三度の飯より寿司がすき volume5

『痴漢は犯罪です』

先日、知人の20代前半の女の子とご飯を食べていた時、「痴漢にあったことがあるか?」という話になりました。私は中学生の頃、町内のお祭りに女友達と出かけたことがありまして、ものすごい人混みで、山車が通る道の両脇、歩道も人で溢れていて満員電車みたいになっていたんですね。ふとその人混みの行く先を見ると、法被を着たオッサンが、一所に立ち止まっていました。よく見ると、通る女子通る女子、順番にお尻を触っているではないですか。それは、祖父母が正月に行う餅つきのようでした。祖父が杵を臼に振り下ろすと、その直後に祖母が手に水をつけて餅をこねる、そしてまたすぐ杵が振り下ろされる、絶妙なタイミングで祖母が餅をこねる・・・その繰り返し。二人の息がぴったり合っていて、とてもリズミカルで見事な正月恒例行事だったのですが、その痴漢は、その餅つきを思わせるような、とてもリズミカルな痴漢でした。20年以上も経った今、こんな話も面白おかしく語れるようになりましたが、中学生だった当時の私には嫌悪感しかなく、こういうジジイは今すぐ死ねばいいのに、と思いました。しかし自分もそこを通らなければ駅の方に行けないので、なるべくジジイの手をよけるように通り、勇気を振り絞って「なにしてんだよこのエロジジイ!」叫んでみたものの。私の声は祭りの音に無惨にもかき消されたのです。(つうか、まわりの大人が捕まえろよ・・・!怒)
このエピソードを20代前半女子に語ると、彼女も学生の時に痴漢にあったことがあるらしく、体験談を話してくれました。しかし、彼女は話の最後に、「痴漢されて女性として認められた気がした」というような言葉を付け加えました。痴漢なんかに女性として認められる必要なんてないだろうが!アホか。
私には、その一言がとても気にかかりました。
もちろん冗談半分だとは思いますが、冗談でもそんな風に若い女性に言わせてしまう日本のこの風土って、とても問題があると思います。

小さな子供だって乗るのに、電車のつり革広告に半裸の少女の写真が写っていたり。きわどい漫画を普通に車内で広げて読んでいる男性がいたり。テレビ番組でアシスタントの女性だけが、ビーチにいるわけでもないのになぜか水着だったり。職場で袋とじ開けているおじさんもいたな。馬鹿かと。
日本はクールだ、なんて自画自賛する前にそういった恥ずべき習慣を是正しろ、といつも思うのです。
少女が性的な目でみられる環境が普通にある、女性が小さな頃から性的に晒されている環境で育ってしまった私たちの価値観、もう一度考え直してみませんか。「痴漢は犯罪です」と書いてあるポスターをみるたびに、日本の(特に男性の)民度の低さを思わされます。(痴漢=犯罪って、当たり前だろうが!)もちろん迷惑行為をする人はごく一部ですが、こんなポスター貼らなくても痴漢なんてなくなるような、健全な国になってほしいです、日本。

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