Ton Chin Kan シングルマザー奮闘記(その13)

『何でも欲しがるKanちゃん』

「Kanはね、これほちいの。だから買って!!」
皆様はほしいものがあるときどうしていますか?
一旦冷静になって考える時間を設ける派。
それとも
欲しいものはその場で手に入れる派。
TonとChinは私を恐れているのもあるし
物欲がそこまでないので考えられる派だと思う。
一方で、2人とは真逆のKan。
動画をみながら
「Kanはこれほちかったの!買う」
テレビをみながら
「これかっこいいの。今買いに行く」
買物しながら
「あったよ!ママ!ほちかったやつ!」
と既に手にもっているバージョン
朝起きて
「○○を買ってくれないから保育園いかない!!」
などなど。
すさまじい物欲
そして、小悪魔なのである。
3番目ならではの個性を遺憾なく発揮する我が家のカンは
関わった方々の
“お墨付き”
の3男なのだ。

長男にも見えず、次男にもみえない。
かといって、一人っ子気質でもない。
そう3番目のザ・3男。
「かっこいい」
といわれて喜ぶ長男、次男に対して
「可愛い」
で喜ぶ三男。
自分でも
「可愛いでちょ?」
とかさらっといえる、まさに小悪魔。
そんな小悪魔の魔の手に犯される被害者は多数。
一言
「Kanはこれほちかったの。。。買って」
(おめめをウルウルさせながら上目遣いで)
はい、ノックアウト!
あら、不思議。
いつの間にかお財布からお金が無くなっています。
そんなかんじなので
皆がKanと買物に行くのをためらいます。
お菓子なら百歩譲ってよしとしよう。
あと、お誕生日などのイベントも。
ただ、ゲームセンターや町中にあるガチャガチャ。
あれ置かないでほしい。
当たり前のようにどれにするか選びだし
当たり前のようにお金の催促。
私が
「そんなのいらない。お金無いの。行くよ~」
というと、小悪魔が悪魔に大変身。
「Kanはこれするの!!す・る・のーーー!!!!!」
三男の
“僕可哀想でしょ”
の開演です。
こうなったらTonとChinは
(あーあ、はじまったよ)
といわんばかりに無言になり
他人のふり。
一言でも
「Kan、今はそれできないよ」
と優しく注意した日には
Kan悪魔にやられます。この寸劇がなかなが時間がかかるし
しつこいのです。

え?!いつまで続くの?
休憩挟まないの?
時間経つの遅いな~。
と感じる劇。
主役がひたすら大声をだして主張。
周りの方々からみたら
三男をいじめている母さん、Ton、Chinにしかみえないくらいの勢いなのです。
終演を迎えるためには、母さんたちが折れるしかないのですが
そんな毎回おれてあげていたらがちゃがちゃのせいで生活苦。
やってられませんのでこちらも対抗。
どのように対抗するかといいますと
荷物をTonとChinに持ってもらい
母さんがKanを抱き上げ
「走るぞ!」
の合図でTonとChinもダッシュ!
お話で通じないので走ってその場から去るという
なんとも言えない
端から見たら
「え?万引き?」
のような状況になります。
ガチャガチャの前からひたすらKanを引き離すしか他に良い方法が未だに見当たらずでして。
どなたかアドバイスがありましたらここのサイトにメッセージをいただければ助かります!!

そして昨年末。
代々木公園にてまたまたKanの寸劇が開演されました。
公園の売店の物は他の小売店に比べると平均より高めに設定されていません?
その中でも特におもちゃ類なんて
お店だったら安く買えるのにもったいない!
とかなりしぶります。

代々木公園の売店にて、Kanはあるものを見つけてしまいました。
それは彼の目の高さの位置に置かれていた
“シャボン玉”
シャボン玉なんて100円均一で購入できるやつ!!
それになぜ400円も支払わないとならないのだ!!
と節約根性が働き、もちろん却下したのです。
すると 代々木公園中に響き渡る大声で
「ママ、○ねーーーーーー!!!」

ん??
ちょいとおまちよ。
今なんて言った?
とおもい、
「え??」
とおもわず聞き返してしまった私。
すると
「ママなんか、○ねーーーーーーーーーーー!!!」
その小さな身体のどこからその大迫力の叫びがでたのか?
と思うほどの声量で雄叫びをあげるKan。
爽やかなおしゃれな方々が集う日曜日の午後の代々木公園。
響き渡るKanの雄叫び。
そりゃ内容的に皆見ますよね。
4歳児がママに向かって
「○ね」
と公共の場で叫ぶ。
私だって何十年生きてきてみたことないぞ、この風景。
クスクスとざわつき始める代々木公園にいる人々。
TonとKanは
“僕たち知りません”風にしている。
私だって近づくのもいやだったが
まだ続きそうなので
「ここでは買いません。あとで買おうね」
と渾身の優しさで対応。
すると
「早く○ねーーー!!」
ブチッ。
私「はいはい。わかりましたよ!
ってそんな簡単に人は○なないからな!
もう知らん!!
ママ達はKanとここでお別れをします。
今までありがとうございました。
お幸せに。
さようなら」

大人げない私はKanにこう言い切り
TonとChinを連れてその場を離れて進みました。
TonとChinは歩きはしますが
後ろをキョロキョロ振り返りものすごく心配な様子。
Ton「kan、動いてないよ」
Chin「付いてこないよ」

次第に2人の歩くスピードは遅くなり
ChinがKanの方に駆け寄っていくことに。
その横でやらかし母さんの歩くスピードは緩むこと無くひたすら前に進みます。
だいぶ進んで後ろを振り向くと、ChinとKanの姿が一切見えず。
(これ本当に付いてきていないな)
とさすがに心配になってしまった私とTonは
しょうがないから戻る事に。
するとだいぶ遠くの方で腕を引っ張るChinと売店の前から微動だにしないKanの姿が。

嘘でしょ?!
まだあそこにいるの?
ともう私は半笑い。
2人のもとまで戻ると
「Kanが動いてくれないの!!」
とChinが涙を流しながら訴えます。
その横で顔の筋肉なくなりましたか?
ってくらい無表情のふてぶてしい顔のKan。
そして一言
「シャボン玉買って」

(まだそれ言うのかい!!! )
私「これ壊れているから遊べないの。全部壊れている。えー壊れているのほしいの?」
と売店の人がいようがもう関係なし。
(申し訳ない、でもわかっていただきたいこの状況、 察してください)
と思いながらもKanを説得。
Kan「じゃ、あとで壊れていないの買って!!」
とようやく動きだしました。

そして、公園で買ってもらえなかったことに荒れているKanは
寒空の中、代々木公園の池の水で水遊び。。。
「入っちゃ駄目!」
といった瞬間
わざと水の中にジャンプ。
やりやがったな
といらつきながらも引きつった笑顔で対応。

もちろん靴はびちょびちょ。
パンツの裾はぐちょぐちょ。
「気持ち悪いでしょ~」
とか
「風邪引いちゃうから~」
とかで着替えさせてあげるのが母親ならば普通かと思いますが
かれこれシャボン玉事件から1時間以上
ずっと大変で疲れ果てた私はといいますと
「大丈夫。んなもんすぐ乾くわ」
以上!

普段だったら少しの汚れなどですぐに
「着替える!」
やら
「綺麗にする!」
と騒ぐ当の本人も
これ以上この母さんを怒らせたら
もしかしたら真冬の池の中に放り投げられるかもしれない
と理解したのか、何も言わずに家まで濡れたまま帰宅。
濡れた事、そして寒いことが気になってシャボン玉もすっかりと忘れてくれた様子で一安心。

しかし次の日の朝ご飯のあと
Kan「ママーシャボン玉買うって言ってたから買いにいこう」
「?!」

Kanの執着のすごさにはあっぱれです。

と、そんな年末を過ごしても
風邪も引かず元気な血の気の多い我が家を
今年も温かい目で見守ってもらえたら嬉しいです!

次回は「小寒」です。

それでは皆様実りのある一週間を。

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