「社会と女性と法律と season2」
「差別と区別」【その3】
1.「差別と区別」
【関連する法律】
教育基本法・学校教育法
(1947年/社会と女性と法律とseason1Part6)
工場法改正(1929年/Part3)
男女雇用機会均等法(1985年/Part15)
年金法改正(1985年/Part14)
【その1】女性を医者にさせたくない?
【その2】個体差があっても活躍できる?
【その3】女性は女性に厳しい?
その3 女性は女性に厳しい?
女性が社会で活躍するようになると、それをうらやむ人もいれば、応援してくれる人もいる。もっと自由に働きたい!
そんな女性を支えるもの、それは…
世の中を見ると女性が女性に厳しいのかなって…
同性同士というのは厳しいのかもしれないですね。
確かに男性から見ると女性同士は、どちらかといえば厳しいというより、少し意地悪な感じがします。
女性から見ても厳しいというより、一番感じるのは意地悪だなって感じ…
意地悪なのかな? 厳しいから意地悪に変わってきたのかな。
以前は「厳しい女性ほど同性に厳しい」と思っていたの。例えば、厳しいお姑さんがお嫁さんに厳しいとかね。
でも、時代が時代なら社会に出て、すごく活躍できたような女性が、当時は教育も受けさせてもらえず、母親から「女は家を守るもの」と教えられて必死で家を守ってきた。そこへ嫁いできた嫁が最初から外でバリバリ働いたりしたら、きっと悔しいと思うよね。そういう女性にすれば、自分が若い時は嫁よりもっと優秀だったのにと思うんじゃないかな。だから嫁世代の活躍している女性を見ると、やっかみで厳しく当たるのではないか、なんて思ってました
働く女性に対するやっかみが、厳しさとなって現れているのだろうか。同世代の女性から足を引っ張られたことがあるという声も。
一方で社会に出て、思い砕けた女性が頑張っている女性に対して、自分はできなかったことを代わりに頑張ってほしいと思い始めているような場合もある。相手の立場が大変だとわかるからこその思いが深く、その場合、やっかむ前に応援に変わるのではないかと考えられる。
私の実感からすると、いじめる人と頑張ってと言ってくれる人は半々かな…ん~、まだいじめる人のほうが6:4で多いかな、って感じですね。頑張ってと応援してくれる人が増えていけば、実は働きやすくなる気がしますね。
男女雇用機会均等法(1985年)の影響もあってか、その年以降、20代後半から30代前半の女性の就職率の上昇が目立っている。
男性からすれば、閉塞感満載のこの社会の状況を大きく変えてくれるのは女性じゃないかなって思っている側面もありますね、ちょっと他力本願的ではあり
ますけど…笑
そういうところってあるかもしれないね。
やるだけのことはやってみる。それでどうしようもなかったら家にもどって専業主婦になればいい、だから思いきってやってみるという考えはないですか? こういう事を聞くって失礼にあたるのかなぁ?
いえいえ、実は女性の強みはそこにある、いえ、今まではあったのよね。
旦那さんがいて、その収入で暮らせるならね。
そうなんだよね。できる立場の女性はそこを最大限に活かしていいと思うんだけどね…もちろん、夫婦間での話し合いは必須だと思うけど。
私もそう思うわ。
そういう生き方もあってもいいと思うけどね。
でもね、それを無責任だって悪くいう人がいるのよね、多くは女性じゃなくて男性なんだけど。
大きなファクターは、生涯一企業でずっと働くつもりなのかどうかだと思う。フリーになったり転職することを厭わないなら、女性は自分のタイミングと立
ち位置次第でどんどん動けばいいと思うなぁ。
国別の転職経験 (%) | |||||
転職なし | 1回 | 2回 | 3回 | 4回以上 | |
日本 | 45 | 7.8 | 4.2 | 1.8 | 2.9 | 韓国 | 13.1 | 6.5 | 5.5 | 3 | 2.1 |
アメリカ | 22 | 16.7 | 14.4 | 6.8 | 8.7 |
イギリス | 27.4 | 14.1 | 10.8 | 6.3 | 10.8 |
フランス | 16.5 | 7.6 | 4.3 | 2 | 4.1 |
アメリカの場合、転職は年金とか退職金とかといったいろいろなファクターの組み合わせで比較的うまくまわっているのよね。日本の場合は退職金とかは勤
続年数が影響するから、会社に左右されちゃうでしょ。転職したらまた一からだし。
企業年金はやっと401kとかが出てきたから持って歩けるようになったけど、それまではなかったじゃないですか。
あと健康保険も会社が半分くらい負担してくれているとかね。
転職のしやすさって、実は男も女も関係ないのよね。その後の人生設計ができるかどうか、どういう社会制度があるかということが大事で、アメリカはもうそういう制度設計になってるからいいんだけど、日本はまだまだ転職やフリーになることは不利益なの。
社会基盤が整ってないから会社にいることのメリットはものすごく大きいんですよ。
2001年確定拠出年金法が制定され、会社が積み立てていた企業年金を自分で運用することができるようになり、転職しても企業年金を持ち出せるようになった。公的年金については1985年の改正で、被扶養者であった配偶者(専業主婦)の年金が独立し、女性の年金権が独立している。
男女問わずですね。
そうそう、男女問わずなの。でもね、そういった不利益もふっきってでもチャレンジする可能性が高いのは女性だと思うのね。ところが、女性のほうが長生
きするから、制度ができるのを待つなんて悠長なことを言ってられないのよぉ~
待っていられない女性が、動き出すのはいつ
そして社会に何を働きかけていくのだろう…