パリのマダムの・・・ volume99

『ところ変われば…』

ハンブルグ在住の娘から聞いた驚きの事実

ドイツではサウナの利用は男女一緒で、しかも全裸で
とのこと。

私は(たぶん、皆さまと同様に)
「あの、閉鎖空間で?」
「全裸で?」
「混浴~?!」
「ええーっ、あり得ないでしょ~」
という反応になった。

BFと一緒に私設のスイミングクラブのメンバーになった娘。
ある日、そのクラブの更衣室で、どこも隠さず
真っ裸で、堂々と歩いている人を見かけたそう。

ちょっと衝撃的だったので、ドイツ人の友人にその話をすると
「えっ、まだサウナに行ったことなかったっけ?
ドイツでは、男女一緒に、皆、普通にハダカよ」
と返され、あまりに驚いた娘が、私に報告してきたという次第。

しかも、その友人から
「今度一緒にサウナ行こう!」
と誘われたのだという。

親の私が思うに
娘の性格からして、裸で混浴サウナに入る勇気はないのでは…?!
どう答えたのかが気になるところだ(笑)。

という経緯があったので、Googleさんに聞いてみたところ
ドイツでは
「プールでは水着を着けるが、サウナでは男女ともに真っ裸」
との回答が結構あって
何なら「(サウナでは)水着着用は禁止」となっていた。

大都市だとサウナが街のあちこちにあって
家族、友人、仕事仲間ともよく行く“寛ぎ”の場所で
ドイツ人の2/3は月一で通っているそうな。

ドイツのサウナ協会のサイトには
「サウナの熱によって、発汗が問題なく行われなければならず
合成繊維の水着のまま汗をかくのは、快適ではないし、衛生的でもない」
とある。

因みに、スイスはドイツと同じ習慣で『裸』
他方、英国は『水着着用』が普通。

まぁ、水着を着る、着ないより先に
男女混浴、というところが…気になるというか
日本人には馴染まないというか…

日本のサウナも、全裸利用が基本ですから
当然、更衣室の入り口から、何から何まで
男女別です。

フランスでは
「サウナに誘うのは ”大人の世界” の娯楽でして」(ホントかよ?!)
これまた、フランス的?! で笑っちゃう。

「ドイツ(のサウナ)では、性を暗示するような意味合いは一切ない」
ので、仲間内は元より、BFや義理のお母様と一緒でも
何の問題もないそう。
娘と娘のBF、そして私が、全裸で一緒にサウナ…
無理、無理、無理…絶対に無理ですぅ。

ところで娘との、裸で人前に云々の話の中で
「体に自信があったら、堂々と人前で裸体をさらけ出せるのだろうか…」
という話になった。
そういう一面が無いとも言えないと思うが
この件に於いては個体差が大きいと感じる。

海外の海辺では、完全なるノーブラで堂々と歩く女性を見かけたりする。
ん? この人、そんなに堂々と見て見てとするほど…?
と思う事も多々ある。
もちろん、自分のことは棚に上げていわせていただいている。

もっとも、私は
いくら海外であっても
いくらナイスバディであったとしても
日本人の矜持を大切に、プラプラさせて歩くことはないと断言できる。

話変わって、私が通うカンヌ市営のプール施設の更衣室は
男女別ではありません。

ゲートを通ったら靴を脱ぎ、そのまま進むと、
通路を真ん中にして両側に個室の更衣室がいくつかあります。
更衣室の奥がロッカーになっていて
ロッカーは好きな場所、好きな番号を選ぶことができ、そこに私物をいれます。

プールに向かうと、ベビー用オムツ変えコーナーがあり
トイレは男女別ですが
シャワーは、個室とハンデキャップ用椅子付で少し大きめの個室がそれぞれ二室ずつ。
あとは、オープンスペースになって複数のシャワーが設置されています。

ここにはトイレ以外に洗面台はなくドライヤーもない。
出入り口付近に置かれた椅子の頭上に
固定され、多少上下高さを変えられるセンサー付温風機があるだけ……

先日、そのプールで泳いだ後
いつものように個室シャワーに入り
すっぽんぽん(←死語?!)になり
シャワーのボタンを押した。

・・・ 待てど暮らせど、お湯が出てこない

仕方ないので水シャワーでシャンプーを済ませ
(日本の公共のプールのシャワーと違いカンヌのシャワーはシャンプーOKです)
バスタオルを巻いて早々に出た。

スタッフとすれ違ったので
「個室シャワー、お湯が出なかったのですが……」
と伝えると
「はい、”外が暑いので” 温度を下げたようです」
と返ってきた。

『なら、言ってよ〜ぉ』
『下げたって、ほとんど水だったよ……』
心の声が思わずダダ漏れになるところでした。

もしや、お湯の使いすぎを回避するため?!
穿った考えがよぎったけど
そう言えば、水しか出ないシャワー個室もある。

よく見ると
「疲れた筋肉を癒すには、水シャワーが有効です」
と、張り紙が…
回復浴の代わり?
(シャワーでは回復浴はできないというエビデンスを出したのは
フランス人の学者さんだけど(苦笑))

こうしてみると、社会習慣というものは
地域文化のぶつかり合いで形を変え
様々に進化して作り上げられるように思う。

カルチャーショックは日常的にごろごろ転がっていて
特に国をまたぐと、驚きも大きい。
が、日々、新たな発見ができる楽しさもある。

ご参考: https://www.cannes.com/fr/sport/piscines/piscine-montfleury.html

https://saarland-therme.de/fr/

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