「アラカン」~お楽しみはこれから volume12

『新緑の京都散策』

GWはいかがお過ごしになりましたか?
私は仕事柄100%のお休みとはなりませんでしたが、前半はゆる~く仕事を入れ、最後の2日間は京都に行ってきました。

私の今回のお目当ては、「春の京都非公開文化財特別公開」。
今年は新天皇即位を記念して、通常参加しない皇室ゆかりの寺社も特別参画していると聞いたからです。
「観光客で溢れている京都へGWに行くの?」と呆れ顔の友人もいましたが、これらの神社仏閣が一般公開するのが次は何十年先かと考えると、「今でしょう!」となりますよね。
(おまけに現在、主人が大阪勤務なので常宿確保済み。連続で日帰り京都旅行を慣行できる体制なので、これを利用しない手はない!)

結論から申し上げますと、天気にも恵まれ、新緑の古都を満喫することができました!
特別公開の寺社の多くは、観光客のメッカ(例:金閣寺、清水寺など)ではなかったため、普通の休日の賑わいだったような。
少なくとも、東京のミュージアムで開催される「○○特別展」によくいく身としては、お寺の境内や神社への山道での「待ち列15分」は待ち時間に入りません。
もちろん特別公開している寺社によっては、通常経験しない人の入りだったようで、ご住職様自らが御朱印待ち列の指揮をとりながら、「普段はご檀家様としかゆっくりお話できないのでね~」と楽しそうに語ってくださっているところもありました。

古都の神社仏閣を回り、襖絵や仏像などを薄暗い、ひんやりとした本来の設置・安置場所で見るのは格別の感があります。
細部まで見えなくとも、そこに神様がいらっしゃると思い、自然に手を合わせてしまう神秘な空間。

また特別公開場所では、京都古文化保存協会からの(多分)学生さんたちによる解説もあり、見学に一味添えてくれていました。
光格天皇(今上天皇の祖)と所縁の深い聖護院では、外国からの留学生の方が熱弁していました。
「聞き取りにくい日本語で失礼します」と言われましたが、昭和のおばさんには、渋谷の若者の日本語よりも分りやすいと思いました!!
(京都と関係ない所で熱くなってすみません…)

さらには、特別公開には、普段入れない建物やお庭も含まれます。
例えば金戒光明寺の山門。
特別公開時にしか上がれない山門上は、内部の天井絵も立派ですし、京都の見晴らしも素晴らしかったです。
ここは幕末に会津藩の本陣となったところ。
きっと松平容保公も山門の上から京都御所を眺め、京都の治安固め策を練っていたのでしょう。
東山からの心地よい風に吹かれながら、「あそこに見える祇園の街で、会津藩兵士と新選組とがいざこざやったのね~」と主人と空想の世界に入り込んでしまいました。

こんなにゆっくり京都を散策できたのは久しぶりのことでした。
出張や外国からのお客様のご案内などで時々寄っていましたが、自分のペースで回れたのは、もしかしたら昭和の時代以来???
(How time flies…)
今回改めて感じたのが、京都の懐の深さ。
また、廃仏毀釈の逆行を耐えたり、原爆投下を免れたり、歴史の偶然に振り回されながらも、ここまでの歴史をこの形で見ることのできる幸運やありがたさ。
先人達が命がけで守ってくれた歴史的文化財や街並みを、我々が感謝しながら守り続けていくことの尊さを感じました。
これを後世に伝えるだけでなく、世界にしっかりと伝えていくことも重要ですよね。
日本ファンを作ることが、政治や経済の難しい問題を解決できる大きな一歩となり得るし、京都のような街がその代表格なのではないでしょうか。
(パリのノートルダム大聖堂の火災の後だけに、一層その気持ちを強く持ったのかもしれません)

主人が大阪滞在の間に京都・奈良などの古都巡りをしっかりこなさなければ、と固く心に誓ったGWでした。
とはいえ、一日平均25000歩歩けたのは、多分新緑の気持ち良い気候だったから。
夏休みはどうしようか、今から思案中です。
何か良いアイディアやおすすめがあれば、ぜひご教授ください!

京都素人より

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