三度の飯より寿司がすき volume48

『すべては変わるけれども変わらないでほしいこと』

あっという間に7月です。
最近、視野が広がるような仕事をさせていただきました。
それが終わるやいなや、すぐに通常モードに戻ってしまった司は、またすぐに狭い視野に戻るのでした。やだーもう。いやはや。

参議院選が終わりましたね。みなさんは投票に行かれましたでしょうか?
日本で元首相が射殺されるなんて、どこのフェイクニュースだ、って最初びっくりしましたよね。私はびっくりしました。しかし、コロナ以降はもう、きっとどんなことでも起こりうるんだな、と不穏なニュースに慣れてきている自分もいます。
慣れとは怖いもので、昔からそうではなかったものが、いつの間にか他のものにすり替わっていても、立ち止まって考えることをしないと気づかずに過ぎてしまうんですよね。そしてそれが当たり前のようになってしまう。
なんかおかしいよね、変だよね、って思っていること。
その「なんか変」とか「なんか気持ち悪い」っていう感覚は、きっと間違いではありません。そして気のせいでもない。だから私も、その感覚を何事もなかったように無視して生きていかないように気をつけなければ、ってこの選挙期間中にあったいろいろなことから、強く思いました。
ずっと気を張って生きていくのは疲れます。周囲に自分の主張を続けるのも疲れます。
「それは違う」と言えない空気に満ちた列車に乗せられてしまったら、時には途中でそこから降りる勇気も必要です。でもなかなか降りられないんだよな~。
特に私は楽な方に流されてしまう癖があるので、何か信条があったとしても、生活をしていくためには、などと理由を付けて現状をなかなか変えられない。んですよ。ストイックに何か近い目標を決めてガシガシと前に進んでいける人を尊敬します。そんな人に、私はなりたい。
珍しく真面目な話をしてしまいました。そして明言や断言を避けたような言い回しをしているの、お気づきですか?日本人っぽいでしょう。えへへ。
選挙特番(もちろん選挙後…)を何気なく見ていて当選者数に違和感を覚え、調べてみたら変わっていました。「衆議院は512名、参議院は252名」と授業で習ったままアップデートをしないでいたら、今衆議院の定員は465名、参議院は248名になっていました。知らなんダ!!
すべては変わる。変わらないものなどないよね。諸行無常。

どこの国でも生まれた年によって世代を区切られ、同じ年に生まれた子供たちが全員同じであるはずがないのに、ナントカ世代、などといって一括りにされる風潮というのはあるのだろうと思います。「戦争を知らない子供たち」といわれた親世代がのちに「団塊の世代」となり、その2世である私たちは「失われた30年」の間に思春期を過ごした「氷河期世代」と呼ばれ、基本日の当たらない時代を生きてきた年代として括られることが多いです。いつ自分がこの世に生を受けるかなんて選べることではないので不可抗力ではあるのですが、どこかこういうラベル付けをするメディアやそれを認めている自分に対しても「ふざけんな」と思うこともありますわな。
しかしただひとつ、報われない世代ながら、これだけは良かったこと。この価値観だけは不変でいてくれ…!と思うことがあります。
かつてユーゴスラビアという国がありました。小学校の社会の授業で教わったその国のキャッチコピー、それは「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ、1つの国家」でした。ベルリンの壁が壊され東西が統一され、ユーロ圏ができ、オープンしたばかりの東京ディズニーランドで2時間待って乗った「イッツ・ア・スモール・ワールド」のラストは様々な民族の人形たちが「世界はひとつ」と歌う大団円。
私にはこういった記憶がずっとあって、実は、未来はどんどん良くなっていくという希望のもとに幼少期を過ごした世代だったのです。第二次世界大戦から40~50年というところだったのでまだ世界的にも「戦争は悪」という共通認識があり(とはいえ戦争はいたるところで発生してはいましたが…)「生まれたところが違っても、みんなで仲良くしましょう」という教育を受けてきたし、世界的にもそういう風潮だったように思います。今とは全然違いますね。
やはり私はこういう環境で育ってきたため、政治的信条は自分なりにあるとしても、隣を憎んで食うか食われるか、みたいな過激な思想にはとうてい到達できないしする必要もないと思っています。でも今の主流はそうではなくなってきていて、とても怖いです。

珍しく真面目な回になってしまいました。
とりあえず微力ながらも、この後来るかもしれないさらなる不穏な時代の幕開けに若干の警鐘を鳴らすことができたらと思っております。
私も、考えることをやめないように生きていこうと思います。
暑い日が続きますが、皆様お体くれぐれもご自愛ください。

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