Ton Chin Kan シングルマザー奮闘記(その2)

『貴重なお休みせっかくの日曜日の早朝に起きた事件』

とある日曜日の朝、ソレは起こった。

日曜日は仕事がお休みなので朝をゆっくりと過ごせる週に一度の貴重な日。
私はいつも通り目覚ましをかけずに(眠れるだけ寝よう)と布団にもぐりこんでいた。
子ども達が先に起きて騒ごうが、「お腹すいたー」のコールがどんなに聞こえようが、
日曜日の朝なのだ、私はゆっくりと過ごす!!そう決めているため戯言は聞こえないふり。
いつもはそうしていた。
しかしそれは突然やってきた。
Chinと呼ばれている次男が、
Chin「ママー!Kan(三男)がすごいことしてるー」
私  「ふーん」(布団の中から)
Chin「いいのー?」
私  「ママは寝てるの。いいから。ほっといていいから」
Chin「わかったー」

数分後・・・

Chin「ママー!」
私、目を開けることなく
私  「だからいいって。好きにやらせとけばいいから。泣いてないし」
Chin「だって。」
私  「ママ、眠りを邪魔されることが一番嫌。」
Chin「わかったー」

そこへ、リビングから足音が近づいてきた。

Kan「ママ、みて~~!!」
とキャッキャしている。
ここで初めて私は目を開け、寝室の入り口に立つ満面の笑みのKanをみた。

その瞬間、低血圧の私の血圧が一気に上昇。

私  「ぎゃーーーーーーー!」

ママの悲鳴は家中をこだました。

目の前には、粉々に砕かれた発泡スチロールを全身にまとったKanが立っていた。

そしてKanの髪の毛の先から、足の指先までまとわりつく発泡スチロールを見た時、嫌な予感しかしなかった。そしてその予感は見事に的中。私は上がりきった血圧のまま、リビングへダッシュした。

真っ白の小さなつぶつぶで埋め尽くされた部屋の中。
壁一面、ダイニングテーブルの足、テレビの裏の配線、クローゼットの中。
ありとあらゆる場所にひっついていた。
その中心で平然と顔色一つ変えず、頭から発泡スチロールまみれのTonこと長男が座ってテレビをみながら笑っていた。

Chin「ほらね、ママにすごいよっていったでしょ、僕」

私  「もっとちゃんと細かく説明してよ!!」
と理不尽に怒る私。

Kan「おもちろいよー!」

私  「・・・面白くないからな。・・・全員で早く片付けろ!!!」

上の階の部屋の住人の足音が止まった。それくらい響き渡る声で叫んだ私。

Kan「嫌だー。僕悪くないもん。お片付けしないのー」

とクローゼットに逃げようとしたので、とりあえず捕獲し全身についている発泡スチロールをコロコロを使い除去。そしてクローゼットにはいり、閉じこもってでてこなくなった犯人の三男のKan。
残されたTonとChin。
私と目が合うなり、
TonとChin「えー!僕たちなんにもしてないよ!」
私 「わかってるわ! いいから手伝って!!」
TonとChin「えー!!!」
私 「え?じゃ今日一日ママはこのお片付けをしますので、もうどこにも行けません。あーあ残念ですね、お菓子も買いにいけません。公園も行けません。それでもよろしいならば手伝わずにどうぞ、ご自由に」(冷たい目で)
TonとChin「もうーー!!わかったよ!手伝えばいいんでしょ!!」

そして。三人で文句をぶつぶついいあいながら、喧嘩しながら二時間かかりやっと終わりが見えた頃。

クローゼットの隙間から
Kan「ごめんなちゃい」
といまにも消えそうな声。
ちなみにこの二時間もの間、彼はトイレや水分補給以外、断固としてクローゼットの中に閉じこもり出てこようとしなかった。声すら押し殺していたのだ。ある意味頑固すぎて尊敬してしまう。

その犯人のKanがやっと謝罪を申し出てきた。

片付けていた二時間、ひたすらKanの文句や悪口をいっていたTonとChinと私だったが弱々しくなったKanのその謝罪に対して
私  「もういいよ。終わったから出ておいで」

その言葉にクローゼットの中から待ってました!といわんばかりにばーっとでてきて、もじもじしながら
Kan「ママ、にいに、Chinありがと!」(自分で可愛いと思ってると思われる最大級の笑顔で)

目覚めた瞬間から片付け終わるまで血圧マックスあがりきっていた私もその可愛さにズキュンッとやられ、
私 「わかったからもういいよ。でも、発泡スチロールでこうなるまで遊ぶのはやめてね」
と許してしまった。

でもですね、実は片付けをしているあいだに一つ気付いたことがあるのです。
発泡スチロールを放置しておいていたのは誰?。
そう、私。。。
ということは・・・もとはといえば・・・
そしてChinが一回目に起こしてくれたときに起きておけば・・・
結果、真の犯人は・・・
誰が悪かったのか・・・
皆様はもうお気づきですねぇ~
しかしながらずるい大人な私はこのことについて子ども達には秘密にしておこうとおもいます。
これ大事。。ですよね?!
でも実は長男はこのことについて気付いてそうなこと何回か言っていました、
が、そこはあえて聞き流して。

毎回こういうことが起きてから、自分の危機管理能力の低さに落ち込みます。
でも、落ち込むのは長くて10分くらい。
あ、だから学ばないのか!
発泡スチロールの放置は危険と今回身にしみて学びました。
また一つ大人になれたな!

そして次回は、「我が家のイベント事情」です。

では皆様、実りのある一週間を。

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