三度の飯より寿司がすき volume55

『久々の韓国旅行2023』【学び編】

今年も半分が終わってしまいました。
「まだ半分もある!」と考えるか、「もう半分しかない……」と考えるか。
私はいつも後者です。ネガティブですね!
さて。先日、有給を取得し、2泊3日で韓国へ行ってまいりました!
コロナ以降、初のプライベート海外です。
まずは、行きの飛行機での話です。午前中の出発便でしたので、搭乗後わりとすぐにお昼の時間となりました。

機内にて 隣はフルーツ食べる人ぞ

ソウル通の友人は、機内食を「フルーツ食」にしておりました。
変更できることすら知らなかった私は、「普通食」。焼肉ご飯ナムル付きをチョイスしました。
友人はフルーツに白ワインを合わせ、エコノミーシート界のセレブのようでしたので、私は赤ワインかな、焼肉だしな、と注文しようとしたその時。ふと一瞬立ち止まって考えました。「この銀のフタを開けて、どんなメニューなのかきちんと確認してから注文しても遅くないのではないか?赤ワインよりも、もしかしたらビールの方が合う、という可能性もなくはないぞ……」と。
そんな短い葛藤を経て、おそるおそるフタを開けるわたくし。
左から、大根のナムル、緑野菜のナムル、焼肉、紅ショウガと、きれいに4色並んでおり、その下には、四天王を支える邪鬼のごとく白米が敷かれています。
いやあ、これは……。

「ビールください!」
考えるより先に声が出ておりました。

赤ちゃんが生まれる前に名前を考える人はたくさんいると思うんです。だけど、生まれてきた赤ちゃんを腕に抱き、初めて我が子をこの目で見たとき、「いや、この子は一郎じゃない、この子は……そうだ、正太郎だ!」ってなること、あるじゃないですか(知らんけど)。この世で出会ってから決めるパターン。これかもしれない、って思ったんです。隣で優雅にフルーツを食す友人に、上記この一瞬の心の中の葛藤を説明。
「直前まで、焼肉だし赤ワインだろう、自分は当然赤ワインを飲みたいだろう、と思っていたけれど、実際に顔を見たら違った。結果、この子はビールだった。私、子供を産んだことはないけれど、そしてこの先産むこともきっとないと思うけれど、生まれてきた赤子の顔を見てから名前をつけるのって、こういう感覚のことを言うんだね、きっと。」
缶ビールを飲みながらそう告げると、爆笑しながら「意味がわからねえ」と一蹴されました。
私も久々の海外で感受性とテンションがおかしくなっていたのかもしれません。
しかし、新境地への自覚とともに、おかげさまで非常に楽しい機内ランチの時間を過ごすことができました。

そして最終日。(時間飛びすぎですね。間の話は、また今度!)
2泊3日って、ほんと早いんですよ。気づいたら最終日なんですよ。
ホテルをチェックアウト後、買い物しまくった結果の重い荷物を引きずっていくのか……駅の階段どうやって降りよう……エレベーターってあったっけ?少なくとも来た時は階段を上ってきたよね?と思いあぐねていると。
友人が「タクシーで行こう」と言ってくれました。
神の啓示のようなその言葉にすぐ賛同した私。ホテルのフロントのスタッフに、タクシー呼んでもらえますか?と言いたくて、「Could you call me the taxi?」と告げると、いいよー、といってアプリで手配してくれました。

……ちょっと待って。今、私、なんつった?

「Could you call me the taxi…?」

「わたくしを“ザ・タクシー”と呼んでいただけますでしょうか?」ってすげぇ丁寧に言っちゃったよ。正しくは「Could you call a taxi?」だろうがよ。
ひとりで爆笑しながら友人にアホな間違いを説明するわたくし。でも、通じるんだな。
「だから、みんな!間違いを恐れずに英語を話そうね!(説得力ない)」

空港にはできれば2時間前に着きたいけれど、オンラインチェックインもしているので90分前でも大丈夫なはず。荷物を預けるのも1時間前までだから…うん、全然余裕!
到着したタクシーに乗り込み、空港へ。
旅の疲れから眠り込んでしまった私たち。目が覚めると渋滞に巻き込まれていました。
すかさずタクシーのメーター近くに設置されたナビを見ると、到着時間が出発の50分前となっている。これ、間に合わないのでは……?
寝ている友人を起こし、やばい、荷物預けるカウンターが閉まっちゃうかも、飛行機乗れないかも、どうしよう、とテンパりながら伝える。やっぱり電車で行けばよかった、といまさら言っても仕方がない。
運転手に何時に着く?と聞いても「ナビの通りだよ」。そして車はのろのろとしか進まない。スマホの地図アプリで確認する。いやいやここ、まだ汝矣島だよ!
高速を降りて近くの駅から電車に乗ってももう間に合わない。
若干イライラしながら、でもどうすることもできず、「タクシーに乗ろうなんて言ってごめん」と謝る友人に、ぶっきらぼうに「いやでも仕方ないよねもう」と答えてしまう。私の荷物が重いからタクシーに乗ろうって言ってくれたのは友人の優しさなのに嫌な返事してごめん、渋滞のことなんか私も考えてなかったよ、と心と頭がぐるぐるしていたのでした。
「まあ、空港にホテルはあるだろうし、いざとなったら夜中の便で帰ろう!」
と自分を納得させるように言った後、調べてみたが夜中の便などないのであった…ギャー。

車内の険悪な空気を察してか、運転手のおじちゃんは渋滞ぬけると猛スピードで走ってくれました。全然間に合ってないけど、カーレースのような走りっぷりが頼もしい。
ようやく空港に到着。すかさずおじちゃんが荷物を降ろしてくれ、案内所でカウンターの場所をものすごい形相で聞き猛ダッシュ。金浦空港で本当によかった。小さい空港なので、入口からカウンターまではすぐの距離だったのです。
まだ間に合いますか!?と駆け込むと、普通に受け付けてくれました。
拍子抜けするほどあっさりと荷物を預かってくれ、さらに私たちの後ろにも普通に遅れて並ぶ人がおりました。
「なあんだ。そんなに急がなくても、良かったんじゃん」
遅れても、意外と大丈夫。という、良くない知識と経験が身につきました。

「友人よ、こちらこそほんとごめんな!」謝罪祭りの後の帰りの機内。またフルーツ・チョイスのエコノミー・セレブな友人の隣にて。
このたび機内食を変更できるという良い知恵もいただいた私は、塩分控えめミールに白ワインを合わせて旅の終わりを乾杯したのでした。
めでたし、めでたし。

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