「アラカン」~お楽しみはこれから volume41

『アフターコロナはいつ?』

東京は5月からまたもや緊急事態宣言が発動され、それがさらに延長となってしまいました。皆様、いかがお過ごしですか。
私は、ズルズルと『おこもり状態』を続けていますが、どうもスッキリしません。
5月中は、多くのランチや打ち合わせを延期したりウェブに切り替えたりしたのですが、6月に入ってまで生真面目にそれを続ける気力が萎えてしまって。
と言うのも、窮屈な思いをしながら不要不急の外出を控えても、街の中はなぜか人が多くて、少しばかり損した気分になってしまうからです。
私は原則在宅勤務なので長らく気が付かなかったのですが、朝夕の通勤ラッシュも相変わらず存在しますよね。
先日、久しぶりに8時台の電車に乗ろうとしたら普通にラッシュアワー状態でびっくり。まあ、30年強のサラリーマン生活で培った “満員電車に乗り込むテクニック” を駆使すれば難なく乗り込める程度の混雑ではありましたが、さすがに人を押しのけて潜り込むことは避けました。
また、リモート会議等が充実している友人の会社でも、一部の人が「もうウェブ会議は嫌だ」と言い張り、トップが集う経営会議などは全員参加型の対面式が復活した、とも聞いています。
政治家の記者会見を見ても、側近の議員たちが幹部をずらっと取り囲んでいる姿は、「あなた方、幹部のSP?」と思わず突っ込みを入れたくなるような。
まあ、「あの年代は『密』の意味が違うのかも」と皮肉を言いながら、こちらはPC画面と向き合っていますが。

と言うことで、さすがに個人の努力ばかりを要求する日本型緊急事態宣言には不公平さと限界を感じています。
何故このメリハリのない中途半端な状態を続けているのか。
大きな要因の一つは、東京オリンピック・パラリンピック開催のXデーが近づいているから、と言わざるを得ないでしょう。
因みに、私は基本的には「開催サポート派」です。(その理由は長くなってしまうので割愛)
でも、その私ですら、このまま既成事実的に開催へ雪崩れ込むことに対しては懐疑的になっています。
1年前から、科学的な検証を含めて準備してくることはできなかったのかしら。
私の知っている限り、JリーグもBリーグも観客を入れた場合のリスクや行動分析を最新の機材を使って徹底調査をしています。
このデータを、オリンピック運営に活用していくことはできないのでしょうか。(もしすでに利用しているのなら、もっとそのことをアピールすればよいのに)
さらに、国際的な人流のリスクはどうするのか。
既に多くの所で語られていますが、オリパラに参加する選手や関係者についてはある程度制限できても、その他の関係者(スポンサーを含む来賓やメディア)の行動は規制できないでしょう。
どんなにIOCや運営委員会が呼びかけたって、スポーツ会場を超えたところで世界各国からの人流ができてしまうのは自明の理。
おまけに、日本人のホスピタリティ精神はすぐには消せるものではないから、親切心でいろいろな交流も生まれてくるでしょう。(本来、これは素敵なことなのだが…)
ワクチン接種が全く進んでいない東京でのこの『人流』は、イギリスで行った「ワクチン接種後の野外フェスでの実証実験」と真逆な社会実験の場となってしまうのでは… と、私の中の『超悲観論者』が叫んでいます。
なので、「開催か中止か」の二元論的議論には早々に終止符を打ち、国民全体で「開催ありき」の運営方法とリスク管理を徹底して考え抜いていく、ことを提案したいのですが、どうかしらね。
まあ、このような発言は世間からバッシングをされるでしょうから、ここだけの話にとどめますが。

偉そうな発言ついでに、私が感じている「アフターコロナ」についても少しだけ。
この点についても、私は若干の「悲観論者」かも。
つまり、「アフターコロナの日本」は世の中で語られているほど「ニューノーマル」になっていない(なれない)のでは、と予想しています。
例えば、医療現場。
日本の感染者数は、欧米に比べて「さざ波(⁉)程度」のはずなのに、なぜこんなに医療体制がひっ迫しているのか、誰も説明してくれません。
根本的な改善は必要なはずなのに、官僚も医師会も目先の「逼迫」問題に国民の目を集中させているような気がするのは、考えすぎかしら。
そういえば、「リモート診療」は、1年たってもまだなしのつぶてだな…

デジタル化にしたって、新たな庁の開設は解決にはならない。
まずは、デジタル庁に資源=つまり、「ヒト・モノ・カネ・情報」がそろわなくては、先には進めません。
やはり、「ヒト」は外部から若い人を招聘して権限を。そしてトップは剛腕を揮える強者を据えて、省庁の縦割り行政をぶった切る覚悟でデジタル化を、まずおひざ元の霞が関から行うのはいかがでしょうか。

そういう民間企業だって、まだまだ改善の余地はありますよね。
例えば、「ニューノーマル」になれば、通勤ラッシュはもっと抑えられるはず。(通学ラッシュは避けられないかもしれないが)
その解決方法は、リモートワークだけでは無いでしょう。
仮に出勤する場合でも、もっと自由度を持たせた出勤形態が考えられるはずで、会社の特性に合わせて、いろいろ試してみる価値はあると思います。
若い人を呼び込む意味でも、進んでいる民間企業で導入している様々な事例はもっともっとシェアされていいのでは。

コロナと1年以上付き合ってきて、私たちも少しは学びがあったと信じたい。
色々な工夫をしながら感染症対策を徹底した上でのニーズに応じた一定の人流は仕方ないのでは、と思っています。
それに「アフターコロナ」の世界って、働き方や人との接し方の選択肢が増える絶好な機会だと思うのです。
オリンピックがこれに間に合わないのは残念だけど、私の中の悲観論者が消えるような明るい未来を描いていきたいな。

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