Oh la la !!

『夢のまた夢 でも…もしも…』

アンティークトランク
私(庶民)にとって身近なものではないのは当然のことながら、その存在を想像するだけでうっとり。
「ヴィンテージ」となればなおのこと、簡単に手が届かないぶん思いは募るばかりです。
もしも、もしも手に入れることができたなら…

初代ルイ・ヴィトンは、1837年、14歳で「荷造り用木箱製造兼荷造り職人」に弟子入りします。のちに人気職人となり、1854年に独立してルイ・ヴィトン社を創業、第1号店をパリにオープン。当時も今もコンセプトは「旅」。旅行鞄=トランクは、時代の波に乗り、交通手段や生活スタイルの変化に合わせて進化を続けます。
なるほど、新たな形状や材質の開発、そしてあの「モノグラム」の誕生も、「旅」とともに積み重ねた革新の歴史なのですね。

そして、既存製品にはない特別なトランクを顧客の要望に応じて製作するサービスも。
これまで多くの有名人が「自分仕様」のトランクをオーダーしたとのこと…
さてさて、どんなものが作られ、愛用されてきたのかしらと調べてみたら、想像をはるかに超えて、あんなものからこんなものまで多種多様!

探検家のために作られた「ベッド・トランク」
旅先で広げるとクローゼットになる「ワードローブ・トランク」
ティー・セットや茶道具一式を収めるトランク、花器の「フラワー・トランク」は花がしおれたらトランクとして使用するほか裁縫箱やシガレットケースにも変身
作家が愛用した「ライブラリー・トランク」は書棚とタイプライターを収納
音楽家には楽譜と五線譜の引き出し、本棚、タイプライターを収め、内装部が机に変身する「デスク・トランク」
1000本のシガーと喫煙具が収まるものも。
襲名を控えたあの役者さんが愛用するのは、お父様がデザインした「着物トランク」
そして「鏡台トランク」は、製作担当者が何日にもわたり楽屋に通い続け、直感的に手が届くよう手順から動作まで観察しつくして作られていて、まるで家具のよう。
社内での発明コンクールで表彰を受けたのはなんと「シャワー・トランク」!

「ねぇねぇ、あなたならどんなトランクをオーダーする?」
「スイカを冷やしながら運べるトランクかしら。包丁とまな板、お皿も収まって、どこでもスイカパーティーができるの!」
「このご時世だから、パソコンと備品にデスク、WEB会議用にパーテーションと背景スクリーン、顔映りを良くする照明が収まる、テレワーク・トランクよ!」
「それはきっと、もう誰かがオーダーしていそうね!」

私(何度も言いますが、庶民)には手の届かないトランクですもの、オーダーなど夢のまた夢。
でも、知れば知るほど、ワクワクドキドキの魅力に興味が沸くものです。

トランクは、それを手にした人の生活に寄り添い、人生に寄り添って、様々な物語を紡ぎ続けます。
今日もどこかで、トランクという名の箱に機能と装備と夢を収めて、供に旅しているのでしょう。

真新しいトランクを手に入れて、自分だけの新しい「旅」を始めるのも素敵。
ヴィンテージトランクを手に入れて、誰かの「旅」の続きを始めるのも素敵。
あなたならどんな物語を紡ぎますか?

私なら…
手に入れることはできなくても、せめて実際に目にして、「旅」と夢を感じてみたいなァ!

一覧へ戻る