三度の飯より寿司がすき volume50

『点と線』

10月も中旬になりました。
最近は夏と秋のディゾルブのデュレーションが長すぎて、秋が夏にカットインして来ないため衣替えのタイミングも難しいですよね。
……あっ、すいません。つい、業界用語を使ってしまいました(嫌な感じ)。
ディゾルブとはオーバーラップのことで、デュレーションとは編集機でカットとカットをつなぐ際にオーバーラップをかけるその長さのことです。デュレーションが長いほど深いオーバーラップとなり、前のカット(つまり夏)と後のカット(秋)のオーバーラップ(2つの画面が重なっている)部分が多くなるのです。つまり夏を秋までだいぶ引きずるんですな。一言でいうと境界線が曖昧なんですな(だったら最初からそう言えって感じ?)。

私が子供の頃は四季がもっとくっきりはっきりしており、9月も中旬を過ぎれば秋めいて、10月となればもう完全に秋、だったように記憶しています。毎年体育の日に開催される町民体育祭は少し涼しい中で執り行われていた気がします。
しかし今、たとえば今日は10月11日(にこれを書いているの)ですが、私は半袖で出社しております、ええ。本日の東京の気温、28度ですってよ。
蒸し暑さこそ消えてきましたが、毎日の気温差と、先日の3連休の雨、雨。気圧の変化でわたくしの体調は最悪です。みなさまも本当にご自愛くださいね。

さて話は変わりますが、年々、知識欲が増えていくのを感じています。
先日ぼんやりテレビを見ていたら、NHK高校講座世界史が放送されていました。高校生の時「カタカナは覚えにくそう」という理由で日本史を選択した私は世界の歴史に非常に疎かった(とはいえ日本の歴史に詳しかったわけでもない)のですが、今はそれがとても面白いんですね。
第二次世界大戦時、様々な国家が軍国主義からファシズムへと暴走していく様、そして日本もその国の1つであったことなどが取り上げられており「今も昔もなぜ人間というものは同じ過ちを繰り返すのだろうか……」などと感慨に耽りつつ「そうそう、わかる(知っていたことであった、の意味)~!」「わかりみ(本質的に理解した、の意味)~!」と言いながらとても興味深く見てしまいました。世界史に限らず、日本史も、国語も、もしかするとすべての教科にいえることかもしれませんが、かつて「受験のための勉強」であったがために、私は点在する形でしか物事を記憶していなかったのです。それが大人になり様々な角度からの知見を得て、ようやく点と点が線としてつながって見えるようになってきたからこそ、面白いと感じるのだと思います。
高校生の時にこの番組を見ても、ここまで興味を持てなかっただろうな。
というわけで最近「NHK高校講座」ばかり録画予約していてHDDがいっぱいです。見ては消し、見ては消している今日この頃です。

ちなみに今、私が特に夢中になっているのはナチスが台頭してくる前後の時代のドイツの空気感。これまでユダヤ人側からの史実や物語はたくさん目にしてきましたが、加害者としてのドイツ人側のものはあまり摂取してこなかったことに気づき、いろいろと読んでいるところです。
ハンス・ペーター・リヒターの「あのころはフリードリヒがいた」はまず最高。これをドイツの子供たち基本みんな読んでいる、という国の教育方針も最高なんだよ……!過ちから学ぶべきなんだよ人間は!「なぜそうなってしまったのか」を知ることは、不穏な現在や未来にストップをかけるためにも必要なこと。「知らない」って本当に怖いことだと思います。
「ベルリン三部作(コルドン作/ベルリン1919上下巻・ベルリン1933上下巻・ベルリン1945上下巻)」合計6冊のちょうど半分、ジャスト3冊読み終わったところでして、私の頭の中はベルリンでいっぱいです。
いつかこの物語の地図を持って、ベルリンを再訪したいです。

そんなわけでいろいろなことに興味が向いて仕方なく、注意力も散漫になっている司ではございますが、時間が許す限り様々なことに頭を使っていきたいなと思っております。

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