただただ面倒くさかっただけのイメージの言葉でしたが
今や『呪いの言葉』と化しました。

一言この言葉を発するだけで荒れ狂うトン
魔法がかかります。

Ton「もう!なんでしないといけないんだよ!! うるさいな!!
  今ゲームしてるのに!!」
私 「ゲームはどうでもいいから宿題」
Ton「鬱陶しいなー!」
私 「はいはい」
Ton(足をどんどんならす)
私 「…」

まだトンは地団駄のようにドンドンと床を踏みつけます。

私(プッチーン)
「Ton、いい加減似しなさいよ!
 先生が毎日宿題をしてこないのはあなただけだっていってたからね!
 お母さんは先生からきちんと宿題をするように注意してくださいって言われてるの!」
Ton「もう大嫌い! いやだ、いやだ、いやだー」

(こっちが嫌だわ!!)
と叫び散らしたい気持ちをグッと押し殺して
私 「じゃもう音読をほんの少しでいいから。とりあえず少しずつしていこうよ」
(因みにTonは3年生です)
Ton「だって、学校で勉強がんばったもん!」

ついに堪忍袋の緒が切れた私は
私 「当たり前じゃ!!小学生は勉強が仕事なの!
  今勉強や宿題を頑張らないと大人になってから苦しむのはTon自身だからね!
  ママが苦しむわけじゃないから、もうどうでもいいわ!」

(バタンと扉を閉めました)

隣の部屋でまだぐじぐじと泣いて、私に対して文句を言っています。
私 「わかったわ! もうママはでていきます! 今までありがとうございました!!」

ここまで長々と書きました一連の話は最近の土曜日のこと。
コロナの影響もあってか
今月から月に1回から2回ほど土曜日の午前中に授業があります。
そして、その初めての土曜日の午前中にトンの担任の先生からお呼び出しをうけて、
学校に行ってきました。
私とTonの担任の先生と特別支援教室の先生の3人で
Tonの普段の学校での様子、自宅での様子
しょっちゅう遊びにいっているという保健室での様子(知りませんでした)
のミーティングを行いました。

私の知らないTonの顔が先生達からでてきます。
そして、私からは先生達の知らないTonがでてきます。

共通していえるのは稀にみる『素直な子』ということ。
よくも悪くも素直。
やりたいことは全力で。
やりたくないことに関しては無になり。
興味のある人や物の名前は覚えて。
ない人や物に関しては「あの人、この人、あれ、これ」

そして、宿題について。
先生「お母さん、Tonくんはご自宅でどのように勉強されていますか?」
私 「…していません」
先生方「えー!?(笑)」
私 「私から注意すると、本人が余計にしなくなってしまうのでもう言わないことに決めて。
  そして私にとってものすごくストレスで駄目なんです」
先生方「取り組むまでに時間はかかるけど、切り替えのお手伝いをしてあげたら
   彼はきちんとする子だからお母さん、諦めないであげて」
私 「…いや。難しいと思いますが、とりあえず声かけだけまたし始めてみます」

先生方はこの私の様子から
「大変なのは本当によくわかるけど、彼のためだからね」
と何回も伝えてきました。

なんだかこの状況に泣きそうになってしまったのをグッとこらえて帰宅。

『宿題、勉強をしなさい』
このキーワードって本当に言いたくないし
言っている自分達も
言われている子ども達も辛くなりませんか?

自ら決めて勉強をする子はそんなこと言わなくてもします。
しない子はいくらどんなにいったってしません!
Tonは私がどんなに叫んだってしません(笑)

帰宅中も『モヤモヤ』が止まりません。
(私だってがんばっているつもりなんだけどな。
Tonにしつこく言うと騒ぎ出すし、余計にやらなくなって時間の無駄になるから気をつけているつもりだったんだけどな)

先生方にはお母さんの努力が足りないと思われ
Tonには鬱陶しいママと思われ、
板挟みにあった私はどうしたらいいのだろうか。

こうして最初に書いたような大騒ぎになってしまいました。

私がTonにうまく伝えることができず
それに対してTonも威嚇で返してくるので
私がさらに威嚇で返してしまい負のループへ~。

思わず月曜日の朝に土曜日の出来事を先生に電話をして
助けを求めてしまいました。

私 「先生。Tonと話し合った結果、私がストレスであの世にいってしまいそうです」
先生「お母さん、よくがんばったね! あとは、学校でTonに働きかけていくから大丈夫よ」

なんだか私は親なのか、生徒なのかよくわからなくなってしまいました。(笑)

これから小学校や先生に甘えまくって
私も頑張りながらTonの成長を見守っていくしかないと腹をくくった母さんでした。

たかが宿題。されど宿題。
侮れません!
この魔法の言葉をうまく使いこなせるようになっていきたいと思う今日この頃です。

さて次回は「僕は可愛い?」です。

皆様実りのある一週間を。

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