Ton Chin Kan シングルマザー奮闘記(その30)

『私をそっとしておいてください』

この数ヶ月にわたる自粛期間。
長くもあり、
短くもあり、
良くも悪くも今までの色々なことを見直すきっかけを与えてくれる機会になりました。

約2年前のあの日。
家をでることを決めてから
自分の頭がおいつかないくらいのスピードでとんとん拍子に事が進み、
いつのまにか私達はシェルターに保護していただいていました。
あの時の情景は忘れることはできませんし、
あの時の感情も一生忘れることはないでしょう。

そしてあの時に誓ったこと
「一生、この子達を守り抜く」
あの誓いが今も胸に刻まれている…

はずなのですが

あら、おかしい。
この数ヶ月の間にあの誓いが見事に消えかけました(笑)

朝目覚めると
「ママーおはよう!ねーねー」
Ton Chin Kanの3人が好き勝手に、そしてマシンガンのように話し始めるのです。

私の頭、朝からそんなフル回転になるわけではなく
「うん、へー、そうなんだ」
の繰り返し。

そうなってくると今度は
3匹「ねーママー?ゲームして良い?」
と聞かれるので、
私「どこにこんな朝早くからゲームするお馬鹿ちゃんがいるのよ!まだだめ」
Ton「じゃ10分目をつぶっていたらいい?」

(10分間、目をつぶっていたら何になるのかも、それが何のためになるのかも意味がわからなさすぎてもちろん却下)
私「音読は? 最近課題のやつずっと聞いてないけどいいの?」
Ton(沈黙)
私「お・ん・ど・く」
Ton(沈黙…そしてテレビを見始める)
私「おい! 知らないからね」

Tonとの毎朝のやりとりです。

このやりとりを横目に、カンがさっとゲームをやり始めて私に見つかり怒られて、そのあげくに
Kan「ママなんか嫌い!出てって!」
とお決まりのパターンでいわれますので、
私「やったー!ありがとう!これでママは自由だわー!出ていくねー!」
とお決まりのパターンで返します。
そしてKanが
「でていっちゃ嫌―!!」
これがKanとの毎朝のやりとりです。

そして、その横でサッカーボールより小さいサイズの柔らかいボールをもって
Chin「ねーママ!ドッチボールしよー! 片足ドッチか、仏ドッチか、ピンポンダッシュドッチどれするー?
(この3つはKanがオリジナルで考案したドッチボールです)」
私「今のこの状況みてよ。しかも朝ご飯作っている途中だし、洗濯物干さなきゃいけないのに難しいでしょ」
Chin「ママのケチー!」
私「…」

これがChinとの毎朝のやりとりです。

朝6時台
子ども達との定番のパターン。

おしゃれな雑誌やSNS、you tubeでおみかけする
“朝のおしゃれなルーティーン”
とはかけ離れている現実の世界の我が家。

「朝、目覚めたら、先ずストレッチ。
その日の気分で選んだ珈琲を豆からひいて
お気に入りのカップにそそぎ
珈琲の香りを楽しみながら雑誌や本を読む
お花に水をあげて
好きな音楽を聴きながら、朝食を用意…」

私もそんな生活がしてみたいー!!

私の世界では
「目覚めは誰かにキックかパンチをされる。
今日はキックもパンチも無いと思えば
布団やブランケットを奪われていて寒くて目が覚める。
先ずは震えながらお手洗いへ。
とりあえずお湯を沸かして、既にひいてある珈琲をフィルターにいれお湯を注ぎながら
洗濯物を洗濯機にいれて準備。
ここで一息つこうとソファに腰をかけようとしたら
Ton Chin Kanが
「おっはよー!!」
と目覚めてきます。
朝食を作りながら好きな音楽を・・・・・・・・・
聴いている(はず)のですが
Ton Chin Kanが大騒ぎしているので実際には全く聞こえません」

2年前のあの日、あのときに誓ったあの誓い
もう消えかけそうです!

もしかしたら既に消えているかもしれません(笑)

さて次回は「タルト」です。

皆様実りのある一週間を。

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