「社会と女性と法律と season2」
「差別だと決めるのは誰」【その3】
2.「差別だと決めるのは誰」
【その1】誰かが得をしている?!
【その2】なんてすてきなネーミング
【その3】正しい評価って…
その3 正しい評価って…
女性だから、そんな理由で不当な評価はされたくない。仕事の内容や取り組み姿勢など、男女関係なく、正しく評価してもらえたらその結果には納得がいくんだけど。
私がすごく違和感を覚えるのは、実力もないのにそのポストにつくこと。女性だからってそのポストが当てられないのはしゃくだけど、頑張ってる人を蹴落としてまで実力がない人をあげるのは、二世が二世というだけでそのポストに上がっていくのと何が違うんだろう。
お蕎麦屋さんの息子がお蕎麦屋さんを継ぐのに文句を言う人っていないよね。政治家の息子が政治家を継いでも力さえあれば別に問題ないと思うの。お蕎麦屋さんの息子がお蕎麦屋さんを継ぐことで文句をいわれないのは、おいしいお蕎麦を作ることができるから。
この発想でいけば、プラスの部分だけをきちんと持ち得ていれば、二世でも構わないと思うのね。
たぶん、過去の歴史の中で実力があるのに女性だからっている理由で役員になれなかった人っていると思うのね。
女性だから役員になれないってなぜだろう。
女性だから?
女性だからというのでなくて、なんだろう、それこそいかにちゃんとその人と飲みに行っているかとか。そういうところを求められると、子育てしている間は全く無理じゃないですか。仕事時間も男性はみんなすごく残業しているのに残業しないで帰るとか。
そういうことはあったかもしれないですね。
総合評価の中に女性にとって不利な項目があったというのも理由かなと思う。女性だから落とされたっていうストレートなことよりも、総合評価で見る時にそういうこともあったんじゃないかな。
男性にも当てはまりますね。お酒とかのつきあいが好きじゃない人もいるし、残業したくない人もいる。
そう、そうなの。俺の飲みにどれくらいつきあってくれるかとか。でもそういう時代ってあったと思うのよ。
あった、あった。
従業員数301人以上の企業で、登用率0%は男性で35.9%、女性では88.5%と、男性に比べて女性の登用率が低い傾向が見られる。
(厚生労働省調査 平成27年度)
また、上場企業2,375社の役員総数27,526人のうち、女性は1,049人。
役員全体のわずか3.8%。約6割にあたる1,563社はまだ女性役員が一人もいない。
(東京商工リサーチ 2018年3月決算)
もう今までみたいに同じ会社に生涯忠誠を尽くすっていう時代じゃないから、実力の測り方の基準も変わってきていると思う。
一つの会社にずっといると、仕事の能力もその会社の尺度でのみ測られるしね。
どんな人とつながっているかとかね。
そういう尺度は転職するとまたゼロに戻るから。
そもそも、昔より働く女性の割合が増えているから、その女性を差別してきた結果、彼女たちが「私もう仕事しません」と言ったら会社が回らなくなる。そんな会社がみなさんが予想している以上にすごく増えているわけ。
ある意味、数による外圧になってきたということですね。
そうね、ところで昔、私たちの若い頃って、女性が選ぶ男の条件を「3高」って呼んでなかった?それが今は「4低」なんだって。なんか女性が求めるものが違ってきているのよね。「3高」の頃は、女性は男性を見るときに「玉の輿」に乗ることができるかどうかみたいな見方をしていたけど、今の「4低」時代の女性は、自分が働く前提にたって男性を選んでいる気がする。
それって全部が女性にとって都合がいいということ?
そうで~す。女性が求める自分にとって都合がいい男性像。
選ぶ男性の条件が変わったっていうこと。しかもいまは「4低」だけじゃなく「3平」もあるのよ。
- 3高:
- 高収入/高学歴/高身長 これはわかりますよね。
- 4低:低姿勢
- ・・・妻に偉そうに言ったり、したりしない
- 低依存
- ・・・自分で家事がこなせる
- 低燃費
- ・・・お金の節約ができる、費用のかかる趣味をもっていない
- 低リスク
- ・・・リストラされる可能性が低い
- 3平:
- さらに4低の中の「低リスク」に含まれるものとして
- 平均的年収
- ・・・無駄遣いしない
- 平穏な性格
- ・・・偉そうな態度を取らない
- 平凡な外見
- ・・・浮気のリスクが減る
一つ一つの価値に賛成するか反対するかは別として、私の中ではなるほど、女性の意識の変化というのがすごく表れていると思うの。女性が社会に出て働くということも仕方がないというあきらめからなのか、そういう発想になっているんだと思う。
今の女性って、アンケートでこういうのを普通に書けるってすごいなあと思う。
女性も自分で稼ぐということが前提でなければ、こういう発言はないのではないかな。
男のほうはといえば、SNSでは「“男が女に求める本心”をこうやって全部さらけ出したら世間がどんなに叩くだろう、女は叩かれなくていいよね」っていう言葉がよくやりとりされているようだけど。
それは僕も思います。とても怖くて言えない。
あらそうなの、出せばいいのに。
出したら叩くもの。
だからそこなんだな、私は出せばいいと思う。
叩かれたくないからよね。
叩かれたらいいじゃん。
SNSでの叩き方はひどいし、誰も悪者になりたくないから。
これだけ女の側が勝手なことを言ってると、これから男も女もどんな社会で、どんな能力でどう生きていくかという話になると思うの。その広範囲の問題を一つの法律でくくろうとするから問題が起きるんじゃないかな。
女性が勝手ばかり言ってるという意見もあるが、実はそうでもなく、男性もずいぶんなことを言っているわけで。
例えば、なぜ女性管理職が少ないのか。
その調査を厚生労働省が1970年代から継続的に行っているわけだけど、回答の選択肢を見てみると
男女雇用機会均等方施行前は
「女子は勤続年数が短い」
「女子は管理能力・統率力が劣る」
「女子の補助的業務の性格から無理」
「女子には法制上の制約があるので無理」
「その他」
男女雇用機会均等法施行後は
「必要な知識や経験、判断力等を有する女子/女性がいない」
「将来就く可能性のある者はいるが、現在役職に就くための在職年数等を満たしている女子/女性はいない」
「勤続年数が短く、役職者になるまでに退職する」
「時間外労働が多い、又は深夜業がある」
「出張、全国転勤がある」
「管理職については、顧客が女子/女性をいやがる」
「家庭責任があるので責任のある仕事に就けられない」
「仕事がハードで女子/女性には無理である」
「女子/女性が希望しない」
「上司・同僚・部下となる男子/男性が女子/女性管理職を希望しない」
「その他」
どれを見ても、まあ男の勝手というわけで、考えてみれば男性が多いお役所が男性中心の企業に質問して、それで結果は・・・となるわけだから。
チコちゃん風に言えば
“勝手なこと言ってんじゃないよ!!”