「社会と女性と法律と season2」

「差別だと決めるのは誰」【その2】

2.「差別だと決めるのは誰」

【関連する法律】
改正男女雇用機会均等法(1999、2007年/社会と女性と法律とseason1Part1518
普通選挙法/衆議院選挙法(1925,1945年/Part2,5
改正労働基準法(1985,1999年/ Part15,18
改正育児・介護休業法(1995,1999,2004年/Part16,17)
女性活躍推進法(2016年/Part1

【その1】誰かが得をしている?!
【その2】なんてすてきなネーミング
【その3】正しい評価って…

その2 なんてすてきなネーミング

男と女に分ける必要ってあるのかな、そう思いだすと普通選挙法って言い得て妙。
でも何が普通やねん!って言いたくもなるが・・・

A子さんA子さん

私、結局は「男だ女だと分ける時代じゃない」という風な考え方で進めないと、収まらないのではないかなと思っているのね。雇用均等についても、男と女の間での均等という風に決めつけるのではなく、企業は優秀な人を採用したいと思ったら、雇用の均等に対する物差しを自分たちでしっかりと持たないと。そこを男女でだけ考えていたら成り立たなくなってくるんじゃないかな。

B男くんB男くん

男女という言葉を使うことに固執していると、今後、男女で分けられない人たちがもっともっと増えてきたら複雑になりますよね。

A子さんA子さん

私も最初に入った会社では、何でも女性初っていう冠が付いて、男だ女だっていう話に巻き込まれていましたね。でも、その後に転職した二つの会社ではほとんどそんな事は無かったの。ただ、男の役員ばっかりだったから早く女性の役員が出たらいいねっていう話はあったけど、それで差別されているとかそんな気持ちにはならなかった。きっとその会社二つとも、女性の方が多い職場だったからかな。

B男くんB男くん

それは自分自身が正当に評価されているって思えたからでは。

A子さんA子さん

そうかもしれない。女性がきちんと戦力として認められている職場では、「もう5時だから帰ります」なんてことを言う女性はいないわね。第一、そんな事を言われたら仕事が回らない。

B男くんB男くん

何もかも男と女という分け方でものを考える人がやっぱり多いのかな。

C子さんC子さん

機会均等とか、平等とかいう言葉を、男と女という視点で考えなければいいんだよね。人として、とかそういうことでいいのでは。

資料📖 普通選挙法

正式には「衆議院選挙法改正法」25歳以上の男性すべてに選挙権が与えられた。
しかし、男性のみなので「男子普通選挙法」というべきかも。女性にも選挙権が与えられるのは戦後、1945年のこと。
(1925年公布 「社会と女性と法律と」その2参照)

B男くんB男くん

男女という言葉がついている法律がまだあるということは、現実はまだまだということなのかな。

A子さんA子さん

そういうことかもしれないわね。だから最初の頃は企業に生理休暇があったんだよね。今はないんじゃないかな。

ポイント☝生理休暇

1947年に労働基準法第68条として認められた制度で、生理痛などで、働くことが困難な女性従業員が使用者に請求して取得できる休暇のこと。
厚労省の調査では、1965年には1日でも生理休暇を申請した人の割合は、女性従業員の26.2%、4人に1人だったが、2014年には0.9%に激減している。
上司が仕事帰りに部下に酒を飲みに行こうと誘えばパワハラ、女性従業員の肩に触れたらセクハラ、個人情報で連絡先もわからないというこの時代に、0.9%といえども、超個人情報というか、限りなく個人に由来する「今、私は生理中です」という情報を上司に告げなければ取得できない生理休暇を申請する女性がいることに驚く。また、そんな制度がいまだに存在することに違和感を覚える。

ポイント☝男女の名前が付いた法律

・男女雇用機会均等法
・男女共同参画社会基本法
・女性活躍推進法
・政治分野における男女共同参画の推進に関する法律
といろいろある…
まだ女性差別が残っているからなのか…

A子さんA子さん

私、以前勤めていた会社で、時短の期間を延長するかどうかを巡って他の女性社員と対立したことがあったの。私はそれは逆差別だと思うといって延長に反対したんだけれど、ほかの女性たちは、延長してくれないと仕事ができないといって上司に泣きついて結局延長が決まったんだけど、実は周りの男性たちは迷惑だと思っていたのよね。
それに時短は給料も減るんだけれど、そうじゃなくてフレックスとかを使って家に仕事を持ち帰ってでもきちんとこなして給料分稼げばいいのにと思ったんです。そういう仕事の仕方をすればいいってね。
それに育休だって、最近は男性も少しは取るようになってきているけれど、それも均等じゃなければおかしいと思うしね。時短だって女性が週3日とったら2日は旦那に取らせるとか、それくらいになれば均等なんだろうね。

B男くんB男くん

時短の問題は確かにそうですね。働き方という視点で考えれば。

A子さんA子さん

うん、そうだと思う。

B男くんB男くん

取りたい人は取ったらいい。

C子さんC子さん

そのかわり給料の全額はあげませんよって。給料を丸々もらいたかったらフレックス使って私はこうやって働きます、ご迷惑おかけしませんって。そういう人がいてもいいと思う。

ポイント☝「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進のための行動指針」(内閣府)

多様な働き方・生き方が選択できる社会を目指すために、短時間勤務や育児休業など個人の状況に応じた柔軟な働き方を支える制度を整備し、それらを利用しやすい職場風土づくりを進めるとあるが・・・

資料📖 育児休業

導入率
76.6%(従業員5人以上)
95.3%(従業員30人以上)
取得率
81.8%(在職中に出産した女性のうち)
3.16%(配偶者が出産した男性のうち)

(H28年度雇用基本調査 厚労省)
とても男女均等とは言えないようで・・・

A子さんA子さん

男女で分けるというところはまだちょっとはあったとしても、究極の姿はそういう発想自体をなくすべきで、やっぱり原点、普通選挙法ですって(笑)。

C子さんC子さん

結果、ココに至ったか(笑)。でも普通じゃない選挙って、本当に何なのって思うわぁ~。

A子さんA子さん

そう書いていた(社会と女性と法律その2)じゃないですか、まさしくそこなんだろうなってすごく思っているんですけど。

C子さんC子さん

あれ私が問いかけたんですけど…、このテーマをやろうと思って最初の企画段階で話していた時に一番疑問だったんです。普通じゃない選挙って何って。そこから考えないと、そもそもの成り立ちからって思って。

いまだに公園に行くとね、男の子だから泣かないのっていうおかあさんがたくさんいるのよね、いまだにいるのがすごくて、男の子も女の子も転んだら痛いよって同じだよって思うんだけど。

B男くんB男くん

僕も小さい時の思い出で、赤い服が好きで、赤い服を着ていたら「男の子のくせになんで女みたいな服着るんだ」って言われたんだけど、何で着たらだめなのかなって。

A子さんA子さん

そういうのあると思う。私、日本に帰ってきて知ったんだけど、バレンタインってアメリカでは男だろうが女だろうがプレゼントをあげるんだけど、日本では女性があげると決まっているのよね。で、男性はホワイトデーにあげる。これってお菓子会社の策略?

ポイント☝バレンタインデー

日本ではこの日に女性から男性へ愛の贈り物として、チョコレートを贈る習慣があり、その始まりは1958年(昭和33年)2月、メリーチョコレート会社(東京)が新宿・伊勢丹の売り場に「バレンタインセール」と手書きの看板を出したのが最初といわれている。
(諸説あり)

そもそもの始まりはローマ時代、皇帝が軍隊の士気向上のために若い兵士の結婚を禁止していたことに反対し、聖バレンタイン司教が密かに結婚を取りはからい、それが皇帝にばれて処刑された。その命日に若いカップルが感謝の意を捧げたといわれている。

じゃあ、世界のバレンタインデーはどんな行事?と目を向けると、日本のように女性が男性にチョコレートを送るという習慣と同じなのはお隣の韓国くらいで、ほとんどの国は、恋人たちが男女を問わずバラの花やカードを送って愛を確かめ合う日のようですね。サウジアラビアでは、イスラム教の教えを冒涜するとして禁止され、逮捕された時代もありましたが、現在では認められています。

資料📖 日本のチョコレート輸入先

1位中国、2位アメリカ、以下、ベルギー、フランスと続く。

世界のチョコレート生産量
1位ドイツ 136.5万トン、2位フランス40.9万トン、以下イタリア、イギリスと続く。
日本は24万トン。

(日本チョコレート・カカオ協会調べ)

C子さんC子さん

そもそも女性が男性に自ら告白するチャンスを作ったっていうんだけど、別に好きに言えばいいんじゃないかな。

B男くんB男くん

日本の女性は自分の意思を言えないっていう思い込みがあるのかな。

A子さんA子さん

私もそう思う、でも今やそういう場じゃないじゃない。友達にあげたりとかね。

C子さんC子さん

なんなら自分に一番高いチョコレートあげちゃったりするのよね。

A子さんA子さん

(笑)。

C子さんC子さん

バレンタインの思い出って何かある?

資料📖 バレンタインに対する意識調査

チョコをあげる予定がある 女性の60%
チョコをもらう予定がある 男性の40%

女性がチョコを送る相手(全世代平均)

配偶者
62.6%
息子
27.0%
父親
26.4%
自分
24.9%
女性の友人
17.3%
恋人
14.8%

(10代から70代の男女2000人 明治製菓)

ポイント☝チョコレートを贈る相手

10代の女性では「女性の友人」が70.6%とトップ、2位は父親の45.9%、3位が自分41.2%、恋人は23.5%と続く。
いまや女性同士のいわゆる「友チョコ」はバレンタインの定番現象。
バレンタインの醍醐味も、「告白」が3.8%、「おいしいチョコを発見」が60.3%と、時代と共に変わってきているようです。
私のバレンタインの思い出といえば、当時通っていた学校が中高一貫の男子校で、通学はというと、自宅から学校まで自転車でおよそ10分、それも裏道を走り抜けるのでほとんど誰とも会わないということから想像できるように、全く縁がありませんでした。
他府県から通う同級生は、同じ電車やバスに乗り合わせた女子高生からプレゼントをもらっていたなと思うと、あの甘酸っぱい系の貴重な経験を私は知る機会もなく、思い出は作り直せないからなあと、後悔。
通学途中でたまに会った近所のおばあちゃんは、きっとバレンタインって知らなかっただろうなあ。何もくれなかった・・・(笑)

 その3「正しい評価って…」へ続く

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