三度の飯より寿司がすき volume36

『ひとり温泉記【草津・後編】』

「Go Toを利用し初のひとり温泉へ。続きは後編で!」と早々に締めくくったのはいいですが、前編を書き上げてからだいぶ時間が経ちまして、記憶があやふやになってまいりました。早く書かなければ。ということで、後編です。

滞在3時間で早くも最高を記録した今回のお宿。レストランにて食事中、隣の席の母子は常連らしく、ぎこちない新米スタッフに様々なアドバイスをしているのが印象的でした。
席について、料理が運ばれてきてもおしぼりが来ず、

母「おしぼり出さないのは、敢えてなの?」
スタッフ「申し訳ございません、今お持ちいたします。」

店内のBGMが、空耳なのかな?というレベルでかかっており、遠くの席の女性客の咀嚼音が際立ち、私も気になってはおりました。そんな折、

母「BGM薄すぎて聞こえないんだけど。もっと大きくした方がいいんじゃないの?」
スタッフ「すみません、承知いたしました。」

言い方・・・!と思いながら聞いておりましたが、この母、いちいち言うことがもっともなのです。他にもいろいろおっしゃっていましたが、ひとまずBGMも認識できるレベルまで上がり、マコモダケの咀嚼音も気にならなくなってきました。通常であれば先輩スタッフが指摘するところ、隣の母によって新人の接客レベルがどんどん向上していくという・・・。非常に良いものを見た気がいたします。ごちそうさまでした。

お次は会社と家の往復ではなかなか足を運べないエステティックサロンへ。コロナ対策のため1部屋1人ずつの施術になっております。前身マッサージにオプションで小顔・アイセラピーをチョイス。日に日に目が小さくなってきている私はいつだっておめめぱっちり小顔になりたいのです。
部屋に入ると説明を受けます。「このコースは小顔と書いてありますが顔が小さくなるわけではありませんのでご了承ください」と言われ、「じゃあ、やめます」とは言えない私はその旨承諾いたしました。
普段はエステなんて全く行かないくせに、海外旅行や温泉旅行、非日常の際には必ず行ってしまう。不思議です。それだけ日々疲れているということでしょうか。

マクロビといえどもコース料理を食べ、なんならアルコールも摂取した直後のマッサージはある種、修行のようでもあります。
しかし1時間半、腕の確かな施術者さんによって相当癒されました。小顔にはならなかったけれど心なしか目が大きくなった、というよりも、ちゃんと目が開いている感じがいたします。この後はもう寝るだけだというのに、もったいない限りであります。寝て起きたらまた半開きの目に戻るだけだというのに。しかし十分リラックスできたので良しとしましょう。エステ後は、また温泉につかります。誰もいません。またもや貸し切り状態です。素晴らしい限りです。

そろそろ0時。本当はこの後さらにヨガレッスンをしたかったのですがもはや眠くなってまいりました。明日の朝にします、起きられるかわからないけど。と心の中でつぶやきながら部屋に戻り、持参したカップ付きの赤ワインでひとり祝杯をあげたのでした。不思議なことに、小さいカップ1杯ほども飲むことができず、サービスエリアで買い込んだつまみも食べられず、有機野菜・温泉・森に囲まれた効果なのか、すぐに眠りに落ちたのでした。

翌朝。
窓を開けると森。
清々しい空気。外は快晴です。
8:30にサラダ中心の朝食をいただき、9時からバルコニーにて朝ヨガ。太陽の光を浴びながら午前中にヨガを行うなど、通常の生活では考えられません。別の生物になった気がしております。ヨガで汗をかいた後は温泉につかります。

ここに住みたい・・・!

後ろ髪をひかれながらチェックアウトしたのが11時。
帰りのバスは16時なので、まだまだ時間があります。
草津の湯畑を見て、西の河原公園の大露天風呂でまた湯につかり(すごーく広くて、開放的なこれまた素敵な温泉でした・・・!)白旗源泉のぶくぶくを眺め、息切れしながら光泉寺の階段を上ります。ここには「遅咲き如来」と呼ばれる釈迦如来像が安置されておりまして、境内の看板には「今まであまり花を咲かせられなかった方々、これからもう一花咲かせたいと願っている皆様、ぜひお参りし、願いを叶えていただきます様祈念申し上げます」とあります。ぜひお参りしなければなりません。遅咲きみくじなるものをひきましたら中吉でございまして、至極真っ当なことが書かれておりましたので、今後は真っ当に生きてゆく所存でございます。
夜の湯畑も素敵かと思いますので、またこちらに寄らせていただこうと思っております。
大人数でワイワイできないコロナ禍のひとり草津温泉、おすすめです。
みなさまも、引き続き、くれぐれもお体ご自愛くださいませ。かしこ

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