「アラカン」~お楽しみはこれから volume49

『歳を取るということ』

20代の頃は、「あの上司、自分の若い時の話ばかりしている」などと、よく文句を言ったものです。
ところが、今や私はその時の上司の歳よりも上となってしまいましたし、仲間内では、頻繁に「私たちの頃はね~」と昔話に花を咲かせています。
今から思うと、あの頃の発言は、天に唾を吐いていたようなもの。
歳を取ることはみんなに平等にやってくるのに、なぜ自分だけは「ああいう風にはならない」と思っていたのかしら。

同様に、身体の変化についても老いはやっていきます。
昔は一段飛ばしで駅の階段を昇り降りしていたのに、いつの間にか老眼が気になり下り階段は慎重になったし、ダッシュ力の低下で電車への駆け込みが怖くなりました。
まあ、交通マナーを守るようになったと言えば聞こえはいいのですが、横断歩道を走って渡り切れるかどうか二の足踏んでいる自分を見ると、少し悲しくなります。

年齢を重ねるって、そういうことなのでしょう。
嫌がっても仕方ないし、自分を嫌いになる必要もない。
でも、もっと早くに誰かが「こうなるよ」と教えてくれていれば、準備もしたし、対策だって練ってこられたのでは、と思う時もあります。
なので、誰も聞きたくないかもしれないけど、自分の記録を兼ねて、私が経験した/している女性特有の身体的変化を時々紹介していこうと思います。
恥ずかしいことでもあるけど、自分の身体の変化/衰えをなるべく客観的に語って、少しは皆様の『こうならないように対策しよう!』の一助となれば幸いです。
(途中、愚痴も大量に発生しますが笑い飛ばしてください!)。

と言うことで、今回は頭髪編。
私の髪の毛は、日本人に多い「真っ黒、直毛、太い、多い」タイプです。
日本ではあまり気にならなかったのですが、クルンクルンな金髪アメリカ人と髪の毛を比較したら、本当に3倍は太くて驚いたことがあります。
米国在住時に近所の美容室へ行ったら、 “Oh, how straight and firm hair!(なんて真っ直ぐで張りのある髪なの!)” と髪の毛に指を通しながら遊ばれてしまったことも。この時は、パーマがかからなくて4時間以上店ですごしました…(多分、三倍のパーマ液が必要だったのでしょう)

こんな髪の毛で最初に年齢を感じたのは、やはり白髪が出始めた時かな。
私の場合は40歳越した頃でした。
それまで『真っ黒ヘアー』にこだわりカラーリングを一切拒否していたのですが、頭髪の右側に白髪が登場。ごく数本ではあったものの、その一本一本が太いため黒髪の中での「白さ」の主張が激しいこと、目立つこと!
染めたくはないけど、何かの拍子にキラ~と現れる白髪も気になってしまい、ひたすらその一本一本を抜いて難を逃れていました。
一本抜いても、次の日には別の所が気になるのでまた抜いてしまう、の繰り返し。明らかにそれは間違った行動でしたね。
一年以上この愚行を続けた結果、なんだか頭の右側がムズムズし始めて、怖くなり美容室に相談しました。
結局はヘアマニュキュアで染めることに。白髪を隠し、髪の毛のトリートメントも行い、いい事ばかりでした(美容代は増えたけど)。
さっさと専門家に相談すればよかった…

そして2年前、またもや年齢を感じることがありました。
その頃、新たに担当してくれることになった美容師さんから「分け目を変えてみませんか」と突然言われたのです。
私は生まれつき旋毛(つむじ)が左に偏っているため、当時の私はそれに合わせて髪の分け目を固定していました。
つまり、前髪は左から右へ流し、分け目は旋毛からピシッと一か所に決める。ショートであろうと、腰までのロングであろうと、クリクリのパーマであろうと、頭のてっぺんは男性の七三分けよろしく決まったところがしっかりと分かれる、というのが私の自然なスタイルでした。
ところが美容師さんが言うことには、私の旋毛と分け目の頭皮は長年の日差しや雨風にさらされてきたためかなり傷んでいる。すでにその付近の髪質が細くなっており、旋毛は毛が薄くなっているとか。髪の毛が多いことだけが取り柄だと思っていた私にとっては、結構ショックな事実でした。
勿論、その日のうちに分け目を右側に移してもらい、その歳まで経験したことがなかった「前髪が右から左に流れる」スタイルに変貌しました。
世の中のおしゃれ番長が、分け目を移動したりして髪の毛で遊んでいるのを見て、「なんて面倒なことをやっているのだろう」と思っていたのですが、あれはそれなりに意味があることだったとは。
仕事が忙しく、髪の毛にかける時間は「最短がベスト」と信じて行動してきたツケが回って来たのでしょう。
お陰様で、旋毛・(旧)分け目のあたりの髪質は着実に改善しました。
また最初の頃は、慣れない分け目に毛の流れも旋毛も猛反発して難儀しましたが、今では、気分に合わせて自由に右・左・真ん中と分けられるように。私も立派な「おしゃれ番長」入門編を突破しました!

この歳になると、変化はすることは面倒くさいもの。
でも「変化しないことが良いこと」と思い込むのも危険っていうことですね。

もしこのトピックでまた書く機会があれば、次は、「怠慢せずに今やれ!」ということを書きたいと思います。

では、寒い日々+コロナ真っただ中ですがご自愛ください。

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