三度の飯より寿司がすき volume59

『28年ぶりの語学学習』

高校生の時、第二外国語で履修していたドイツ語。
昨年から仕事でドイツ語に触れる機会があり、あらためてドイツ語にむきあっております。
10代の時に覚えたことって、最近覚えることよりも遥かに記憶に残っていますよね。
かつて毎晩風呂場で湯につかり、1から100までドイツ語で数えてから出る、という幼稚園児みたいなことを自分に課していたため、いまでも100まではスラスラと言えるの、不思議。新たに覚えた単語なんて10分経つと忘れちゃうのに。

机は「Tisch」。これは今でも覚えていた単語の一つなのですが、どうやら実はテーブルも勉強机もオフィスの机もちゃぶ台も、全部ざっくり総じて「Tisch」らしい。高校の教科書には勉強机のイラストがあってその隣に「Tisch」と書いてあっただけなので、勉強机=Tischだと思い込んでいたのですが、どうやら微妙に違うらしい。実際には書き物をするデスクは「Schreibtisch」というらしい。そして食卓は「Esstisch」などと卓の用途によって変わるらしい。私の記憶は間違ってはいないけど、合ってはいない、というか。ただ与えられたものを暗記するのと体系的に学ぶのとでは全く違う結果になるのだなあ、と中年になってから気づきました。遅い。教え方と学び方って、非常に大切ですね。
私が高校生の時はEUなんて存在しなかったので教科書にDM(ドイツマルク)が載っているのも、「今は昔…」という感慨深さがあるのでした。「euro」なんて比較的新しい言葉ですもんね。ドイツ語では「オイロ」って読むんだよ!とか。
昔の教科書を引っ張り出してきては、ああでもない、こうでもないとやっておるのですが、
日本語に限らずどんな言語でも時代によってどんどん変わっていくのだなあ、と、高校生の頃には抱かなかった思いも新たに生まれつつあります。

また、ドイツ語は性別によって言い方が変わる&名詞にも男性、中性、女性があり、3種類に分けられます。たとえば「日本人」という言葉、男性の日本人は「Japarner(男性名詞)」と言い、女性の日本人は「japanerin(女性名詞)」と、語尾が変化し、違う言葉になります。
昔は「日本人が…」という文章の冒頭が「Japaner」で始まっても問題なかったけれど、今は「Japaner und Japanerin」と両性並べて言ったりすることもあるらしい。特定の性別に当てはめて文章を作る事自体がどうなんだ?という風潮、これは英語でも同じですよね。性自認によって選ぶ言葉も変わりますし。
その点においてだけは、日本語は少し楽というか、便利。第三者を指してわざわざ「彼が…」「彼女が…」なんて言い換えないし、性別がなんであろうと日本人は日本人だし看護師は看護師だし。(これは少し前に日本語が時代に合わせて変化したのでより楽になりましたね)
日本語は曖昧な表現が多い分、外国語に訳しにくかったり、逆に外国語から日本語に訳す時に詳細をつまびらかにしなければならなかったりと、曖昧ゆえの問題もあるっちゃありますが、実は曖昧な言葉ってすごく今に適した言語なのかもしれないなあ、と思ったり。まあ、日本語、特に漢字には思うところもたくさんあるので、良き部分はごく一部ではありますが、それはまた次の機会に。

言葉って、面白いですね。
せっかくなので、今回はドイツ語でお別れしましょう。
Bis bald !またね

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