Ton Chin Kan シングルマザー奮闘記(その31)

『タルト』

バターの香りがしっかりと生地に練りこまれ
その芳ばしい香りとともに
中のカスタードには卵とバニラビーンズの香り
季節のフルーツが可愛くちょこんと載せられて
その載せられているもので全く別の顔を見せてくれるスイーツ
タルト。

久しぶりに美味しいと思えるタルトに巡り合えてまた
私の中でブームが到来です。

今、世間でのスイーツの流行といえば
固めのプリン?
韓国風のマカロン?
チーズケーキ?

たくさんのおいしいものが溢れている時代。
選びたい放題の消費者の舌は肥に肥えて
作り手側は本当に大変だと思います。

新しい流行を生み出すことができれば御の字。

ポップコーンが流行った年もあれば
パンケーキの年もあり
カップケーキもあったり
毎年の新作登場に
甘い物に目がない人間としてはたいへんです。

でも、メディアで多く取り上げられているからと言って
おいしいってわけでは無かったり。

味覚は人それぞれ違うから当然なのですが
テレビなどで絶賛されているものを
わざわざ行列に並んで食べて
「ふーん、紹介していた人味覚音痴なのかな」
と小ネタになります。

そして今回の話題にあげるタルトといえば特に目新しいものではない
お馴染みのお菓子です。

「タルト」
遡ること紀元前まで…
古代ローマ時代に作られたもので
ジャムやクリームをそのままだと食べにくいからという事で
お菓子の器が作られた事が始まりだったそう。

ヨーロッパでは
上にパイ生地がかぶせられ、中にリンゴのペーストが入っている
日本でいうアップルパイも「リンゴのタルト」と呼ばれています。

調べてみるとたくさんの歴史と触れ合うことができます。
どこで役に立つかはわかりませんが
調べるのもなかなか楽しいです(笑)

私がまだ学生の頃、青山が本店のタルト屋さんの代官山店にハマり、
ことあるごとに通っていました。
今だと1ピースの値段がとんでもない価格になっていますが、
当時はまだそこまででは無かったです。

ショーケースには季節の果物がふんだんに載せられて色とりどりのタルトが鎮座していました。
華やかでテンションが上がったことを覚えています。

代官山店は無くなってしまっていましたが
まだあるお店の前には列を作っているのを見かけます。

食べても、食べてもレベルが全体的に上がっているので、
どこのお店もさほどの特徴がなく同じような味に感じてしまう私。

そんな“タルト迷子”に陥っていた私がやっとものすごく久しぶりに
「あ、これおいしい」
と思えるタルトに出会うことができました!

お店の場所が、ご縁がなければ来ることなかったというところ。
看板も小さくて、3階にあるカフェ。
女性が一人で切り盛りしている店内は、どこをみてもおしゃれ。
まるで日本じゃないみたい。
無造作に置かれている小物もなぜかまとまりがあり
それがまた良い雰囲気を醸し出しています。

居心地が良い。
家の近くや、もう少し交通の便が良いとこにあれば通ってしまうようなお店。

小さなショーケースには5口ほどで食べ終われるサイズのタルトが10種類。
休日朝の10時にオープンのお店で、私が伺ったのが11時過ぎくらい。
もうすでに4種類しかなく、それも1個、2個しか残っていませんでした。

大好きなレモンタルトと桃のタルト、レアチーズタルトを購入。
そしてわずかに残っていた焼き菓子もお持ち帰りすることができました!

お店の方にコロナの影響について伺うと、
店内でランチだけだった常連のお客様たちが
応援の意味もこめて手土産としてたくさんお持ち帰りをしてくれるから
客単価が上がり、売り上げはそこまで下がってはいないとのことでした。

お客様がついているお店は強いですね!

でも、わかります。

お気に入りのお店は無くなって欲しくないから応援したくなります。
特に自粛が明けてから個人店にお金を使うようになったかもしれません。

そして持ち帰ったタルトや、焼き菓子たちは一瞬にしてTon Chin Kanの胃袋の中へ。
普段甘いものを好まないTonも美味しいと絶賛でした!

素敵なお店、特に個人店にはコロナに負けないで頑張ってほしいと改めて思う今日この頃です。

さて次回は「宿題」です。

皆様実りのある一週間を。

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