「アラカン」~お楽しみはこれから volume14

『苦手な質問』

近頃、レストランで下記の質問をされるのが、私は大の苦手です。
「何かお召し上がれになれない食材がありますか?」

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実は最近、自分が「バラ科アレルギー」であることが判明しました。
これは、バラ科に属する果物 …リンゴ、桃、ナシ、サクランボ、イチゴ、アーモンド、等々… 要は、世の中の美味しい果物の数多くに反応してしまう食物アレルギーです。
そもそも、なぜ今頃これに気が付いたのか。
それは最近、山形へ出張で行った時のこと。
地元の方が、「今朝うちで取れたサクランボです。市場に出せなかった分ですが、美味しいですよ」と、おやつに佐藤錦を出してくださったのです。
高級ブランドの佐藤錦など普段は買うことが無いので、そのまろやかの甘みに魅惑され、ついついガツガツ食べてしまいました。
それがいけなかったのでしょう。
いきなり口の奥にイガイガが発症し、喉が詰まったようになってしまいました。そのうち、喉が腫れてしまい、呼吸困難寸前までいったような感覚へ。
何とか周囲の人にはバレることなくリカバリー(?)しましたが、流石に冷や汗ものの体験でした。
東京に帰ってから冷静に考えてみたら、50歳を過ぎた頃からリンゴを食べても同じように喉の奥がイガイガしていましたし、イチゴも食べすぎるとアブナイ症状が出ていました。
今回の一件のあと、色々文献を調べ、さらに検査を受けてみたところ、「バラ科の食物に反応しやすい体質」と判明してしまったのです。
ああ、知りたくなかったかも。
あんなに大好きな果物の多くを食べられなくなるなんて!
イチゴや桃のケーキが食べられないなんて!
この間は、冒頭の質問に対して素直に告白したら、ホテルのアフターヌーンティーを出してもらえなかった!
デザート系が楽しめないなんて、人生の楽しみが半減したような感覚です。

そもそも、私はアレルギーと言うものを全く理解していなかったようです。
だって、アラカンになってからでもアレルギーが勃発するなんて、考えてもいませんでしたから。
でも、よくよく聞いてみると、結構こういうことはあるようです。
私より少し若い同僚も、最近になって「小麦粉アレルギー」が発症してしまったそうです。彼の場合は症状がかなりひどいようで、エピペンを持って歩いています。
今回、フランスへ2週間出張で出かけなければいけなくなったのですが、いざという時のために、”gluten-free diet only” という札を英語・仏語でいっぱい作って持っていきました。
フランスで、小麦を使っていないお食事にありつけていることを祈るばかりです。

アレルギーを甘くみると、危ないことは今回のことで思い知らされました。
とは言え、私としては、食べようと思っていたお食事を完全に拒まれてしまうのは、とても悲しい…
(お店側が「出せません」ということについては、文句を言うつもりはありません。あしからず。)
今後、冒頭の質問にどう「賢く」答えていくか、しばらく試行錯誤していこうと思っています。
それまでは、ケーキを羊羹に切り替えてデザートを楽しむことにします(笑)

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