三度の飯より寿司がすき volume29

『平成から令和へ(チョコレート編)』

時は「令和」。

平成から令和へ。
今年4月1日に新元号が発表され、5月1日に施行。
天皇陛下即位を祝う「祝賀御列の儀」が11月10日午後3時より執り行われました。

なんだかニュースみたいな書き出しになってしまいました。
実は正直に申しますと、新元号が「令和」に決まった4月に書いていたコラムをアップし忘れていまして、それをさきほど発見しました。
うーん、でも半年以上たっちゃったし、今さら感あるかなあ・・・。あ!そういえば今日(11/10)は祝賀パレードの日ではないか!これでこじつけられるぞ・・・!と思い、上記のような序文となりました。以下、私が4月に書いていたけれど忘れていたコラムになります。「令和」と初めて聞いた時の思いを率直に語っている過去の司の声をお聞きください。

---ここから2019年4月に遡ります---

「昭和」から「平成」に変わった時は子供でしたが、新元号発表のニュースをぼんやりテレビで見ながら「へいせい・・・?変なの・・・」としか思わなかったな、という感慨とともに今回も「ふ~ん・・・」としか思わなかった、というのが正直なところ。自分が生まれた時にすでにあった元号の方が当たり前ですが聞きなれている分、普通になっているところがあって、それこそ「高輪ゲートウェイ」くらいぶっ飛んでいれば別として、型通りの漢字2文字であれば「はぁ、そうですか。」という感想しか出てこないものですね。もし私が大正生まれで、新元号は「昭和」です!と聞いても「ふ~ん・・・」だっただろうな。もし私が明治生まれで・・・(以下元号遡って繰り返し)。
ちなみに今回一番思ったのは、「‘’和‘’ってまた使うんだ?」でした。

---ここからさらに2月に遡ります(回想しているのは4月。ややこしや。)---

昭和もとっくに終わって、平成も31年が過ぎ、間もなく令和になろうというこの2019年に、「昭和か・・・!」と思う出来事があったので、今回はその話をしようと思います。
ちょっと前の話なのですが、2月14日。バレンタインデーですよね。私がいる会社では、毎年女性社員から強制的にお金を徴収し、男性社員1人1人に1つずつチョコレートを配るという謎の儀式があります。今年もやるのかなあ、嫌だなあ、と思っていたら案の定。
「こんな時代になってまで、こんな古臭い行事、やる必要ないんじゃないですかね?もう平成も終わるんですよ?義理チョコなんて、もらっても誰も嬉しくないでしょう。」と、言いたい。しかし言えない。(諸々の事情、お察しください)
結局私と、後輩の女の子2人と、3人でチョコレートを買いに行きました。

どうでもいい人たちに向けてどうでもいいチョコレートを買いに行く。

そこに愛はないので(つまり本当にどうでもいいので)決まるのは早いです。
「はいもうこれでいいね。じゃあ、これを40個ください。」みたいな感じ。催事場でいろんな形のチョコレートを見ているのは楽しいのですが、私たちの頭に浮かぶのは終始この一言。

「これって誰トク・・・?」

仕事の合間をぬって、わざわざ時間を作って店に行き、現金を立て替え、一斉メールで女性社員全員にお知らせをする。中には「それって強制なんですか?私はお返しもいらないので参加したくないんですけど」と返信をしてくる女子も。「そんなのこっちだって同じだわ!!!」と思いながら、じゃあこの子は外して一人当たりの金額を計算し直して、とかいろいろ考えてまた連絡したりするのって、本当に、プライスレス(価格のつけようがないくらいどうでもいい非生産的なことという意味で使用しています)。
この面倒なやりとりは後輩ちゃんが一手に引き受けてくれたんですが・・・もう、そろそろやめません?こういう誰も嬉しくない行事。
友達にあげるとか、親にあげるとか、好きな人にあげる、とかならいいと思いますよそりゃ。お世話になっている上司に、個人的にあげるのもありでしょう。しかし、ただの同僚、ただの上司、ただの後輩になんでわざわざやんなきゃいけないんだよ。そしてそれを強制的にやらされる(ここが一番の問題!!)ってどうかと。

そして実際に社内で渡す儀式の時。
私は45歳くらいのおじさんに手渡したんですけど、そいつに「ありがとうございます、おばさん。」と言われました。
思わず、
「おい、お前、いまなんつった?」
と、胸ぐらを掴もうかと思いましたができません(一応上司なので・・・)。私はひきつった顔のまま、心の中でおじさんを罵倒することしかできません。
私だって好きでこの茶番を行っているわけではないのです。
本当に、なんなんだろうこの地獄は・・・と気絶しそうになりながら、「二度とこの日に会社にいるものか」と誓ったのでした。
そしてここはいまだに昭和40年くらいで止まってるんだな・・・と
半分目が閉じていくのでした。

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