人生 いつでも 真っ向勝負! volume11

『こう思うことにした』

“枕営業”なんてしたことないですよ。
こんな事、敢えて言うことでもないのでしょうが、ネット上の写真一枚、単語一つで人生失っちゃうくらいの悲劇に発展する、おかしな社会になっている昨今故、一応、言っておこうかと。
“枕営業”とは、業務上、利害関係のある人間同士が性的な関係を築き、それを交換条件にして仕事や利益を得ようとするなどの営業方法の事…らしい。なかなかスゴイ事だ…。
なんで急にこんな話題かと言うと、実はそんな噂を流されたのです。もっと正確に言うと
「吉田さんって枕営業してるらしいよ。私も聞いただけなんだけど、上司の友達の知り合いの話らしいんだけど…」と言われてしまった。
って、どんだけ希薄な関係の人の話の引用なんだ、まずそっちが気になった。だいたい世の中、ありもしない、事実関係の確認もできない、悪意を持った噂というのは、遠い遠い関係の人の話として伝わってきますよね。
上司の友達の知り合いの話を聞くには、先ずは知り合い程度の関係の人が“枕営業”なんていうセクシャルで且つ繊細な部分を併せ持つ内容を話すという行為から始まるわけで、そもそも、ソコが無いでしょう。縦しんばソコがあったとして、次は、その知り合い程度の人から聞いた話を友達同士で話題にして、その次にその話を上司が部下に話すってことでしょう? どうですかねぇ、これって成立しますかねぇ…
話を戻して、このとんでもないうわさを流した相手は、実は、近々に知り合ったばかりの仕事相手。初日から「私の方が偉いのよ」と言わんばかりにマウントしてきた女性である。その場にいたスタッフ全員がドン引きするくらいの態度で接した挙句、自分のマウントが効かないとわかるや否や、裏で枕営業の話を出してきたのである。
ところが、その噂を拡散しようと話した相手が私の旧知の仲の男友達。飲みに行った先で「お前、枕営業してるって〇〇に言われてるよ。」と聞かされた。せっかく拡散を狙ったのに、結果、本人の耳に一番最初に入ってしまったようなモノだ、マウント女子、ちょっと残念な人だと思わざるを得ない。
自分のマウントが効かなかったから、私を何等かの形で貶めて、何とか自分の立ち位置を上げたいという魂胆は見え見えではあるが、ここでのっかって文句を言ったら、相手の思うつぼ。
そこで考えた。50歳も数年過ぎて、アラフィフすらも際際、更年期と闘い、ウェイトは高度成長期の経済の様に右肩上がり、命がけくらいの勢いでアンチエイジングしている私が、体でお仕事が取れるって…もはや、スゴクない?(アンダーライン部分は平板読みでお願いします)。だから、こう考えることにした。今、この期に及んで、体を取りざたしてもらえるなんて、女として嬉しいのではないかと。
こんな事を言うと(書くと)、また、女性なのに女性蔑視発言だ! と御叱りを受けるかもしれませんが、でも、モノは考えようだと思いませんか? 枕営業してるなんてありもしない噂を立てられて、とんでもなく腹立たしいけど、怒ってみても事態は好転しません。それどころか、件のマウント女子のほくそ笑む顔が浮かんできます。ならばここはグッと我慢して、こう思う事にしたのです。
“この体に営業できる価値があるってお墨付きをくれてありがとう!
 これをきっかけに、少し女性らしさについて考えて
 より魅力的な女子として生きていけるようにするわねぇ~”

そして数日後、マウント女子にお仕事で会ったので
「私の体にまだ価値があるような感じで色々言ってくださっているんですって?」
敢えての慇懃無礼に聞いてみました。
「なんの事ですか?」
(しらばっくれんじゃねぇぞぉ~)という心の声をぐっと胸の奥底へ沈ませ
「枕営業ができるって褒めてくださったって〇〇君から聞いたわよぉ」
笑~鳩が豆鉄砲食らったような顔とは正にこの事
「〇〇さん、知り合いなんですか?」
と聞いてきた彼女に言ってしまいました。
「世界中に式神飛ばしてあるから、発言、特に悪口を仰る時はお気をつけあそばせ」
ココを笑顔で乗り切れない辺り、私もまだまだだなぁ~。

一覧へ戻る