「アラカン」~お楽しみはこれから volume52

『今年も新緑の京都へ』

今年のGWはいかがお過ごしになりましたか?
私は本当に久しぶりに京都を堪能してきました。
新緑の京都、とても気持ちよかったです!!

実は、海外旅行に行かれない旅行好きが「インバウンド復活前」の京都に殺到するのでは、と少々心配していました。
確かに、人気スポットである嵐山の渡月橋は人が“たわわ”にいましたし、祇園・二年坂は着物姿の若人(カップルが多かったな~)が有名スイーツ店で行列をなしていました。
しかし、場所と時間を選べば、神社仏閣は比較的マイペースで観光できましたよ。市内バスでの移動もほぼほぼ時刻表通りだったので、京都観光としては合格点でしょう。
まあ折角のGW、少しは人とお金が動いてくれないと観光業も成り立たなくなってしまいますしね。
今年は三年ぶりに都をどりが開催できたそうで、「やっと京都に春が戻ってきた」と祇園で商売をされている方が安堵されていたのが印象的でした。

今回の京都巡り、私は、壬生寺とその近辺の新選組関連施設巡り、太秦映画村への「稔さん+カムカム」巡礼、「春の京都非公開文化財特別公開」寺社巡り、といくつか目星をたてての散策を計画しました。
結論から言うと、太秦映画村は外してしまった…
そもそも、休日の映画村は、忍者ショーなどで賑わう子供用の遊園地。おまけに、太秦は日頃から撮影に使われている現役の撮影所なので、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のセットが残されているはずなどありません。
太秦所属の大部屋役者さんによる園内ツアーは、時代劇ドラマや映画好きには楽しかったですが、基本的には、「ミーハー魂」が先走ってしまった私の事前調査不足でした。(でも、途中で広隆寺に寄れたからいいもん ←と強がってみる)

「春の京都非公開文化財特別公開」寺社巡りは、3年前に初めて体験し(このエッセイ<♯12>で書かせてもらいました)、秋や冬の京都でも機会あれば続けています。
今年は、これまで公開をしてこなかった「今年初」というお寺をメインに。ガイドブックの索引にも載っていないような小規模なお寺が多く、場所を探すだけでも随分と歩き回ってしまいました。
お陰様で、「ガイドブック推奨コース」を辿るだけでは行かないような山道も歩くことになり、新緑のマイナスイオンを十分浴びることができたのはプラスでしたね!

そういった中、今回一番印象に残ったのは、事前準備とは関係なく、フラッと行ってみた龍安寺でした。
はい、あの石庭で有名な世界遺産の龍安寺です。
訪れたのが6日金曜日というGW谷間の平日だったのが功を奏したのでしょう。
以前の訪問時は、写真を撮る人に押されてゆっくりすることも出来なかった記憶があるのですが、この度は縁側に腰を下ろし、のんびり石庭を眺めることが自由に出来ました。
人の出入りはそれなりにあったので残念ながら「静寂の中」ではありませんでしたが、堪能できたのですから文句はありません。
また偶然にも、大広間では襖絵の張替え準備をしており、滅多に遭遇できない舞台裏も見てしまいました。
日本画の大家(名前覚えていない!)が新しく書き下ろした巨大な龍の墨絵を世界遺産の襖にどのように張っていくかを検討していたようで、集まっている人も、京都名刹の襖を専門に張り替える職人さんや文化庁の人や美術館の学芸員など錚々たる面々(だったらしい)。
私は、まだ襖に貼られていない迫力ある龍の絵を間近に眺められるだけでも感激なのに、若手学芸員の方(暇だったのかな?)が隣にきてくれる、という幸運な状況に。
墨絵の細かい説明や集まっている人達が何をしようとしているのかを丁寧に解説してくれたので、本当に得した気分に浸りながら、面白く見学してしまいました。
オフピーク時にいくメリットを享受できてラッキー!

コロナの脅威も徐々に収まりそうですし、外国人旅行客も入国許可する方向に動いているようなので、京都は行くなら「いまでしょう」という感じですね。
龍安寺の後に、近くにある等持院という足利家と縁が深いお寺にも足を運んだのですが、ここでは拝観者は「私だけ」状態。
本当に、鳥のさえずりと風の音しか聞こえない境内で、新緑の中にしっぽりと身を潜め庭園を眺める、という贅沢を味わってしまいました。やっぱり、京都最高!

暑くなる前に、また行きたいなー。

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