パリのマダムの・・・ volume11

『感知できないものへの楽観と恐怖』

人間の情報収集能力は、データ上、視覚が80%以上、聴覚が7〜10%、嗅覚が3,5%、
触覚が1,5%、味覚が1%程度という。
目、耳、鼻、皮膚、舌が受けた五感情報を、高次の脳機能が処理して「認識」に至る。
ご参考:https://www.visiblebody.com/ja/learn/nervous/five-senses

五感は、古代ギリシャのアリストテレスが「自然を把握する能力」としたことに端を発し広く通念になっているが、R.シュタイナーは、五感+生命感覚、運動感覚、平衡感覚、熱感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚を加えて、「人間には12の感覚がある」とした。

実際、第六感の心の動きや、「虫が知らせる」という予感など、理屈では説明できない
超越感覚や、分析解明されていない感覚もまだまだたくさんある。

ある器官が正常に働かない場合には、訓練や学習によって、別の器官で代用されたり、
別のシステムに転換されたり、ということが起きるが、ハンデがない場合でも、様々な
組み合わせで、知覚が成立している。

娘は、保育園に通いだした3歳くらいの時、片方の目が弱視と診断された。赤ちゃんの時に、斜視の可能性が指摘されたが、まだ話ができない状況では医学的判断は難しかったと思われ、後年「片目がほぼ見えない」と発覚した時、親としてはかなりショックを受けた。

見える目を覆い、見えない目を働かせる遮閉法で、専門眼科に通いながら、脳を訓練する治療を行い、その後もメガネで矯正して弱視は回復したが、現在もメガネをかけている。

そのせいかどうかはわからないが、娘は聴覚が発達して、絶対音感を持って? 生まれ、
バイオリン、ピアノ、ギター、三味線、手に取る楽器を次々に制覇した。

実は、夫が、斜視で遠視と、屈折異常があり、メガネをかけないとモノが正しく見えない。
その夫の方は、どうやら嗅覚が発達? 大きな鼻で、「まるで犬」のごとく、なんでも
匂い(臭い)を嗅ぐ習性がある。

困ったことに、お肉、特に「羊肉」は全くダメ、牛肉は食べられるものもあるが、「臭い」と感じるセンサーが強く働き、産地や熟成度などの詳細を気にするので、面倒クサイ。

単に「くせ」と言ってしまえばそれまでだが、特定の「におい」への学習によって感受性に差が出てくるというから、ソムリエをしていた時の「職業病」も考えられる。また、
仕事のストレスからメニエール病になり、一時的に片側の聴力を奪われ、補聴器をつけていたこともあるので、半減した聴覚の代わりに嗅覚がアップした可能性も捨てきれない。

さて、「戦時下」?のフランスでふと気になってしまったことがある。
何がか、というと、「ウィルス」「電磁波」……

いずれも、「目に見えない」「音が聞こえない」「においもない」「触れる感覚もない」「味もしない」。つまり、そのせいか、楽観してしまう?!

集団隔離策で「自宅軟禁」となって以来、外界との繋がりは、コンピューターやスマホを使ってのテレ・コミュニケーションのみとなり……家の中は、WIFIやスマートメーターの環境にあり、食事内容が貧弱化してきて、電子レンジで温めたものを食べたりする。

この状況は、はたして「健康」なのだろうか?

ここでおさらいしておくが、
「ウィルス」は、
細菌の50分の1程度の大きさで、細菌と違って細胞がないので、他の細胞に入り込んで
生きる寄生体。人の細胞に入ると自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してたくさんの
ウィルスが飛び出し、他の細胞に入り込んで、増殖していく。

一方、私たちの体には免疫システムがある。生体防御の最前線たる「粘膜免疫」を突破
して体内に病原体が侵入すると、「全身免疫」という次の防衛の仕組みが働く。

「自然免疫」は、白血球たる「好中球」や「マクロファージ」が病原体を飲み込んだり、全身をパトロールしているリンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」が、外敵を即座に攻撃、病原体に感染した細胞も破壊する。

次に、「獲得免疫」が働き出すが、これが抗原抗体反応といわれるもの。ヘルパーT細胞が周囲の免疫細胞を司令、キラーT細胞やNK細胞が活性化し、病原体を攻撃する一方、
B細胞の一部は侵入した病原体を記憶し、長期に生き続け、次の感染に備える。

感染症にかかった時に、熱が出るのは、病原体の活動を抑制し、免疫細胞の働きを活発にするためであるし、下痢をするのは、病原体の侵入によって炎症が起きた時、悪いものをいち早く体外に出すためで、いずれの症状も免疫が正しく機能することで起こる。

ところが、「免疫システム」の異常によって、自己の組織や細胞を「異物」と誤認して
病気を起こす「自己免疫疾患」という事態が起きる場合もある。年々この病気の種類や数が増えているのに、「反応」の原因究明が追いつかない難病である。
(Covid -19の重篤性にもその可能性がないとはいえないと思っている)

次に、「電磁波」だが、
波長の短いもの(エネルギーが強い)から、ガンマ線、エックス線、紫外線、可視光線、
赤外線、電波(3T(テラ)Hz以下)となる。熱作用と非熱作用の人体への影響があるが、
電離作用を持つ電離放射線は、DNAの損傷やガンを引き起こすことが知られている。

電波といえば、以前は、TVとラジオだったのが、今では、携帯電話の数は世界の人口と同じくらいで、世界中の人が高周波電磁波にさらされている。

人間の体は生物だが、元々電気で出来ており、物理化学反応を起こす。
脳も皮膚も神経も「直流」なのに、「交流」の電気が混じることで、様々な病気を起こす。

電磁波は人体に作用すると静電気を作って、筋膜と筋肉の間に溜まり、痛みや神経障害を
作ることがわかっている。膜が硬くなると深い呼吸ができにくくなる。心臓や血液や
リンパの流れで、帯電状態が増強されると、体の様々な場所に不具合が発生する。

中には、「電磁波」に敏感な「電磁波過敏症」の人もいるし、「化学物質」に強い反応をする「化学物質過敏症」の人もいる。(化学は、物理学や生物学とも密接に関係する。)
「〜対策」と称したグッズが横行しているが、どこまで確実性があるのか、わからない。

となれば、現代の環境因子は「恐怖」でしかないが、何らかの症状があるのに自覚のないまま普通に生活しているケースは多く、私も然りで、気づかないうちに、体が侵食されているのに、恐怖さえ感じない、というわけだ。
ご参考:https://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/denpa/jintai/

さて、電化システムの発達は戦争や兵器開発とシンクロする。
第一次世界大戦で、高強度レーダーが設置され、世界は無線通信とラジオ放送が開始され第二次世界大戦では、世界中でレーダー機器が使われ、地球全体が高周波に追われた。

その後は、地域戦争を除いて世界戦争は起きていないものの、防衛或いは実用と称する、人工衛星が次々に打ち上げられ、軍事用に開発されたコンピューターが一般にも普及し、スマートメーターやスマホなど、様々な工学機器が実用化されているという具合だ。

その流れで、パンデミックが起きた時期と地球上の電化システムの発達を関連づける報告があったりするが、私はその論理の半分は眉唾だと思っている(思いたい?)。

いずれ、時局が複雑になるほど、情報が氾濫する。
楽観するのも恐怖に煽られるのも良くないが、何が正解か、は、断言できない。

人間も撹乱され、「悪い」方の理解に偏ると「強迫観念」にとらわれ、パニックを起こす。
なにせ、脳は「はまる」という現象が起きる作りになっていて、洗脳されやすい。

「未来予測」として、スエーデンEricssonエリクソンのレポートをご紹介。
五感に連動してインターネットとつながるサービスで、2030年までに実現とあるが、
当然5Gテクノロジーの発達と大いに関係する。
10 Hot Consumer Trends 2030
「救い」のありやなしやは、結局、様々な意味で、人間の「頭の中」にある?!

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