パリのマダムの・・・ volume97

塩の話 エピローグ 『良い塩梅』

私より若い主人だが、私より血圧が高い。
その上、お腹がぽっこり…
フランスでは、必ずしも肥満のカテゴリーではないが、
「貫禄がついた」という、日本の前向きな褒め言葉さながらの様子
このままではマズイ……と自分でも認識したのか、
自分から塩を控えるようになった。

以前は、それこそ、イントロにも登場した
カマルグ産のFleur de sel塩の花を、食卓に置いて、
作った料理の味見をする前に、それをかける、
ということをして、私をしかめ面にさせていた。

それが、股関節の手術をしたおり、
心臓の専門医に、血圧が少々高い、と診断を受け、
脳や心臓の病で亡くなった家系ということもあり、意識が変わってきた。

私が思うに、
パン好きな主人は、必然的に塩を取りすぎてしまう、と思うし、
さらに、グルテンも良くないのではないか、
摂るほどに摂りたくなる中毒性があるという意見もちらほら。

一方の私は、薄味好きなのですが、
老化も手伝って、筋肉の衰えもあり、
夜中に足が攣ったり、ということが起きると、
フランスでは、マグネシウムを摂りなさい、と言われます。

日本のプールで泳いでいて、足が攣った時には、
監視員からは、ポカリスエットが良いですよ、とアドバイスを受けた。
フランスに戻った今はまた、ミネラル分の多い水を選んでいます。

ところで私は、タッチパネルが一回で作動しない、ということがよくあるのですが、
これって、指が乾燥しているというのが一番多い原因とのこと。
そういえば、静電気もよく起きる……、やっぱり乾燥しているからかしらねぇ

帯電するのは、アース機能、つまり外的要因も考えられますが、
内的要因としては、体の水分が足りないから? 
やっぱ、内部的にはミネラル補給、外部的には保湿が必要ってわけで、
『良い塩梅』って、体の機能に対しても言い得て妙、と思います。

ちなみに我が家、現在、塩はゲランド産を使っています。
マグネシウム、カルシウム、カリウムが豊富で、ヨウ素が含まれない。
色がグレーっぽかったりするが、クレイ(笑)が、含まれているから。

カマルグ産は、オリゴ成分やヨウ素が豊富で、ナトリウムが少し含まれる。
カマルグは、渡り鳥ピンクフラミンゴがやってくることでも有名ですが、
カマルグの塩田が、ピンク色に輝く時期があって、
これをして、Lac rose en France フランスのローズ湖、と言ったりします


(限定版のパッケージ)

実は私、仕事で何度かホンモノのLac Roseに行ったことがある。
どこにあるかというと、北アフリカの西の外れセネガルにありまして、
もちろん、そこは塩の産地です。

驚くべきは、塩の含有量、他の海の平均が1ℓあたり35g程度なのに対し、
ここは380gという、死海より濃度が濃い!

あんなに何度もこの場所を訪ねておきながら
一度もその塩を買わなかったことが非常に悔やまれる……

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