「アラカン」~お楽しみはこれから volume20

『夏休み紀行その2』

冬将軍がお目見えしているのに、こんな季節感の無いタイトルですみません!
夏休みに行った中国について、また書きたくなってしまったのでお許しください。
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と言うことで、改めまして。
今年の8月に夫婦で上海に行ってきました。
私にとって初の中国大陸では感じることがいっぱい。
特に今、米中関係や香港のニュースがメディア賑わしているのでなおさらです。

東京で生まれ育った私が言うのも何ですが、上海の印象を聞かれたら真っ先に出てくるのが、とにかく人の多い都市であること。
感覚的な比較で恐縮ですが、東京は「狭い所にゴチャ」と人が多いのに対して、上海は「広大な敷地にドドドーンと人が波のように打ち寄せている」感じ。
例えば天気のいい休日に、東京・表参道や大阪・御堂筋通の歩道橋から眺めた景色を思い浮かべてください。
大通りの両脇には、おしゃれなショップの入ったビル群。並木のある幅広な歩道。
散策している人がいっぱいいる雰囲気は、都会も悪くないな、と思ったりします。
それを、車道幅と車数を1.5倍、歩道の幅と人の数を2倍にしたのが上海、と想像してみてください。
私は「おしゃれな都会」との感想より先に、その中にいる人や車のボリューム感に圧倒された、と言うのが素直な印象です。
これが、旧市街のような古い建物が立て込んでいるところだと、なおさらでした。
特に今回は、夏休み家族旅行で地方から出てきている中国人もわんさかいて、我々のような外国人と合算した「お上りさん人口」はかなりのものだったような。
中国人は3世代・親族一同で旅行する方が多いらしく、常に団体で行動していました。迷子にならないように手をつないでいるのですが、2人ならともかく、5~6人ががっしり手を繋いで慣れない街でウロウロしていると…、後はご想像にお任せします。

ただ、上海の街自体は人が多いことを前提に設計されているので、暫くいると要領が掴めてきます。
私がそれを体験したのは、先ほど紹介した高級ショッピング街。
夜のピーク時には歩行者天国にしているだけでなく、道を半分に分けて一方通行にしていました。
つまり、(例えば)道路の北側は西向きの一方通行で、もし東向きに戻りたければ、道路の南側に移動しなくてはいけない。
要所要所に警察が立っているし、人の波が押し寄せるように一方に向けて歩いているので、逆行するなんてほぼ自殺行為。
「片側の店しか見られない!」という大きな欠点はありますが、消費者ニーズよりも体制維持が優先される、という思想に立てば、仕方がない?

また、上海市内の地下鉄もかなり計画的に設計されていました。
日本より進んでいる点では、どこの駅でも荷物検査のための金属探知が設置されていたこと。荷物を探知機通さずに地下鉄に乗ることはほぼ不可能でした。
(日本でこの設備を今から全駅で作るのは無理ですよね)
また乗降客数の多い駅では、動線コントロールが徹底されていました。
先ほど紹介した「一方通行」のルールがここでも適用されていて、(例えば)南側の改札口はホームに降りる専用、北側はホームから上がってくるため専用、に分けるなど。
確かに、みんな同じ方向へ動いているので正面衝突することがなく、効率的に人を動かすのには適しているのでしょう。
ある駅では、地上階段にまで一方通行ルールが適応されていました。
最初このルールを理解できなかった我々は上がってきたはずの階段を降りられず、地上をウロウロ。
2ブロック先にやっと降りることのできる「地下鉄の入り口」を見つけましたが、上海の2ブロックはとにかく大きいから疲れた!
まあ、街のルールは観光客用には作られていない、と思うしかないのかな?

日本より進んでいることで言うと、キャッシュレス化はその一つ。
でも中国には中国用のクレジットカード(銀聯カード)が広く普及しているため、一般的なクレジットカードが使えない店も多く、これまた海外の観光客にとっては不便でした。

感心したのは、「環境にやさしい対策」があちらこちらで見られたこと。
例えばスタバのような大きな店は、すべて紙のストロー。
「日本ではまだプラスチックのストロー使っているの?」と、中国人の学生さんに少々鼻高々されてしまいました。(そうされても仕方ないか)
また、東南アジア並みにバイクをいっぱい目にしたのですが、音がほとんど出ない静かな走りなのでびっくり。
最初は「ニュートラルで走っているのか」などと考えていましたが、当然そんなことはなく、電気バイクだったのです。
そういえば、空気も少し綺麗だったような気が…(単に、PM2.5の時期でなかっただけかも)

今回はお気楽夫婦旅行だったので、表面的な気が付いたことだけで済みました。
でも仕事がらみで「ちょっと目立つ人」として入国すると、色々不都合・不便なことが増えるらしい。

お隣の大国。
歴史的なつながりは太古の昔から続いているのに、なかなか一筋縄では理解できない所でした。
今度は違う都市(街・街・地域)に行ってみたいな。

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