「アラカン」~お楽しみはこれから volume16

『夏休み紀行 その1』

夏休みに主人と上海に4泊5日で行ってきました。
私にとっては、初の中国。
これまで香港(返還前!)や台湾には行ったことがありますが、なかなか中国本土とは縁が無くて、この歳になってやっと実現。
読者の中には中国通の方も多いでしょうから、観光地コメントは避けますね。
あくまでも私が個人的に中国で感じたことをざっくばらんに書かせてください。

まず最初に。
ご存知のように私は仕事の関係で海外出張が多いので、海外に行くことに関してはあまり大袈裟に考えていません。
出発直前は仕事に集中して、旅の準備には極力時間をかけないようしています。
例えば、衣服・持ち物は滞在日数や気候・仕事のお付き合いに合わせて最小限に留めるセットメニューが自分の中で出来上がっていますし、それ以外は、①パスポート・保険(場合によってはビザ)、②クレジットカード、③航空券・ホテル確保、④若干の現地通貨、④wifiルーターの手配、⑤空港からホテル(もしくは最初の訪問地)の経路の確認、等の決まったルーティンを行えば、だいたいの国へは問題なく辿り着け、現地で数日過ごせるとの自信がありました。
もちろん、私が行く国はどちらかと言うと先進国に限られていますが、今回の中国、特に大都会の上海はこれで十分と過信していました。

なので、初めて訪れる+言葉の知識皆無の国での個人旅行であるにも拘わらず、行きの飛行機の中でガイドブックを勉強すればいいや、ぐらいの国内旅行の延長線上の軽い気持ちでアプローチしたのが災いしました。
事前の勉強不足がたたって、いきなりいくつかの基本的なつまずきに合ってしまったのです!
やはり一番大きかったのは、「Googleが使えない」だったかしら。
SNSが制限されていることは知っていたのですが、Googleが全般的に使えないとは分かっていませんでした。
後からいろいろな人に「中国をなめているの?」とバカにされてしまいましたが、私がグローバルスタンダードだと思い込んでいたものが通用しない巨大な国があることに改めて直面したのです。
おかげで、Gmailベースの会社のメールも読めないし、Google Map も使えない。
普段の何気ない動作ができないだけで、人間こんなに不便を感じるものなのだ、と改めて思ってしまいました。

あと、意外に街中で英語が通じなかった体験も多かったです。
東南アジアの大都市はだいたい英語で過ごせるため、最近は随分と甘やかされていたのに気が付きました。
反省!
ということで、看板は漢字を推察しながら、人とのコミュニケーションは、ボディーランゲージと筆記と勘に頼りながら毎日を過ごしました。
言葉が通じないと開き直れば、これはこれで楽しいですよね。
もちろん、想像していたのとは全然違うお食事を頼んでしまったり、合算したお土産代が予想の10倍してしまい「キャッシュが無い!!」と身振り手振りで伝えて謝りながら返品する羽目になってしまうなど、失敗も多かったですが、それも旅のだいご味でしょう。

ただ、最後までタクシーに乗れなかったのは悔しい!
上海市内は地下鉄網が充実しているのですが、最終日に私が足を軽く捻挫してしまったので、市内からホテルまでタクシーを使おうしましたが、とにかくタクシーが捕えられない。
東南アジアで使っているタクシーアプリはもちろん中国では使えないし、中国のタクシーアプリも、中国のクレジットカードが無いので使えない。
やっとのことで正式な「タクシー乗り場」らしき所を見つけて待っていても、中国語が通じないからなのか、何だか乗車拒否にあってしまう。
Google 翻訳が使えなかったから、なぜ乗車拒否されたのかいまだに不明です!!

とまあ、苦労した体験ばかり書いても、多くはあくまでも私の勉強不足のなせる業だと猛省しています。
だって考えてみると、仕事の時だって仕事の一環として事前の準備・お膳立てはしっかりとやりますよね。これを怠ったのですから、当然の報いでしょう。
ツアーに乗らずに個人で過ごそうと思ったのですから、旅の計画・お勉強も楽しまなくてはいけなかったのだな、とアラカンになったって失敗から学ぶことは多いです。(お恥ずかしい…)

今回の上海の旅。
苦労ばかりではなく、当然ながら驚きや発見、感動も数多くありました。
それを綴っていくと長くなりそうなので、次回以降とさせてください。

最後に、エピソードを一つ。
ホテルの部屋でCNNやBBCを見ていた時のこと。
香港での市民行動のニュースが流れるといきなりテレビが真っ暗になり、次のニュースが始まると画面と音声が復活していました。
多分、当局の監視が働いているのでしょう。
ただ、よくよく観察すると、香港のニュースを全部ブラックアウトしているわけではありません。
番組の中で、「反対運動が長引き市民生活に悪影響が及んでいる」との内容紹介や、中国政府当局の対応を客観的紹介している部分はしっかり英語の放送が流れるのです。
このきめ細かい(?)対応には少々びっくり。
さらに、時々画面に黒い線が行ったり来たりすることがあります。
その時のニュースの内容は、香港市民の行動を擁護している部分と非難している部分が半々だったりするのです。
主人とは、「ブラックアウトしようかどうしようか迷っているかな?」と苦笑いしながら見ていました。

では、また次回に。

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