三度の飯より寿司がすき volume39

『男性の多い会議は時間がかかる』

みなさんが考える「仕事で一番重視すること」ってなんですか?
業種にもよりますし、同じ職種だとしてもプロジェクトにもよるかと思いますので、一概には言えないかもしれません。
ちなみに私は、複数人が関わる仕事では「効率」を非常に重視しています。
Aという成果物のためにあれやこれや試行錯誤して1週間かかるより、最短距離でAまでたどり着き3日で仕上げる方がはるかに有能だと思うわけです。

今、仕事で進行しているプロジェクトに…いろいろありまして、界隈では大御所と呼ばれるおじさんが途中参加することになりました。半年前から継続的に行ってきたプロジェクトの派生版なので、私も含め、以前からいるメンバーは大枠を把握しています。おじさんは、これまでの経緯を何一つ把握しないまま(つまりは事前準備を全くせずに)何度目かの会議に参加してきました。ちなみに会議に参加した女性は私1人、男性は6人(うち4人がおじさん)です。
冒頭、大御所おじさんは「この派生版プロジェクトは、そもそも俺の案で始まったのだ」ということを大声で2回ほど宣うことで、まずマウントを取ってきました。
人のちょっとした案など誰かが流用するのは当たり前の世の中です。頭の中で考えていたところで、自ら形にしなければそれはその人が作ったものだとは言えない。(そしてこれはまだ形にはなっていない。)Facebookのような革新的なSNSが世に出てきた時に「俺も考えてたんだよ!先越された~!」って言うようなものです。

クライアントのおじさんは、自分よりだいぶ年上の大御所を無下にできないらしく、彼の功績(?)を称えておりました。
「どうでもいい…なんなんだ、この俺様劇場は…」と冷めた目で見ていた私。
そしていざ本題に入ると、大御所はプロジェクトの大前提を覆そうとしてきます。「これまで何度も議論し、紆余曲折あってこのスタイルになっている。あなたのその提案は初期に私たちも考え、1度トライしてみたが全くダメだったので今の形になっているのだ。」ということを失礼にならないように延々と説明。この時点ですでに会議開始から30分が経過。
そもそも彼が呼ばれた理由は、新しいアイデアを出してもらうためです。しかし会議で出された彼のアイデアは既出のものでした。しかも配布した資料にすでに記載していたものだったので、「今あなたがおっしゃったこと、そこに書いてありますよ」と、これまた失礼にならないように指摘。
私が説明するターンになると、「え!?聞こえないんだけど!もっと大きい声で言ってくれる!?」と大声で威嚇してきます。隣にいるのに聞こえないって…お前の耳が悪いのでは…?
イラッとした私は、トーンを落とし、低めの大声で(つまりは怒った口調で)そのまま説明を続けました。

大御所を全員のレベルに引き上げるまで2時間を要し、会議は3時間にも及びました。大半がこのおじさんにプロジェクトの詳細を説明する時間として消費され、はっきりいって何一つ進みませんでした。

私が今回の件で心底思ったのは、

「男性が多い会議は時間がかかる。」

でした。どこかで聞いたような言葉ですね。
マウンティングしながら自分の意見を押し付けてくるおじさんにそれを忖度するおじさん。別の方向から見当はずれのことを言い出すおじさん。こんな環境で、効率の良い仕事などできるわけがない!!

「男性が多いプロジェクトは時間がかかる。そしてその大半は、無駄である。」

とも言えるでしょう。
全員が人の意見にそれぞれきちんと耳を傾け、その場で有意義な議論を交わし、最終着地点を模索し、確定する。それが会議というものだと私は認識しているのですが、おじさんたちにとってはどうやら違うようです。
(ちなみに、大御所が押し付けてきた意見に忖度したクライアントがGOサインを出し、このあと大変無駄な労力を費やすことになるのです…。トホホ…。)

ただでさえ、全員向いている方向が違う複数いる船頭(もちろん全員おじさん)へのメールや電話のやりとりに辟易しているのに、この大御所が加わったことで事態は混迷を極め、さらに無駄なやりとりが増えることとなりました。
さらに厄介なことに、おじさんたちにもヒエラルキーがあるので、クライアントのおじさんは、我々に加え船頭全員にCcをつけて送られてきた大御所からのメールに対し「NO」と言いたい場合、大御所だけ外して返信してきやがる…。もう、ぐちゃぐちゃです。「おじさんたちの交通整理」という新たな業務が発生します。さらに時間を要します。

「…働き方改革って、無駄なおじさんを1人ずつ減らしていけば成り立つのでは?」

ということに気づかされる毎日です。

そろそろ梅雨も明け、本格的な夏がやってきます。
みなさん、お体くれぐれもご自愛ください。

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