「アラカン」~お楽しみはこれから volume45

『近況報告』

オリンピック・パラリンピックで盛り上がった夏も終わり、気が付いたら秋が一気に深まってきました。
今回はホテルの一室からこの原稿を久しぶりに書いています。
なぜホテルいるのか?
素敵な『秋発見の旅』でもなく、久々の出張でもありません。
ナント、コロナにかかってしまい、現在ホテル療養中なのです!

そもそもの始まりは、9月の最終週金曜日から。風邪をひいた(とその時は思っていた)父母のお見舞いを兼ねて両親の家で夕食を共にしましたが、少しだるいと言っているだけでいつもとそんなに変わりはありませんでした。ところが翌月曜日にきてくれた介護ヘルパーさんが「ちょっと様子がおかしい。念のために」と言ってコロナ検査をしてみると、二人とも陽性判定が出てしまったのです。
まさか家に籠っている老人たちがコロナにかかるなんて!
全く油断していました。私がもっと早く気が付いていれば…

でもそこからは、後悔する暇のなかった怒涛の数日間でした。
なにしろ、父は91歳で、頭が全くボケていない以外は数々の持病を抱えていますし、母は85歳という典型的な「老々介護」世帯です。私は手伝いたくても、明らかな濃厚接触者で身動きが取れず、人の手を借りての入院手配(父)や在宅者のための環境整備づくり(母)となりました。
仕事を休んで妹も駆けつけてくれましたが、かなりの部分を普段からお世話になっている訪問介護・かかりつけのドクターと看護師さんたちに担っていただきました。このような方々の存在には頭が下がるばかりです。

ただそういう私も、火曜日に親からコロナのことを聞き、水曜日にPCR検査を受けたら陽性の判定が。
両親に加えて、自分も「まさかの」コロナと言われ、さすがにショックは大きかったですね。私はすでに8月に2回目のワクチン接種が終わっているし、鼻詰まりと喉のイガイガ以外の症状は何もなかったので、どこかで「自分が陽性者のハズが無い」と決め込んでいたのでしょう。
東京都の感染者が200人台まで減っている中での、貴重な(?)ブレイクスルー感染者となりました!(威張ることではないな~)
半ば投げやりな気持ちで自宅療養のために仕事や約束事を調整していたら、今度は保健所から強く強くホテルでの宿泊療養を勧められてしまい、2度目のショックを。
えっ、こんな軽度なのに監視下に入らないといけないの???
保健所の言い分は、①一人暮らしであること(ダンナは現在単身赴任中)、②高齢者であること(はいはい、55歳以上は高齢者ですよ)、の2点。
これまで、軽症の方が自宅で突然悪化して対応が遅れた、とのニュースを嫌と言うほど耳にしましたから、保健所の言い分もわかります。また正直に言うと、コロナが判明してから医療従事者にしっかりと診断をしてもらっていないのも少し気にはなっていました。
と言うことで、熟考の末、自宅にいても結局親の面倒はみられないし、周囲の人々は(興味本位も含めて)「入った方が安心じゃない?」と勧めてくるし、思い切って保健所の提案にのることにしたのです。
まあ、真面目に税金を納めてきたのも、このためかもしれないし…

これが、ホテルに来るまでのいきさつ。
考えてみると、施設に余裕があったからこそ、私レベルの軽症者も宿泊療養可能になったのでしょう。ありがたいことです。

私の「6泊7日3食付きプラン」が始まったのは土曜日から。
都心某所にある最近できたホテルなので、設備は新しくて清潔なのが助かっています。
もちろん部屋は狭いし、窓の位置の関係で日の光が入らずちょっと残念だけど、贅沢するために入っているのではないものね。
運動不足と『食っちゃ寝』でデブへのまっしぐらが怖いので、なるべく周囲に迷惑をかけない程度に身体を動かすよう心がけていますが…
部屋を出られるのは、食事をロビーに取りに行く時と捨てに行く時の1日3回×2往復だけで、あとは部屋に籠っていることを求められています。エレベーターは食事の時以外は止まっているらしい。(脱走するつもりはないので確かめていません。)
部屋にいる分には何をやっていても良いのですが、全体行動は館内放送でコントロールされていて、ちょっと軍隊みたいで面白いです。
朝6時半の「おはようございます。7時なったら検温、酸素飽和度・脈拍測定をして、7時15分までにスマホに記録を入力してください」の館内放送で一日がスタート。
それ以降、リマインドの放送(例:あと15分で7時です)や3度の食事の開始と終了放送、検温放送などが数々流れます。また、事務局からの連絡や看護師さんからの健康状態確認の電話も結構あるので、確かに安否確認はしてもらっている感があります。
電話や館内放送が流れると、やっている仕事や作業を止めて即指示に従ってしまう自分に『刑務所の映画見たい』とちょっと笑えます。

予想外だったのは、持ち込みを求められたタオル以外のホテルアメニティーが案外そろっていて、使い放題であること。
それに、ペットボトルの水・お茶以外にも菓子パンやカップ麺、粉末のコーヒー・お茶・紅茶などが各種用意されていて、『生ものや野菜は用意できないけど、これで我慢して』というメッセージを感じています。
3度のお食事(弁当)のクオリティーについては、・・・出所するのが楽しみだ、とだけ書いておきましょう。(文句言っても仕方ないもの)

以上、内容が内容だけに、深刻な部分は省いて軽く現状報告をさせていただきました。
このままいけば、私は予定通り今週中には退所できるはずですが、この2年間で学んだことと言えば、「コロナを甘く見るな」なので、気は抜きません。
次回の原稿は、元気に正常に自宅から書けますよう頑張ります。

追伸:
ホテルの部屋では、大きな鏡台の前がちょっとしたワークスペースなので、そこにPCを置いてこの原稿を打っています。
なので、目を上げると自分のスッピン顔が鏡にドカーン。
メークライトに照らされると、これまで気が付かなったシミやシワが明らかになり、これは違う意味でショックだわ。
暇に飽かして、持ってきたパックを全部使ってやる!!!

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