It’s a 笑 time!

Episode 1


ほぼ週一で、家から歩いて20~30分のところにある
マルシェまで、ショッピングカートを引いて
食料品の買い出しに行く。

「週一でマルシェに行く」
と話すと
東京在住の親友が
「きゃーっ、素敵!」
の反応をするので

私  「えっ、マルシェって、市場よ、イ・チ・バ…」
親友 「うん、わかってるよ。でもね、日本ではオシャレなイメージなのよ。靴マルシェに、朝食マルシェに、卵マルシェに……」

と、テンション上がりっぱなし

「……」 (絶句)

マルシェは、スーパーより少々お高い印象はあるが
新鮮なシーズン物が並ぶし
なんといっても味が違う!
土の恵みを感じる!!

フランスはBio全盛
野菜は地元産を販売し
買った野菜が少しでも傷んでいたりしたら
次に行った時にそれを言うと代わりをくれるという。

とても気分良く、常連になれるのです。

そして何より楽しいのが
マルシェで出会う人々との何気ない会話。

先日も、乳製品や、ハム・ソーセージなどを売る店の前で
順番待ちをしていると
おじいちゃん一歩手前のオジさまに先に声がかかった。

「あのぉ~、私が先なんですけど」
と声をかけてみたら
「あぁ、ごめん、ごめん。全く気付かなかったよ 」
と返された。

「そうよねぇ、こんな格好をしているから
視界に入らないのも無理ないわ」

って…この日の私は写真の通りで
とんでもなく目立っていた(と思う)。

何ならメガネもデニムっぽいフレームで
光の強度で色が変わり、サングラスにもなるという…

気付かない方が難しいでしょうに。

会話が弾んだからか、オジさまは急に
「oh là là これは眩しい!」
と、嬉しそうなリアクション。

その後も、振り返る度に、オジさまとアイコンタクト
ちょっと照れ臭かった私は

「この“胡椒まぶしのパンチェッタ” カルボナーラに最高なの」
と、店の人でもないのに売り込んだりしつつにこやかに
“Au revoir, Bon week end!”

次に、マルシェの外にある、共済組合が運営するお肉屋さんへ。
常連になって早一年半、スタッフ皆と顔馴染みだ。

店に入るなり
「わあー、みんな見てみろよ。なんて“綺麗”なんだ!」
と、私を見ながら、仲間を誘うおじさん。

って、綺麗なのは 私じゃなくて(苦笑)
蛍光ピンクのGジャンの様だが…

ここでお肉を買う時はいつも
その日に食べるもの以外は真空パックにしてもらうのだが
おじさんがふざけた感じで
「嫌だよ、真空パックはしたくない」
と言い出す。
その横にいたお兄さんを甘えた感じで見たら
「それじゃ僕がしてくる」
と真っ赤な顔して言ってくれた。

お礼に、と投げキッスをしたら
わあーっと、歓声が店中に響く。

注文して、品物を準備してくれている間に支払いをするのだが
店で唯一の女性だったレジのお姉さんが
心なしか面白くなさそうなのが伝わってきた。

真空パックの包装を待っていると
「あれ、まだいるの?」
「コーヒー、飲んでいく?」
「このままここにズッと居れば」
と、店内の男性陣が私にチヤホヤする。

“男と女の性 (さが)”とでもいうのか
それ以前に
“人間的な”とでもいうのか
フランスでの暮らしにはこんなやり取りが溶け込んでいる。

順番待ちのお爺さんとお婆さんが
どっちが先かで睨み合ったりして笑えるし

会計を急ぐ人に、先を譲ると
皆、決まって驚いて
異常に有り難がってくれるのがとても面白い。

誰彼となく、大きな声で怒ったり笑ったり
皮肉や冗談を言って楽しむ
そんな毎日がここには普通にある。

ただ、Covidの出現以来
ソーシャルディスタンスに関してとても厳しい。
ハグやボディタッチ、挨拶のBisous ビズ(頬へのキス)も
めっきり少なくなったのは
全くフランス的でなく、ちょっぴり…いや、かなり寂しい気がする。

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