100年の歴史と女性たちDECADE⑳
【2011年(平成23年)~2018年(平成30年) 】
~トレンド~
この時代の主な出来事
◎東日本大震災(2011年)
◎なでしこジャパンが世界一に(2011年)
◎消費税が8%に(2014年)
100年にわたってみてきた歴史と女性たちも、今回のトレンド編で最終回です。
いつの時代も、流行を作り、その時代を引っ張ってきた女性たち。
最近になって女性たちがますます輝いていると思いませんか。
そのせいでしょうか、女性誌やネットでよくみかけるのが、〇〇女子や、女子力という言葉。
女子という言葉が流行ったのは、少しまえに世に出た「肉食女子」がきっかけと思いませんか。
草食男子に対して生まれた言葉でしたが、その後2010年代にかけて、女子力、女子会、ひいては「こじらせ女子」などといった言葉が「流行語大賞」にノミネートされました。
「女子」って本来、おんなの子、女性、という意味でしたが、いつのまにか、そこに「いくつになってもかわいらしさを忘れない女性」という意味がくっついたみたいです。
その「女子」という言葉に対して、「30代や40代になっても女子とかわいこぶるな」なんてすぐに批判する人もいるんですが。
この「女子ブーム」、1980年代のバブル景気と男女雇用機会均等法で働く女性が増え、自分たちにとっての選択肢が増えたからではないでしょうか。
「肉食女子」だけではありません、2010年代にかけて出るわ出るわ。
例えば「サブカル系女子」
その名の通り、サブカル文化が好きな女子。
「土木系女子」
ドボジョなんていわれていますが、土木系のことを学んだり仕事としている女性のこと。
「おやじ系(おっさん系)女子」
そういえば居酒屋で一人呑みするとか、これまで男性だけの正解と思われたような場所に出入りしたりする女性のこと。
それ以外にも「犬系」「猫系」といった動物に例えるものまで、数え上げたらきりがありません。
ちょっと変わったところでは、「カープ女子」
2009年に広島東洋カープがマツダスタジアムのオープンに合わせて女性ファンの取り込みに力をいれ、徐々に女性ファンがふえ、
2011年ごろからスポーツ紙などでカープガールズと呼ばれていました。
さらに2013年にNHKがニュースで「関東にカープ女子が増えている」ととりあげ、
この言葉が一揆に広まりました。
一方で、いくつになっても美しくいたいのも女性の願いですよね。
美魔女という言葉が一気に広がったのもこの時代です。
もともと女性誌で使われ始めた言葉ですが、もちろん造語です。
才色兼備の35歳以上の女性というのが共通認識。
魔法をかけているかのように美しいという意味らしいです。
2010年の終わりに東京で開かれた「国民的美魔女コンテスト」には全国から2500人余りが集まり、テレビでも取り上げられたことで、それ以降この言葉が一揆に広がりました。
輝く女性にとってどんなファッションがお気に入りでしょう。
2000年代にはファストファッションが広がり、「みんな一緒のトレンド」が特徴でした。しかし、2011年の震災が与えた影響は大きく、自分たちにとって大切なものは何か、それぞれが見直す方向へと変わったのは、ファッショも同じです。
大きなトレンドを追いかけるのでなく、自分の好きなものを着るファッションが流行しました。
それでもかわいいものが好きなのは変わらず、
2011年には、ガーリーアイテムが流行
まさしく女の子、カワイイ系
女の子系がはやれば大人系もはやる、ではありませんが、
ファッションの世界では、フェミニンアイテムも。
女の子らしさを追求したガーリーに対し、女性らしさと上品さを追求、大人っぽいシースルーや、ミモレ丈のスカートを合わせたコーディネイトが流行しました。
2010年代の女性アイドルといえばAKB48が大ブレーク。
手の届くアイドルといわれ、出す曲、出す曲がヒット。
日本全国で姉妹グループが誕生、さらには海外にまで広がるなど
一大ブームを形成。
女性グループといえば、モモイロクローバーZも人気となり、
女性アイドルグループ全盛の時代。
アイドルではないけれど、なでしこジャパンがサッカー女子ワールドカップで優勝したのもこの年でした。
いつの時代もファッションや音楽、時代のトレンドをリードするのは若者ですが、その数そのものが減っていく現代。
日本の20歳代の人口は、1995年に1900万人ちかかったものが、2015年には、およそ2/3の1300万人となり、2030年には1100万人と半減近くになると予想されています。
数の減少は市場の縮小。
さらに若者はお金を使わない、将来への不安や心配が原因なのかも。
ある調査によれば20代の若者がこれから積極的にお金をかけたいもののトップはなんと貯金。
少し前の若者といえば、自動車・海外旅行・ブランド品をがんばって手に入れる、そんなイメージもなくなり、浮かび上がるのは堅実な生活をする若者像。
若者をつなぐのはスマホとSNS
カフェで向き合うカップルが違いにスマホを操作している姿は当たり前の風景となり、スマホはいまやコミュニケーションにとってなくてはならないものになってしまった。
その方法も今はスマホのカメラで撮った写真や動画を使ったビジュアルコミュニケ―ションがブーム。
写真といえばイベントの記録を残すといった使われ方が以前は主流でしたが、いまは感情や状況を共有するツールとなりました。
文字中心だったブログなどのSNSも2012年頃から、インスタグラムをはじめ、フェイスブック、ツイッターといった言葉が少なくビジュアル重視なSNSが人気に。
その中心にいるのは、10代から20代の若い女性。
スマホの写真アプリを使いこなし、日々のコミュニケーションを感性で表現。
もともとプリクラで写真を加工し、写メールで写真を共有して楽しんでいた彼女たち、今注目は、「インスタ映え」です。
被写体としてのモノも大切ですが、「リア充」ぶりを表現することがポイントに。
表現したいのは、そこに写されているモノではなく、「こんなおしゃれな生活してる」とか、「こんな素敵な体験してる」といった、自分たちの生活ぶり。
それをユーザー同士で共有する、新しい情報発信のスタイル。
となると、情報の検索もビジュアルに。
はやりの服装は、旬のスポットは、そんな検索をインスタグラムのハッシュタグで行う。
SNSは目的に応じて使い分けられるようになり、インスタグラムはおしゃれな投稿が集まるハイセンスな場所、ツイッターは多種多様な情報があつまるところ、そしてフェイスブックはややフォーマル。
目には見えないけれど、電波にのってありとあらゆる情報が飛び交い、スマホを通じてつながるのが、現代のトレンド。
アニメ人気も健在です。
2016年に公開された「君の名は。」
日本におけるアニメの興行収入第3位の成績
ちなみに1位は千と千尋の神隠し(2001年公開)、2位はアナと雪の女王(2014年公開)
2010年ころからテレビの深夜アニメが人気を集め、新鋭気鋭の監督が現れるようになり、映画会社やレコード会社までもがアニメの専門部署を立ち上げるなど、制作体制が充実したのも理由の一つ。
アニメといえばスタジオジブリという時代から、新しい人たちが新しい作品を作るようになり、ヒット作が続きました。
アニメ映画は最近では映画の興行ランキングトップテンの半数近くをしめています。
見る側も変わりました。大人になってもアニメから卒業しない人がふえ、
お金をはらって映画館にアニメを見に行くことに抵抗感もなくなりました。
コナンシリーズは劇場で親子連れやカップルもたくさん見かけます。
アニメを見て育った世代が30代から40代になって、理解が広がったのでしょう。
そういえば人気アニメのポケモンとスマホが組み合わさってできたゲーム、ポケモンGOは、現実の世界を舞台にして、ポケモンを捕まえたり対戦したりといった体験ができるということで、大ブームになりました。
ある日突然、ある場所に若者が集まってきて、何事かと思うと、レアものポケモンが出現するという情報がネットにながれ、人が集まったとのこと。
それを観光や町おこしの集客に使おうという動きまででるほどでした。
いまや、スマホのない生活は考えられないといった時代です。
時は2018年、誰もが次のトレンドを探しています。
ファッション、音楽、映画やスポーツ、何がブームになるのか予想もつきませんが、現代の社会が活躍する女性を求めているように、次のトレンドを引っ張っていくのも女性であることに間違いはないでしょう。