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『ハーバリウム ~ 中編』

制作期間 各30日~
(ご注文をいただいてから完成、お届けまで)
外側の瓶の大きさや形、中のお花の色や形等によって製作期間が変わります。
詳細はホームのページ「CONTACT」をクリックしてお問合せください。
(通常、2日以内の返信予定ですが、曜日によって回答にお時間を頂戴する場合がございます。ご容赦いただけましたら幸いです)



ハーバリウム(Herbarium)は植物標本が幾つか転じて
近年、観賞用のインテリアになった
というお話を前編でご紹介しましたが…

ハーバリウム“もどき”というか
ハーバリウムの前世というか…
何と江戸時代に
水の中に紙でできた花を入れて飾る
水中花(すいちゅうか)というインテリアがあったのだそうです。

もとより、紙でできた花や鳥を
お酒の中に入れて盛り上がる
酒中花というモノもあったと
こちらは俳人井原西鶴の作品や
松平家の御殿様の日記などにも登場しているらしく
インテリアというよりは余興…?!

水の中に造った花を浮かべるのは
元々は台湾の風習だったそうですが
江戸時代に流行ったということは
いったいどうやって伝わってきたのか…

この紙でできた花や鳥というのがすごくって
今みたいに、固定液FAA  Formalin、 Acetic acid、 Alcoholがある訳もなく
普通の水の中に付けておいたらアッという間に溶けてしまいそうですよねぇ。

ところが、コレがスゴイ!!
紙八手(カミヤツデ)という特徴的な植物の髄を使って作られる
超繊維質の紙は
通草紙(つうそうし)とも呼ばれて
なかなか水に溶けないことから
水中花や短冊にも使われていたんですって。

カミヤツデの木の髄を一枚いち枚
手で削って
乾かして
形にして…
大変な手しごとですよね。

国内に自生するカミヤツデの葉


木の真ん中の白いところを取り出して


紙にする

このカミヤツデ、西日本では
昔々から自生していたとのこと

平清盛が好んだ“今様歌”
「御所内の庭の池に短冊を浮かべ歌読みに興じた」
と表現された際の短冊の材料でもあったというから驚き。

なんと歴史のあるモノなのでしょう

いつの時代も手しごとは
人々の楽しく豊かな生活を支えてきたのですねぇ

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