パリのマダムの・・・ volume95

塩の話 その3 『塩罪?!』

フランスにいると、家庭で使う塩もいろいろあって
塩が料理用だけじゃないのを身近に感じます。

洗剤以外に食洗機に入れるsel régénerantセル・レジェネラン

その塩は、写真のように白い小粒の結晶になっていますが、
実際99,5%は食塩と同じNacl塩化ナトリウムです。
régénerantというのは、化粧品の効用でもよく使われる言葉で、
「蘇る、再生」といった意味。ちょっと面白いでしょ。

前にも書きましたが、
フランスの水は硬質で、Calcaireカルケール(炭酸カルシウム)が多いので、
水回りだけでなく、下手すると洗ったお皿やコップも白くなってしまうので、
こういうものが必要になるのです。
ガラス製品が白くなって傷まないように、
更には、食器類が早く乾くように、
liquide rinçageリキッドランサージュという、リンスも入れます。

食洗機は、
「水の消費量を減らし、洗い物する時間から解放され、自分時間が増える」
なんて言われて、フランスでは台所家電の三種の神器みたいな位置付けですが、
洗剤だけでも、パウダー、液体、ジェル状、タブレット状、
と、迷うほど色々あるのに、
加えて、塩にリンスに、と、必需品リストに入っているのだから
環境問題を声高に謳う割には、この辺りの事情とのエビデンスが欲しいものです。

私は、洗面台などを含め、日本式が、考え抜かれた世界一のお風呂だと思っていますが、
日本では洋風式の泡風呂に憧れる人が一定数いますよね。

シャワーが日常のフランス人も、お風呂に入る時はやはり泡風呂、
bain moussantバンムッサン(moussantは泡立つ意味)が、
もっとも多く使われていると思います。

硬質の水が原因で、皮膚が荒れたり、痒くならないように、を前提に、
各メーカーのマーケティング戦略で、謳い文句は多様に、
様々なproduit de Bain & Douche バス及びシャワー製品が出回っています。
そして、石鹸も含めて一体どんだけ種類あるの? っていう中に、
sel de bainセルドゥバン”お風呂用の塩”も販売されています。

日本だと、死海、ヒマラヤ、エプソムなども有名だと思いますが、
フランスならでは、と言えば、やはり、タラソテラピー(塩浴)と言うわけで、
もちろん、ゲランドやカマルグの天然塩を使った製品もあります。

お風呂に直接入れて溶かしてから使うものもあれば、
家にシャワーしかなければ、足湯にして使うもの、
さらに、Gommage(ゴマージュ)/Exfoliantとして使われるタイプもあります。

塩は
水質を変えて、水のPhバランスが良くなり、
ボディは発汗でデトックス、血流改善、筋肉はリラックスで、
温活、マッサージ、ゴマージュ効果……というわけですが、

それこそさっきは、ミネラルを取り除く、だったのに、
今度は、ミネラルを加えて、効用する?
プラスマイナス一体どっちよ〜

結論、
なんか、モノは言い様で、消費商業社会に踊らされている気がしないでもない(笑)

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