「アラカン」~お楽しみはこれから volume46
『WEリーグ』
すっかり寒くなりましたが、皆様いかがお過ごしですか。
私はお陰様で普通の生活に戻りましたが、家に籠りすぎたせいか、満員電車に乗るのが億劫な体質になってしまいました。とは言え、この1年間で「在宅勤務」や「時差出勤」が取りやすくなったのはありがたいですよね。今は、これを積極的に活用しています。
(なので、朝ドラの「稔さん」にどっぷりハマっている…)
せっかくのスポーツの秋ですもの。スポーツ観戦も徐々に復活させました。
マイブームは、「WEリーグ」という今年の9月に発足した女子プロサッカーリーグ。
「WE」には、”Woman Empowerment ⇒日本の女性活躍社会を推進する“ という意味が込められているそうです。強い決意ある命名だけど、ちょっと分かりにくいかも。私は単純に、「私たちの=WE」と覚えることにしました。
TVやインターネット配信で観戦してもいいのですが、やはり「プロリーグ」になって何が違うのか気になったので、いくつかの試合に足を運んでみました。
結論から言うと、開幕直後だったということもあり、観客数やサポーターたちの応援の熱量(統一ユニの雰囲気含む)は数段ボルテージが上がっていたような。そして、例えば浦和レッズのようにJリーグにもチームがあるところは、明らかにJリーグとの関係を以前より色濃く出していて、地元「浦和」の一体感が醸し出されていました。
観客層も、男女問わず家族連れが結構目につきました。(子ども世代・若者層へのリーチがスポーツ界全体の課題なので、良き傾向!)
全体的にいい感じの盛り上がりで、スポーツ大好き人間の端くれとしては嬉しかったな。
また、運営に携わっている友人によると、「なでしこリーグ」(アマチュア中心のリーグ)の時よりも観客を迎えるための運営整備も進んだし、スポンサー対応にも一段と力が入っているそうです。
東京オリンピックでの「なでしこジャパン予選敗退」の悪影響を少々心配しましたが、特には無かったみたいで良かったです。
ここまで力説すると、あまりスポーツに興味の無い人から、「なぜ『プロリーグ』にこだわるの?」との疑問を投げかけられるかもしれませんね。
一般的な説明としては、「女子サッカー選手の地位向上と日本女子サッカーの実力向上のため」。
つまり、
⇒ プロリーグが日本にあることで、サッカーを職業として志す女性選手のためのプロとしての技術を磨きかつお金も稼げる場ができる
⇒ プロサッカーチームは、お金を稼げるビジネス(チケット販売、スポンサー獲得、グッズ販売等)を築き、強いチームを作るために所属選手の練習環境を整備していく
⇒ WEリーグが活力あるリーグになれば、海外からも一流選手がプレーするようになり、リーグの競技力が上がり、盛り上がっていく
⇒ WEリーグが盛り上がれば、プロサッカーチームが良好なビジネスサイクルを保てる
⇒ 強いリーグでプロとしてサッカーに専念できる女子が増えれば技術が向上し、日本女子サッカー全体の底上げにつながっていく
・・・という、理屈だそうです。
こんなに全て上手くいく保証はありませんが、男子の場合は、JリーグやBリーグ(バスケ)もこの方程式で世界との差を徐々に縮めてきているので、やってみる価値はあるでしょう。
米国のように、「女子サッカーの方が男子サッカーより人気がある(?)」と言われている国でも、今のプロリーグが出来上がるまで3回失敗していますから、気長に見守って応援していきたいと思います。
また、このようなに女子スポーツが盛り上がることは、日本社会全体にも好影響を与えることができるのでは、と少々期待しています。
その事例として引き合いに出すにはあまりにもニッチな話ですが、先日TVで面白い企画を見ました。
それは、俳優の勝村正信さんがメインキャスターを務める、テレビ東京で土曜日深夜にやっている「FootxBrain」と言うサッカー番組でのこと。
WEリーグ開幕に合わせて「女性xスポーツ」という切り口で何週かに分けて特集を組んでいたのですが、その一つが『男性にこそ一緒に考えてほしい!女性アスリートの悩み』。
テーマは何だったと思いますか。
ナント、「生理」!!
出演している元サッカー選手だった女性ゲストたちが、男性である勝村さんを前に、いかに生理中のプレーは身体に厳しかったか、とか、大事な試合に生理がぶつからないように薬を飲んでかえって体調を崩してしまった、とか、プレー中にナプキンがずれてしまったけどハーフタイムまでお手洗いに行けないので気になってゲームに集中できなかった、等々、結構なまなましく語っていました。
もちろん全て大いに同情できるけど、「公共の電波ですごい!」と、私なんぞはビビッてしまうほど。
でも勝村さんは「知らなかった!そうなんだ!」と純粋に驚かれ、「誰も教えてくれないから、全然わからなかった。こういうことは語りにくいけど、女子のサッカー人口増やそうと思ったら、男性も知っておかなくてはならないことだよね」と、冷静にコメントされていました。
このあと、海外の先進的事例や、女子チームの男性コーチが生理や女性の体の変化について学んでいる取り組み等を番組では淡々と放送。
圧巻は、元選手2人が開発した「ナプキンいらずのショーツ」の実物紹介。
ちょっと深めな伸縮性のあるパンツなのですが、底の部分にはナプキンの代用のパッドが付いており、1試合・1練習分ぐらいなら吸収できる機能が付いているもの。洗濯も可能で使いまわしできる実用性も兼ね備えているそうです。
今、開発者であるお二人は、それを持って小学生の女子チームを回り、商品の紹介する傍ら、小学生である選手には女性の身体の変化について教え、監督・コーチ(多くの場合は男性)も同時に教育をしていく、という活動をしているそうです。
今までにありそうで無かった、女性の身体を守るための「真正面」からの取り組みだと思いませんか。
小さな事かもしれませんが、これまでタブー視されてきた「実は大事なこと」に対して、女子プロ選手が風穴を開けることができれば、それはそれで素敵なこと!
それにしても、上記で紹介したパンツ。私も欲しかったかも。
番組ホームページを調べても情報が出てこず、ここで皆様に詳細をお知らせできないのが残念!