「アラカン」~お楽しみはこれから volume34

『アメリカ大統領選挙』

4年に一度のアメリカ大統領選挙は、お祭り騒ぎも含めて毎回強い関心をもって見てしまいます。
今回も、最後まで波乱万丈でしたね。(まだ終わっていないけど…)

序盤は、民主党内の候補者選びがどうなるかに注目。
トランプ大統領の “America First” ならぬ “Me First” 主義にどう対抗するか。
4年間で準備万端では、と期待したのですが、結果はどんぐりの背比べ合戦。
実は私、以前のケネディやオバマ大統領のような、無名な綺羅星が現れるのではないかと少々期待していたのでした。
例えば、2004年の民主党党大会。
当時上院議員なりたてのオバマ氏が行った名スピーチは、彼を一気に全国区に押し上げるきっかけとなりました。
若干43歳の若さで堂々と全米に向けて演説する姿も格好良かったし、そのような無名な新人を大事な党大会で起用する米国の懐の広さにも感服したものです。
今回は「さすがアメリカ!」の感動は、残念ながら沸いてきませんでした。

選挙戦中盤は、トランプ氏対バイデン氏の中傷合戦。
また、民主主義の根幹であるはずの「選挙」制度運営に関してのアメリカの杜撰さがまたもや浮き彫りに。
途中、「大統領のコロナ感染」というハプニングありましたが、もう語るのも悲しくなるような状況でしたね。
そして、大団円は選挙当日から開票結果まで。
ハラハラドキドキしましたが、まあ、収まるところに収まったのでは、と個人的には思います。
まだ長~い第二幕が残っているようですが、アメリカの権威が失墜しないように祈っている次第です。

今回の結果の注目点は、と聞かれれば、私は「初の女性副大統領の誕生」と答えたい。
4年前のヒラリー・クリントン氏の落選は、自分の国のことで無くとも、悲しく悔しい思いでいっぱいでした。アメリカで駄目ということは、日本なんか希望が持てないのでは…と、ショックを。
それだけに、今回のカマラ・ハリス次期副大統領はうれしいニュースです。人物も経歴も申し分ない人のようで、注目していこうと思います。
なお蛇足ですが、彼女が7日に行ったスピーチは、米メディアでも絶賛されています。
“While I may be the first woman in this office, I won’t be the last” (私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない)
このワンフレーズとこの後に続く文章は、簡単な言い回しですが心のこもった名文です。
日本の英語の勉強にぜひ取り入れて欲しいな。(トランプ大統領のスピーチやツイッターは、英語の勉強には使わない方が良いと個人的には思います…)

なんだか偉そうに語ってしまいましたが、人のことを批評ばかりできませんね。
日本の政治も、海外の人からは不可解なこと多いようです。
例えば、米国人の友達からよく尋ねられるのは、「どうして日本の政治家は、選挙の時に土下座したり白い手袋で手を振ったりするの?」とか、「日本語がきちんと読めない人が大臣になっても問題ないの?」など。
不思議で仕方無いようです。(私も説明できませんよ!)
また、50年前には70%以上あった国政選挙の投票率が今では50%台まで下がっているのが日本の現状で、「アメリカと同じくらいひどいじゃない!」とも指摘されています。
もしかしたら、アメリカのようにお祭り騒ぎでもして、人(特に若者)の関心を呼び込む方が良いのかも、と思ったりもします。

「政治は国民を映す鏡」とは、サミュエル・スマイルズの言だそうです(「自助論」から)。
政治のレベルは実は国民のレベルを反映しているだけ、と言われてしまうと、まずは襟を正すことから始めないといけないのか、と考えてしまいます。

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