三度の飯より寿司がすき volume20

『小顔矯正に行ってみた』

先日、初めて整体に行きました。
20代の頃は体のだるさもなく、今より痩せていたし健康そのもの!という感じだったのですが、30代ともなればいろいろと身体に不具合がでてきます。
最近温泉やマッサージなど体を癒す場所に行く機会が多かったので、この勢いにのって、友人の紹介で近所の整体サロンに足を運んでみました。
なんてもっともらしく書きましたが、年々大きくなっていく自分の顔が本当に恐ろしくて、「小顔矯正」をうたっている整体院へ半信半疑で駆け込んだのでした。
いざ、身体と顔の歪み矯正へ。

受付で名前を告げ、座って問診票に記入し、施術室(といってもカーテンで仕切られたベッド1つ分の小さな空間)に入ると、20代半ばくらいの若い男の先生が入ってきました。
まず、鏡の前に立たされ、右肩と左肩の高さが同じではないことを指摘されました。はい、そのとおりです。
証明写真を撮る際に、いつも「左肩をもっと上げて!」といわれ、カメラマンのOKが出るまで上げていくと自分としてはかなり違和感のある姿勢になるのですが、それでどうやら見た目には平行になっているらしいので、まあ歪んでいるんだろうな、とは薄々思っていたのですが・・・。それから、これも分かってはいましたが、猫背であるとのご指摘も。はい、そのとおりです。
その後もズバズバと私の体の問題箇所を指摘される先生。

はい、そのとおりです。はい、すみません。はい。

しかし私の癖や違和感などを話していくうちに、「司さんは左の肩が下がっているのではなく、右の肩が上がっているんですよ」といわれ、目から鱗状態に。
私は右の足を上に組む癖があるのですが、それも体の歪みの一因になっているそうです。左の肩を上げるのではなく、右の肩を下げればよいらしい。

うん、しかしどうやって。

左に比べて右脚の外側が相当凝っているらしく、右脚がかたい、とも言われました。かかとに鋲のついたフラットシューズをよく履いているのですが、歩くたびに右踵の鋲が左のくるぶしあたりに当たって痛いのです、という話をすると、歩き方も右に力が入っているからとかなんとか。無意識に右脚に重心をかけすぎているそうです。なるほど。右側に力が入り過ぎているから、右肩も上がっていたのですね。要するに、力を抜くことを覚えれば良いらしい。
ふむふむ。

問診票を書いている時の私の姿勢も見ていたらしく、座っている時の私の足のつま先とつま先がくっついている、つまりはかなりの内股になっているとのご指摘。
子供の頃、足の両つま先を180度内側にすることに凝っていた時期(どんな時期だ)があって、そのまま180度内股で歩いていたりしたんですよね・・・。その頃の癖がいまだに抜けていないということなのですね、習慣って恐ろしい・・・。
がに股よりはいいだろう、と思って内股人生を貫いていた私ですが、どうやらそれは間違いだったようです。内股すぎるのもがに股すぎるのも体が歪んでしまうのでよろしくないと。
そりゃごもっとも。

ところで、私はハイヒールが苦手で普段は全く履きません。
ごくまれに履くと、前のめりになりすぎて、つるつる滑るし、はっきりいって歩けません。一度、友人の結婚式に家からヒールで出かけてしまい、足がもう無理すぎて行くはずの2次会を断って帰宅したことがありました。やっとのことで家の最寄り駅にたどりつくも、その時たまたま私をみかけた友人に、「生まれたての鹿みたいな歩き方してるけど、どうしたの。」と爆笑されました。その後、家まで徒歩10分のところをタクシーで帰りました。
というくらいヒールが苦手なのですが、世の女性たちはなぜこんな、履きにくい靴で走ったりできるのかはなはだ疑問なのです、というようなことを先生に訴えると、それは通常の感覚であると言われました。ヒールの靴に慣れてしまうと前のめりになっている感覚すらなくなってくるので、それでまた体がどんどん歪んでくるそうで。その正常な感覚があるのはいいことです、と肯定され、ちょっとほっとしました。「私は生まれたての鹿でいい」ってことですよね。

さて。前置きが長くなりすぎましたが、ここからが施術です。
足裏からふくらはぎ、脚の外側など、いろんなツボを押され、悪いところは当たり前だけれど、痛い。うーん、結構痛いなあ。と思いつつも我慢していると、ふいに先生が
「司さんは辛いもの好きですよね?」
と聞いてくる。質問の意図がわからず、
「はあ、好きですけど・・・。好きというより大好きですが何か」
と返答すると、痛みに強い人間は悪く言えば感覚が鈍いため、辛いものにも鈍感=辛いものが得意、となるらしく。確かに、タバスコとかめちゃめちゃかけます。唐辛子をどんなに入れても、どんなに辛くても、汗もかきません。はい。
「百発百中当たるんですよ、これ」とおっしゃっておられました。
はい、そのとおりです。先生。

体の施術が終わり、今度は顔です。
待ちに待った小顔矯正。これが本日の一番の目的です。
「はい、ここからはちょっと痛いですよ」
うん、でも大丈夫。私、辛いもの得意だし。
と思ったのも束の間、フェイスラインを先生、全力で押してくるのですがこれが、めちゃめちゃ痛い。とはいえ陣痛(経験ないけど)よりはましだろう、と自分を励ましながら、いてえ!と思った瞬間に息を吐くと乗り越えられることに途中で気づきました。
いてえ!「フー」いてえぇ!「フー」いっっってえぇ!「フー」・・・と、ラマーズ法もどきを繰り返しなんとか耐え抜くことができた私。よく頑張った、私。
最後に額を、何か私に恨みでもあるのかというほどの力で押され、「めりめりめりめり」という音がして、
「先生・・・なんかめりめりいってます・・・」と涙ながらに訴えると一旦手を止め、
「うん。でも大丈夫。割れたりはしないから!」と明るくさわやかな笑顔で返されました。

めりめりめり・・・。
フー・・・。

痛すぎると人って笑えてくるのですね。そして自然と涙が出てくるものなのですね。私、今日まで知りませんでした。
しかしそこを耐え抜くと、楽園が待っています。
半分泣きながら施術後の顔を見ると。

顔がひとまわり小さくなっている・・・!

頬の下あたりが広がってだるんと下がっていたラインがしゅっと上がっています。そしてなんだか全体的に体も軽くなった気がする。

人生もそろそろ折り返し地点にさしかかってきたような気もするので、ここいらでちょっと自分の体をきちんとメンテナンスすることを心がけていこうと思います。
姿勢とか歩き方とかに関してもあまり気をつけたことがなかったので、これを機に姿勢を正していこうと心に誓ったのでした。よし。定期的に通うぞ!
また来月、年が明けた頃に、再度顔をめりめりいわせてこようと思います。
大丈夫。私、辛いもの得意だから。

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